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おわら風の盆 2018 おたや階段下で 後篇

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井田川右岸の段丘に築かれた八尾の町の坂の途中
ここだけ川側へ一段降りたところに拓かれた鏡町はかつて花街だったといいます。
暗がり坂を下って金沢の旦那衆が主計町の茶屋街へ通ったように
八尾の旦那衆が下っていったおたや階段は、いわば此岸と彼岸とのあわい。

その登り口の石畳は、この世ならざる幻想性を帯びた「おわら風の盆」の最高の舞台です。




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つづいて青年男子の案山子踊り。

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恋の礫か 窓打つ霰 

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明けりゃ身に染む オワラ 夜半の風

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案山子踊りの見事さに溜息した観衆から・・・

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入れ替わり現れる雲に、今度は声にならない讃嘆のどよめきが起こります。

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この圧倒的な迫力というか存在感は何なんでしょう・・・

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昭和のはじめ、越中八尾に招かれた小杉放庵のつくった「八尾四季」
これに合わせて初世若柳吉二郎が振り付けた「新踊り」を踊っていたのは鏡町の芸者衆。

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放庵をして「聞くに堪えない」と言わしめた、それまでの卑猥な歌詞、素朴な踊りに代わって
艶っぽい歌詞と踊りに生まれ変わったおわら節。 これを東京の民謡大会で見物した八尾出身の青年が
見慣れた故郷のおわらとあまりにもちがうのに腰を抜かした、というエピソードはよく知られています。

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それまでは踊りに決まった「型」というものがなく
「旧踊り」と呼ばれる豊年踊りも、大正時代につくられたものなのだそうですが
これはすんなりと受け容れられたのに対して「新踊り」については
「こんな色っぽい踊りは良家の子女には踊らせられない」
と拒絶反応がつよかった、というようなこともどこかで読んだ気がします。

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雲が、ほかのまち(支部)の青年女子の町娘風の衣装と一線を画するのは、そんな元祖としての心意気のあらわれでしょうか。

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そして鏡町の衣装が「完全変態」なのは
たんに年が来れば色ちがいの衣装を身に纏えるということではなく
芸に精進を積んだものにだけ許されるメタモルフォーゼ・・・という隠喩かもしれません。

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八尾坂道 降り積む雪も 
     解けて流れる オワラ おわら節

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Commented by ei5184 at 2018-09-23 05:33
今年は訪ねられなかったのが、残念!
最も3日の朝9時に立ち寄ってから帰りましたが(笑)
Commented by dendoroubik at 2018-09-23 12:33
☆eiさん

見たものも見られなかったものも
こころを残すのが風の盆なんでしようか
だからまたそれと出逢うために足が向くのでしようね
また来年が待ち遠しいですね
Commented by tad64 at 2018-09-23 18:33
本当に艶っぽい踊りですよね。もう一枚目の写真なんて最高じゃないですか!
写真を見てもそのいろっぽさが伝わって来るのだから
生で見れば伴奏曲に合わして踊られるその姿はもうたまらないでしょうね♪
未だ一度も見たことが無いので過去のお写真まで拝見させていただきました。
Commented by dendoroubik at 2018-09-23 18:52
☆タッドさん

こんな艶っぽい民謡は日本中どこにもないですよね(笑)
しかも踊っているのが25歳くらいまでの若い子というのも驚きです
歌舞伎といっしょで 子供の頃からの修練の賜物でしょうけれど
それを可能にしているこの町の伝統と環境がすばらしいと思います
おっしゃる通り 地方さんの哀調を帯びた声と胡弓の音も見事で
さらにこの階段下の幻想的な雰囲気も最高です
タッドさんも 来年はGOですね(笑)
Commented by u-Brigand at 2018-09-23 22:15
良い位置を確保されましたね、素晴らしいです。
Commented by dendoroubik at 2018-09-23 22:29
☆いちやどさん

この場所からだと男性が右手をあげたとき
電柱にかかってしまうのでもう少し左の方がいいと思うのですが
贅沢いったらバチがあたりますね
鏡町の方々は 少しでも多くの人に見てもらおうと
心を砕いておられるのにいつも頭がさがります
数年まえ 雨が降ってきて おたや階段下の演舞が中止となり
急遽 公民館の軒下でおこなわれたのですが そのとき
傘をさすとうしろの人が見えないからと
ナイロンのポンチョを観衆に配っておられました
けっきょくあんまりよく見えなかったのですが(笑)感激しました
by dendoroubik | 2018-09-23 05:00 | ◇おわら風の盆 | Trackback | Comments(6)