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垂井曳山まつり 2019 その6 西町『摂州合邦辻』前篇

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三番山 西町・攀鱗閣の芸題は『摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ) 合邦庵室の場』
お馴染みの忠臣蔵二本のあとに、ガラリと変わって馴染みの薄い珍しい演目ですね。




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中世以前から摂州(大坂)に落魄した盲目の美少年「俊徳丸」の伝説があったそうです。
謡曲の『弱法師』 説教節『しんとく丸』や『愛護若』
かなり時代を下って折口信夫の小説『身毒丸』や三島由紀夫の『弱法師』
寺山修司のアングラ劇『身毒丸』などは、すべてこの伝承をモチーフにしています。

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人形浄瑠璃・歌舞伎の『攝州合邦辻』は、この説話に基づく代表作というべきものですが
名だたる作家の想像力を書き立ててきたこの物語もいまはあまり流行らないらしく
たとえば長浜曳山まつりの過去の外題を繰ってみても1963年 月宮殿で上演されてから
50年以上 上演されていません。 名前だけよく聞くのに見たのは今回はじめてです。

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合邦道心は世に知られた鎌倉武士の子でしたが讒言により浪人。 
出家して天王寺西門の庵室で清貧の暮らしを送っています。  

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その娘お辻は、大名高安家に腰元奉公し
奥方亡きあと後添えにのぞまれ「玉手御前」と呼ばれて出世していますが
あろうことか先妻の嫡子、美少年の俊徳丸に不義をしかけています。
合邦同心は、その罪により娘は手討ちにされているものと思い込み
自宅で弔いの供養をしています。 舞台はその最中からはじまります。

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奴の入平。 ワルモノみたいな出で立ちですが、俊徳丸の危機を救おうとする善玉です。

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高安家の嫡子、俊徳丸は病に侵され盲目となり、皮膚は爛れかつての美少年の面影はありません。
俊徳丸には次郎丸という妾腹の兄がおり、家督を奪おうと目論む彼に命を狙われています。

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次郎丸は許嫁の浅香姫に横恋慕しており、俊徳丸は兄の魔の手から逃れるために
ふたりで家を出て天王寺を彷徨っていたところ、合邦に助けられその庵室に匿われています。

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俊徳丸を追いかけてきた玉手御前。

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お懐かしや、と義理の息子に色仕掛けで迫ります。
年増女に見えますが、浄瑠璃の語りに「十九や二十歳の」とありますので
浅香姫と同年代の若い女という設定なのでしょう。

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「道をも恥をも知り給え」

病となって姿かたちも変わり、盲目になったのを見てもまだ愛想が尽きないか。
涙ながらにそう訴える俊徳丸に玉手御前は驚くべきことを語ります。

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去年の霜月住吉で 神酒と偽りこのアワビの貝殻の杯で勧めた酒は秘方の毒酒。
玉手は、病をする発する奇薬の力で俊徳丸をこのようような姿にしたというのです。
俊徳丸の顔が醜くなれば浅香姫は愛想尽かすだろうし、わが身の恋も叶うだろう。
醜い姿になったことがかえって愛おしい・・・と。

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エヽ聞けば聞くほどあんまりぢゃ あんまりじゃわいな
玉をのべたお姿を ようあのやうに仕やったなう 
母御の身として子に恋慕 サアサア 元のお顔にして返しゃ

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あなた様はなァ・・・入平の諫言にも耳を貸しません。

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ヤア恋路の闇に迷うたわが身 道も法も聞く耳持たぬ

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もうこの上は俊徳丸をいづくへなりとも連れ退いて 恋の一念通さずにおこうか

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アヽラ穢らはし と振り切るを・・・

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離れじ遣らじと追ひ廻し 支へる姫を踏み退け蹴退け・・・

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怒る目元は薄紅梅 逆立つ髪は青柳の 姿も乱るゝ嫉妬の乱行

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by dendoroubik | 2019-05-26 05:00 | ◇垂井曳山祭 | Trackback | Comments(0)