垂井曳山まつり 2018 その6 「義経千本桜 鮓屋の場」後篇

c0196076_08515739.jpg


「鮓屋」といえば、やはりお馴染みのこのシーン。
権太は先ほど金を隠した(と思い込んでいる)鮨桶を持って維盛の跡を追います。





c0196076_08523797.jpg

入れ違いに現れたのは、鎌倉方から維盛の詮議に遣わされた梶原平三景時。

c0196076_08523854.jpg

いがみの権太が戻ってきて、維盛の首討ったと梶原に進上します。

褒美に親弥左衛門が命助けてやろう。
あ、いや、親の命を助けて貰おうといって、命がけの働きは致しやせん。
では、親の命を取られても褒美がほしいか。
さあ、親の命は、親父とご相談なさって下さいまし。 
   わっちゃあやっぱり、お金がよろしゅうござります

c0196076_08531786.jpg

褒美をやろう、それ・・・と梶原が権太に渡したのは頼朝の陣羽織。

c0196076_08531864.jpg

都へ持ってくれば、それを金銀に替えよう、と言い残して梶原は去ってゆきます。

c0196076_08531899.jpg

うれしそうに梶原を見送る権太に、弥左衛門が斬りかかります。

c0196076_08531883.jpg

重盛に大恩があることは権太も知っているはず。 命に代えても守ろうとした維盛を
金のために売り渡した息子を弥左衛門が許すことのできようはずもありません。

c0196076_08535481.jpg

しかし、慌ても騒ぎもせず権太が語ったのは驚くべきことでした。

c0196076_08535564.jpg

梶原に渡したのは、維盛ではなく、先ほど父が鮓桶に隠していた首。
父は維盛の首に見せかけるため、路傍の死骸の首を斬り、梶原に引き渡すつもりだったのですが
それに気づいたとき、権太は「ここが改心のしどき」と維盛を救う決意をしたというのです。

c0196076_08535580.jpg

弥左衛門は維盛に見せかけるため、首を公家風の髪に結い直したが、それは浅知恵。
維盛が町人にバケて逃れていることを知ったうえで詮議をしているのだから
・・・と、権太は改めて町人風に結い直して梶原に渡したことを語ります。
オレがこんなごろつきでなかったら、事前に相談してもっとうまくやれたろうに。
一人で悩んでいたなんて、親父どのがいたわしい・・・

c0196076_08535594.jpg

しかし、改心するのが遅すぎました・・・

c0196076_08535601.jpg

梶原に一杯喰わせてやったよ・・・

c0196076_08535631.jpg

維盛が怒りに陣羽織を引き裂こうとしたときに目にとまったのは
「内や床しき内や床しき」と小町の鸚鵡返しの七文字を仰々しくふたつ並べた文句。
和歌に堪能な梶原のこと、縫い目の内のことかと解いてみると・・・

c0196076_08543667.jpg

なかから出てきたのは袈裟と数珠・・・命は助けるから出家せよとの暗示です。

梶原は首級がニセモノであることをわかっていたのでした。
なんとなれば頼朝も、維盛の父、重盛のおかげで命拾いした一人。
平家一門の中で、重盛の子である維盛だけは助けるつもりでいたのです。

c0196076_08543707.jpg

及ばぬ智慧で梶原を、たばかったと思いしに、それもあっちが皆合点、思えばこれまで騙ったも、果ては命を語らるる

c0196076_08543796.jpg

出家を決意した維盛は・・・

c0196076_08543814.jpg

父の胸で息を引き取った権太に手を合わせて成仏を祈り、旅立ってゆくのでした・・・

c0196076_08543855.jpg

トラックバックURL : https://gejideji.exblog.jp/tb/29504626
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by いがみの権太役 母 at 2018-05-21 09:46 x
この度は垂井曳山祭りをブログにしていただきありがとうございました。東町 いがみの権太をやらせていただいた息子の母です。偶然、こちらのブログを拝見し、たくさんの写真と共に、息子の演技を褒めてくださる一文に家族共々感激しております。特に息子は、今回約2週間の稽古で、いがみの権太になりきろうと奮闘しておりましたが、台詞と感情と動作を一体にするのに相当悩み、台詞をかんでしまったりと、祭りが終わった後も悔しく、残念だったと申しておりましたので、このブログに大変勇気づけられました。 本当にありがとうございました。
Commented by dendoroubik at 2018-05-21 13:42
☆いがみの権太役 母様

本年はすばらしい稚児歌舞伎を見せていただき
また 鄭重なコメントまで頂きましてありがとうございます

練り込みまえに役場へやってくるご子息の姿を見た瞬間
「あっ! いがみの権太や!」とわかったものです
「今回約2週間の稽古で、いがみの権太になりきろうと奮闘しておりました」
・・・というお便りを拝見しまして
なるほどそれほどの集中力があったればこそ
ひと目で「いがみの権太」そのものを見たように感じたんだなあ・・・
と改めて納得し感銘を受けました

「かわいい」とか「子供なのによくセリフを憶えた」
といったレベルを越えた何ごとかを
きっとご子息は舞台で実現されていたのだと思います
言葉にできない そういった「何ごとか」にわれわれ観衆は感動をおぼえます
こんなすごいことを成し遂げられたのに「台詞をかんでしまったり」
とかそんな些末なことを残念に思われるのがわれわれには意外にも思えますけれど
それくらいこの役に入り込まれていいたという証しなのでしょうか

いやあ 権太のあの目! また見てみたいものです!
Commented by いがみの権太 母 at 2018-05-21 15:25 x
ありがとうございます!
衣装さん、かつらさん、メイクさんあっての風貌ですし、何より教えていただいた小桜佳之輔先生には、大変お世話になりました
ぜひ、また来年も垂井曳山祭りでの子供たちの真剣な歌舞伎を見に来ていただけると嬉しいです
たくさんの素晴らしい写真も見せていただき、本当にありがとうございました!
Commented by dendoroubik at 2018-05-21 16:04
☆いがみの権太 母様

はい 来年もお伺いさせていただきます(笑)

ご存じかもしれませんが 祭りの師匠toraさんに
この祭りのことを教えていただき
今年もいっしょに観覧させていただきました
このブログの足元にも及ばないステキなご子息の写真もUPされていますので
ぜひご覧ください⇒旅と祭りのフォトログ https://blog.goo.ne.jp/tora003/e/871a0020029d6ad815e7dd183b3b115a
Commented by いがみの権太 母 at 2018-05-22 08:38 x
toraさんのブログも拝見させていただきました。
どれここれも素晴らしい写真ばかりで感激です。
教えていただきありがとうございました!
Commented by dendoroubik at 2018-05-22 11:01
☆いがみの権太 母様

ステキでしょう?
過去の垂井の写真も載せられていますので
ぜひじっくりご覧ください(^-^
by dendoroubik | 2018-05-21 06:20 | ◇垂井曳山祭 | Trackback | Comments(6)