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垂井曳山まつり 2019 その7 西町『摂州合邦辻』後篇

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俊徳丸がアワビの殻の杯で、玉手の血を飲む干すシーンがあります。
近くで見ていた女性が思わず「えっ。 飲むの?」と呟いていました(笑)

たしかに、設定が突飛すぎて感情移入できないところのある芝居ではあります。
『妹背山婦女庭訓』なんかも、やはり同じようなところがありますが
当時の人たちはどんな気持ちでこの芝居を見ていたのでしょうか・・・?






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そこへいきなり飛び出してきて刀で玉手を刺したのは父親の合邦。

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怒りの顔色 筋骨立てて・・・

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このやうな念の入った大悪人 憎うて憎うて どうもかうもたまらぬゆゑ

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十年このかた 蚤一疋殺さぬ手で現在の子を殺すも 
とっとモウ浮世の義理とは云ひながら これが坊主の あらう事かいなあ

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刺した後も、怒りにまかせて玉手を罵る合邦をさえぎって、玉手が思いもかけない告白をはじめます。

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妾腹の兄 次郎丸は壺井平馬と謀って家督を狙っていること。
それに気づいた玉手は、わざと俊徳丸を口説き
病気になって跡継ぎになれなければ、命は助かると毒を飲ませたこと。
厳格な高安様は悪事を知れば次郎丸を誅殺するだろうし
自分にとってはふたりとも大事な継子であるからどちらかを依怙贔屓できない。
そして、跡追って家出してきたのは俊徳丸の病気を治すため・・・

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住吉で毒酒を飲ませたアワビの貝殻の杯を玉手は肌身離さず持っています。
これに寅年寅の月寅の刻に生まれた女・・・つまり自分の血を入れて飲ませれば病気は治る。
肝臓の血を絞り出してくれ、と合邦は玉手に頼まれますが
そのようなあっぱれな心掛けだったと知った今となってはできません。

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ならばと自ら懐剣逆手に取直し、何なく切り裂く鳩尾、自身に血汐受けたる杯。

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差付ける手もわなわなわな、俊徳丸は押載き
母の賜物 天地にもあまるばかりのご芳志、と、ただ一口に呑みほし給へば・・・

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不思議やたちまち両眼開け 面色手足も瞬くうち昔の姿に返り咲き 花のかんばせ。 ヤアご本復か

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自力他力にこの仏体 建立してわが住家を 
そのまま一つの辻堂に営むもまた平等利益 東門中心極楽へ 娘を往生なし給ヘ

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願ふ心は後世のため 現世の名残り数々は 
百八煩悩夢覚めて涅槃の岸に浮かむ瀬と 形見に残る盃の 逆様事も善知識

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仏法最初の天王寺 西門通り一筋に 玉手の水や合邦が辻と 古跡をとゞめけり

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by dendoroubik | 2019-05-27 05:00 | ◇垂井曳山祭 | Trackback | Comments(0)