小松お旅まつり 2018 その2 八日市町『絵本太功記 十段目 尼崎の段』上

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『尼崎の段』は、子供歌舞伎でもっとも上演回数の多い芸題のひとつだと思います。
この前月も富山県の「出町子供歌舞伎曳山祭り」で上演されていましたし
八日町の芸題はは前回も前々回も『太十』でした。(古い上演記録は知らないのですが
この町は『太十』を演るという伝統があるのでしょうか?)
これほど人気があるのは、やはり・・・

「幕開きの色模様」「光秀の大見得」「皐月の性根場」「操のサワリ」
「十次郎の戦物語」「光秀の大落とし」「光秀の六法」「幕切れの対面」

といった見どころが多いからなのでしょう。



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残る蕾の花ひとつ 水上げかねし風情にて

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謀叛を起こして信長を本能寺に討った光秀。
それを許さず、尼ケ崎に別居している彼の母皐月のもとへ
孫の十次郎が出陣の許しを乞いにやってきます。
数えで18歳。花の蕾のように美しい若武者です。
しかし、戦況はもはや絶望的で、初陣にして討ち死に覚悟。

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初菊と、いまだ祝言の盃をしていないのがせめてもお互いの身の幸運・・・

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あなたとは来世まで、来世のそのまた次の世までも夫婦だと思っているのに
盃を交わしていないのが幸いとは薄情です。
光秀の妻、操に伴われて、皐月を見舞いにきていた許婚、初菊が涙ながらに訴えます。

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あまり大きな声で泣いてばば様に討ち死にを気取れるようなことがあれば
あなたとは来世まで縁を切りますよ・・・と、酷薄なことを言うしかない十次郎。
早く出陣の支度を・・・と初菊を急かします。

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愛しい夫が死地へ赴く準備をどうして急ぐことができましょう・・・

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兜に涙が雨のように降り注ぎます。

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出陣のことは許す。

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しかしながら・・・と皐月が出した条件は、許嫁の初菊と祝言をげること。

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出陣を祝う盃を取り交わして親と子が縁を結び十次郎は
鎧の一式の身構えで、初菊と三々九度の夫婦の盃を取り交わします。

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じつは皐月も、十次郎は討ち死に覚悟であったことを悟っており
別れの盃のつもりで三三九度の祝言をさせたのでした。

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若者をむざむざ殺させるために戦場に送ったのは主君殺しの跡取りと恥を晒すよりも
立派に戦って討死させるため・・・さつきが苦衷を明かします。
そして、初菊にも、十次郎と夫婦の固めの盃事をしなかったという心残りを残さないためだったのです。
主君を殺し、天に背いた武智の一族は、潔く滅びるしかないのだ・・・

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一夜の宿を乞うて逗留中の旅の僧が「お湯がわいた」と部屋に入ってきます。
悲嘆に泣き暮れていた皐月はあわてて取り繕い、「お先に湯にどうぞ」と勧めます。
彼こそ、本能寺の変の知らせを聞き、急遽、備中高松城の毛利方と和議を整え
光秀討伐のためとって返した真柴久吉(羽柴秀吉)その人・・・

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入るや月漏る片庇、ここに刈り取る真柴垣
夕顔棚のこなたよりあらわれ出でたる武智光秀

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凄みをはらんで光秀が、藪の中からが登場します。
久吉を追ってきた光秀は、皐月の住む庵以外に逃げ場はないとみてやってきたのでした。


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Commented by tora003 at 2018-06-06 21:39 x
「夕顔棚のこなーたより 現れ出でーたる武智光秀」
見る側も唸りたくなるお馴染みの義太夫節。
風薫る季節の芝居見物は気分も華やぎますね。

Commented by dendoroubik at 2018-06-06 23:01
☆toraさん

シブいなあ(笑)

最近読んだ義太夫の本によると
当時の人も義太夫の語りの半分も理解できてなかったんじゃないか
というようなことが書いてました
理解できないけど 名調子が残る というのは歌謡曲やJ-POPも同じで
美空ひばりみたいに聞けば全部理解できるというのは
むしろ歴史的に例外的なことなのかもしれませんね
Commented by mlainsaa831611 at 2018-06-06 23:06
はじめまして、こんばんは。
私の拙いブログにご訪問とイイネをありがとうございます(*^^*)
各地のお祭り、とても興味深いですね~
また寄らせていただきますので、どうぞよろしくお願いします♪
Commented by yume_jin at 2018-06-06 23:49
こんばんは。
なんて可愛くてカッコいい歌舞伎役者さんでしょう♪
たくさん練習したんでしょうね^^
本格的なお化粧と衣装も素晴らしいですね。
実際に見てみたくなりました。
先ほどは、つたないブログにイイネをありがとうございます。
Commented by dendoroubik at 2018-06-06 23:51
☆mlainsaa831611さん

コメントありがとうございます!

思えば撮りはじめの頃 しきりに花を見に行ってました
しかし 自分の感性の低さと根気のなさにに呆れ果て
次第に遠ざかったのかもしれません(笑)
といっても 見ることはやっぱり大好きなので
エネルギーチャージに立ち寄らせていただきます
こちらこそ よろしくお願いします(^-^
Commented by dendoroubik at 2018-06-07 00:02
☆夢人さん

子供なのにスゴイとか 大人顔負けといった感想が虚しく思えるほど 
子供たちの熱演には目を瞠るものがあります
機会があればぜひご覧ください!

楽しいものを見ながら気ままに撮るのが好きなだけで
あまり写真そのものに興味もないのですが
貴ブログを拝見していますと 自分も もっと鍛錬しなきゃなと反省しきりです(^-^:
by dendoroubik | 2018-06-06 09:37 | ◇小松お旅まつり | Trackback | Comments(6)