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米原曳山まつり 2019 松翁山組『蝶千鳥曽我物語 中村閑居の場』後篇

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つづきです。





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「兄上の勘当をお許しくだされ・・・」一部始終を聞いていて事情を察した禅師坊実江が玄関先から声をかけます。

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はじめは不審に思っていた満江も、禅師坊実江がはるばる訪ねてきたことを知り
懐かしさに色めき立って、いますぐ招き入れて会おうと立ち上ちあがりますが・・・
「その対面 叶いませぬ!」と十郎がこれを制します。
「さきほどわが子を十郎ひとりとおっしゃったではないか。  
 実江にお会いになるというなら五郎の勘当も解くのが道理」

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勘当許すか、実江を追い立てるか、と迫る十郎に母満江は・・・五郎の勘当・・・許さぬ。 
実江にも会いませぬ・・・と泣きながら屏風の陰に隠れてしまいます。

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「生きて栓なきそちなれば、潔く切腹なされ」
「えっ!  オレが?」(笑)

一徹短慮の母を翻意させるにはこれしかないと、切腹すると見せかけて、勘当を解く目論見です。

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「いかにも生きて栓なきこの五郎。 介錯頼む兄者人」
「五郎時宗 覚悟はよいか」
「南無阿弥陀仏」

目論み通りに、気になって屏風から覗く満江。

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「えーい!」
「南無阿弥陀仏」(あれっ?)

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ちょっと様子を覗く(笑)

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「もはや叶わぬ 観念せよ」
いよいよ諦めて刀を振りあげ「えーい!」
「南無阿弥陀仏」

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「やれ待て両人、五郎の勘当許しましょう」

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勘当解けたぞ、五郎。

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母上!

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せめてこの身があい果てたなら、母は兄の勘当を許すのではないか・・・
健気にもそう考えた禅師坊。自ら腹を切って現れますが、すでに兄の勘当が解けたことを知って喜びます。

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ふたり揃って「蝶」「千鳥」の小袖、この場で見せてたも、と言われて披露する晴れ姿。
きっと草葉の陰で父上もお喜びでしょうと満江は涙ぐみます。

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兄上殿のお顔が拝みたい。 まだこの夜があけぬことかいな。 鳥目は何の因果ぞや。

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鶏鳴一声、そのときようやく夜が明けます。

「実江、目が見えるか。 そちの兄の祐成じゃ」
「同じく五郎時宗なるぞ」
「うれしやうれしや弟禅師坊にござります」

 はじめて兄弟3人の対面となります。

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「われなきうえは母上に孝行頼むぞ。 はやおさらば」
十郎、五郎の兄弟は勇躍、富士の裾野の狩場へ向かいます・・・

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達者な子どもたちばかりで見応えがありました。
十郎のセリフまわしなんて、もう子ども歌舞伎の粋をこえてましたね。

禅師坊実江役の子は昨年、三番叟を演じていましたが、芝居っ気のある子で
団四郎師匠はこの子にこの役を演らせたい、という腹案をもっておられたようです。
体調を崩され、振付は実姉の岩井小紫師匠がつとめられましたが
流石に、この子にこの役を演らせたいと思われたのが納得できる出来栄えでした。
若衆の方にお聞きすると、自分が何をどう演じているのか、ちゃんと把握して
涙を絞る演技をしてた、ということで、またまた将来が楽しみですね!

ちなみに、昨年の「小松お旅まつり」でこの外題が団四郎師匠振付でかかってましたが
禅師坊実江役の女の子は、セリフまわしだけでなく、声まで団四郎師匠にそっくり。
口写しで稽古をつけているうちに、似る、というレベルを越え
魂まで乗り移るのだろうか、と思うほど似ていました(笑)

Commented by otti468 at 2019-10-15 21:52
梅花藻の撮影地で米原曳山祭の看板を見て
その気になっていましたが、決心がつきませんでした~(>_<)
14日もあったのですね~
こちらで拝見しますm(_ _)m
Commented by dendoroubik at 2019-10-15 22:30
☆ottiさん

今年は6年ぶりの三基揃い踏みでしたが
残念なことに 初日が台風で 3日目も朝から夕方まで雨でした
いろんな祭りを見てきて気づいたことのひとつは
その祭りの内容と観光客数は必ずしも比例しないということです
写真を撮るには 少ない方が都合はいいわけですけれど
米原のすばらしさを知ると 逆に観光客の少なさが腹立たしく思えます(笑)
最終日の14日の夜はホントにすばらしかったです

ottiさん 来年はぜひ!
by dendoroubik | 2019-10-15 05:00 | ◇米原曳山まつり | Trackback | Comments(2)