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城端むぎや祭り 2019 鮎は瀬につく鳥は木にとまる

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休憩で席が空くのを待ちながら、東上町さんの演舞を眺めます。 「麦屋節」と「古代神」です。




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どうして、城端でこのような盛大な五箇山民謡の祭典がおこなわれるのでしょうか。

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両者は距離的にも近く、藩政時代より養蚕業と絹織物業という互恵関係にあり
経済的な結びつきだけでなく、文化的な結びつきもつよかったからだろう
・・・と漠然と想像していましたが、必ずしも、そういうわけでもなさそうです。

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第一回目の「城端むぎや祭」がおこなわれたのは戦後まもない昭和26年のことですが
それまで城端でしきりに五箇山民謡が演じられていた、ということではないようです。

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大正14年、東京の日本青年館オープン記念として開催された「全国郷土芸能大会」に五箇山の麦屋節保存会が出演。
この頃、全国的な「民謡ブーム」があり「麥屋節」は「七大民謡」に数えられるほど注目を受けていたそうです。

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その一行が帰途、城端でおこなった公演を見た、城端新町若連中が感銘を受け「麦屋節新声会」を結成。
これが、城端で五箇山民謡が盛んに演じられるようになった直截的なっきっかけなのだろうと思います。
五箇山の保存会から民謡を伝授された新声会は、戦後開催された「城端400年祭」で麦屋踊りを披露。
これが契機となって気運が高まり、昭和26年 第一回の「城端むぎや祭」が開催されたということです。

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大正の中頃には絹の価格が暴落して五箇山経済は逼迫。 さらに昭和10年の米の統制で
東新田町を中心に活躍していた「五箇山貸」商人も姿を消して両者の経済的な関係が薄れた頃
逆に、城端では五箇山民謡が盛んに演じられるようになった、ということのようです。

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おわら風の盆の歴史にはくらぶべくもありませんが、それでも
自町で生まれたわけでもない民謡が70年近くにもわたって受け継がれている、ということに瞠目します。
たとえば、関西で老若男女が参集する、このような民謡イベントが継続されることなど、想像もできません。

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その原動力は何なのか・・・わかりませんが
この土地の精神風土と無関係ではないことはたしかだと思います。

Commented by cfc999 at 2019-10-02 12:18
dendoroubikさん、こんにちは。
 毎回の写真はもちろんの事
 そえられたキャプションも 大変読みやすくて
 随分と勉強になります。(^^)v

 なぜか今でもジャーんとこーい ジャーんとこーいが耳に残っています。(*_*;
 
 いつもイイネをありがとうございます。^^
Commented by ruolin0401 at 2019-10-02 16:33
お世話様です
城端むぎや祭が続いていますので、
ネットを覗いてみました。
いろいろ記事が載っていて貴殿の過去のブログ記事も載っていました。
若い方はこのような祭礼に参加し伝統を繋いで行ってくれるのは良い事ですね。消さないようにしていきたいものです。
Commented by dendoroubik at 2019-10-02 20:00
☆cfc999さん

こんばんは(^-^

毎年同じようなことを繰り返し書いてますので
もう 何も見ずに書けるようになりました(笑)
啓蒙的でイヤ味たらしい書き方してますが
人に伝えるというよりも 自分の記憶を定着させるために書いてますので
内容についてはあまり信用されませんように(^-^;
8割くらいは「妄想」です

ジャーんとこーい ジャーんとこーい
のかけ声は いまはあまり言うところは少ないようです
僕も好きなんですけど・・・
Commented by dendoroubik at 2019-10-02 20:17
☆素浪人さん

こんばんは(^-^

若いひとたちが伝統芸能を受け継ぐ姿には
ホントに感じ入るところがありますね
そういったところは他にもたくさんあるのでしょうけれど
城端のこのお祭りには思い入れがあり
つい長いシリーズになってしまいました(^-^;

おわら風の盆と比較されがちな祭りですが
何かと比較すると 勝っているところ欠けているところ
という判断基準になってしまいますので
その祭り自体の絶対的な美しさや楽しさを表現できたらと思います
両方好きですので それぞれに・・・
by dendoroubik | 2019-10-02 05:00 | ◇城端むぎや祭 | Trackback | Comments(4)