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小松お旅まつり 2019 その5 京町『恋飛脚大和往来 封印切の場』前篇

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京町の過去の芸題を見てみると、ズラリと時代モノが並んでいます。
とくに登場人物が多彩で豪華な衣装で魅せる『絵本太功記十段目 尼ケ崎之段』は
昭和46年から平成11年までなんと30年近く7回も連続で上演されています。
市川団四郎氏も、京町では最初は『太十』を振付されていたようですが
前々回は『男の花道』前回は『壺阪霊験記』と世話モノがつづいています。
前回の壷阪寺がとても面白かったので、今年は何がかかるのかと楽しみにしていたら
なんと『封印切』。 これは面白くないわけがないですね。




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大和新口村の百姓の倅、忠兵衛は大坂の飛脚問屋「亀屋」の養子。
商売仲間に誘われて訪れた新町の茶屋「井筒屋」で出会った遊女梅川に夢中になり
足繫く通うようになりますが、店の行く末を案じた亀屋の主人は
嫁を持たせれば廓通いもやめるだろうと許嫁を決めてしまいます。

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せめて身請けして梅川を自由にしてやろうと思いますが
養子の身では身請けの二百五十両という大金を工面できず
前金の五十両は払ったものの、とうとう昨日で約束の期限が切れてしまいました。

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武家屋敷に届けなければならない三百両を懐に、ふらりと立ち寄った忠兵衛。
彼に好意的な井筒屋の女将おえんは二階の座敷へ通し梅川にこっそり会わせてやります。

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そこへやって来たのは、梅川の主人、槌屋治右衛門。

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約束の期限が切れてしまったところへ、忠兵衛の友達の八衛門から身請けの話があり
金の要ることがあるので、不本意だろうが身請けされるよう説得に来たのでした。

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しかし梅川は何とか忠兵衛と添いたいと治右衛門へ頼み込みます。

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忠兵衛さんは近頃、思いがけなく大金が入った、という梅川の言葉を信じて
治右衛門は八衛門の身請け話を断り、忠兵衛が金の工面をするまでもう少し待ってやると約束します。

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八衛門が身請けの二百五十両を手にしてやって来ます。

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廓中の嫌われ者です。

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案内も乞わずにズカズカとあがり込み胡坐をかく横柄な八右衛門の振る舞いに
治右衛門はそんな男へ娘同然の梅川はやれないと金を突っ返します。
忠兵衛のことを「養子」「田舎者」「借りた金を返さない」
・・・などと、腹を立てた八右衛門は悪口雑言を並べ立てます。

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八右衛門さんと忠兵衛さんはひとつにはならんのや
忠兵衛さんは男前はええ 金離れもええ 気立てもええ
わて忠さん好きやわあ うちかて忠さん好きやわあ
中居から太鼓持ちまで廓中のみんなが忠さん忠さん忠さんと
天井裏のネズミまでチューチューチュー(笑)

それに引き換え八右衛門さん
みんなあんたのこと 何て呼んでるか知ってはるか?

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ゲジゲジの八っつあん

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アブラムシの八っつあん

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総スカンの八っつあん

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ようもそんなけボロクソに言うでくれよったな
それになんやて? 天井裏のネズミまでチューチューチュー?
あたりまえやないか。 ネズミがワンとかニャンとか鳴いたら町じゅう大騒ぎや

それこそ テレビ小松が取材に来よるわ

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「よーも、身代の棚卸してくれたな!」 二階で聞いていた忠兵衛が我慢しきれず飛び出してきます。

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大和の百姓とバカにされた忠兵衛は、百姓といっても大百姓。
こないだもな、困ることもあろうと小遣いを送ってくださった、と見栄を張ってしまいます。

「十文か」「誰が十文や。 子どもやあるまいし」
「なんぼや」「・・・さ、さ、三百両」
「(梅)川のまえやからってミエ張ってるんやないで。 ほな、見せてみい」

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懐にした御用金の三百両を触らせますが、石か瓦やろう、と難癖をつけられるばかり。

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忠兵衛にそんな大金が工面できるはずのないことを知っている八衛門です。

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身請けのために持ってきた金の封印を切って、さんざんに忠兵衛をいたぶります。

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「大和の金の音聞かせてみい」 「大和の金も大坂の金もいっしょやわい」
「なんか音がちがうなあ。 石みたいな音してへんか」 「なに!」

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・・・と、つい力んでしまった掌のなかで封印が切れてしまいます。

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いかなる理由があろうと預かった御用金の封印を切れば、横領と見做されすなわち死罪。

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いま・・・見せたるよってに・・・

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なんやなんや。 お前ばかりが金持ちやあるまいし。

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百両・・・

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二百両・・・
びっくりするな まだあるぞ

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三百両

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どんな・・・もんじゃい!

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Commented by ei5184 at 2019-05-24 07:50
早くも封印切が登場しましたね~
長浜、小松の曳山は共通して、やはり都度位置を変えながらの方が、
台詞場面にマッチした絵が撮れますね!
大変参考になっています。感謝です。
Commented by dendoroubik at 2019-05-24 14:19
☆eiさん

早くも・・・ということはないと思いますよ
もう2週間も経ってますし「その5」ですから(笑)

映画の切り返しみたいに撮れたらと思いますが
思ってる通りの場所から撮れるとは限りませんし
とくに小松はの舞台は間口が狭いうえに
三味線太夫の付台があったり
大道具もあったりしてなかなか難敵ですね
しかし『封印切』は5度みましたが飽きませんでした
by dendoroubik | 2019-05-24 06:05 | ◇小松お旅まつり | Trackback | Comments(2)