椎村神社 王の舞

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神戸の「楠公武者行列」は主催者発表によると30万人もの見物客が訪れたそうです。
それでなくても人出の多い週末の元町やハーバーランドを練り歩くこの行事で
いったいどうやって見物客をカウントしたのかは不明ですが(笑)甲子園球場6杯分と考えると
なるほどそれくらいの人が「見物」していた、というのは見当として間違いではないようにも思えます。

一方、GWの若狭小浜でおこなわれたこの祭りの見物人はひとり・・・つまり僕だけでした(笑)
ただ、自分にとっては見物人の多寡はその祭りの価値とはいささかも関わりがなく
祭りをおこなうことの困難さを克服して実現されるそれぞれの美しさのみが唯一の基準です。

これも、とても「美しい」祭りでした。




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舞台となる小浜市若狭は、小浜湾の東に突出する内外海半島の内懐に抱かれた穏やかな風光に満ちた土地です。

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海側には水田があり、集落をはさんで山側には梅林がひろがっていました。

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あまり下調べもせず、だいたい10時頃からはじまって16時すぎにおわる
という程度の情報しか入れず「早瀬子供歌舞伎」の1回目の奉納を見終えてすぐに移動。
ちょうど到着した正午には、カメラマンや報道関係とおぼしきの方々が
2,3人、集落から海岸沿いの駐車場へ降りてくるところでした。
これから休憩に入るところにしても、1時間くらいのことだろうとタカを括っていたのですが
カメラマンの方と話していると、午後からの王の舞がはじまるのは、なんと4時間後とのこと。

早瀬の次の三番叟を見てから移動してもじゅうぶん間に合ったのに、あとの祭りです。
致し方なく、小浜市街へ行って昼食をとり、それでもまだ時間があったので散髪までして戻ります(笑)

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午後4時まえ、ようやく御輿が据えられた集落内のお旅所に三々五々人が集まってきました。

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祭りはおまかに、午前中の渡御と午後の還御にわかれるようです。
神社で祭典ののち獅子舞と王の舞の奉納。 行列を組んで御旅所へ向かい、そこでふたつの芸能の奉納。
午後からは御旅所での獅子舞と王の舞の奉納ののち神社まで行列して最後の芸能が奉納して終了です。

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御旅所、御輿まえで神事がおこなわれます。

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獅子舞の奉納です。

二人立ちの獅子舞で、とてもシンプルな舞でした。
あえてアクションらしきものを見つけるとしたら、太鼓の音に合わせて
獅子頭を中心にしてゆっくりと旋回する際、後足が軽くジャンプすることくらいでしょうか。 
それもごくささやかなものです。

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つづいて王の舞です。
スーツ姿の男性が天狗役の男性に手渡す鉾には高鼻面と麻布が巻かれています。

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「ながそで」と呼ばれる麻布を解いて首に掛け、面を被ります。
麻布はマフラーのように見えますが、衣装の見立てなのでしょう。
かくの如く、装束も他地域でおこなわれる「王の舞」とくらべ、いたってシンプルです。

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獅子舞と同じく王の舞もとても簡素なものです。

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鉾を持って反時計回りに3周回り、鉾を突く動作を2度ほど繰り返します。
簡素でありながら、この世ならざる雰囲気を現出させるところが不思議です。

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鉾にながそでと面をふたたび括り直し、神社までの還御の行列がはじまります。
御輿は集落内の法雲寺にも立ち寄り、椎村神社へ向かいます。

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可愛いらしい女の子の稚児が粽入りの櫃を頭に載せて神社に向かうのか
と思いきや、宿主のお父さん?が終始捧げ持っていました。
この祭りの由来は、昔、村々を荒らす悪神を、若くて可愛い娘と粽でもてなし
悪神が油断して眠っている隙に、天狗に扮した若神がこれを退治した
・・・という伝承から、五穀豊穣を祈念する行事として引き継がれているといいます。
女の子と粽入りの櫃は、この伝承に基づくものなのでしょう。
女の子は頭上運搬用の輪っかのようなものを手にしていましたので
本来は頭に載せてお櫃を運んでいたのが、重くて宿主が運ぶようになったのでは?

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それにしても、この行列も何気に美しい。

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しばらくすすむと、まさかの休憩。
4時間も飲み食いしたうえに、この期に及んでまだ飲むのか!
・・というのは、車で来た故に飲めない僕のやっかみでしょうか(笑)

祭りももうすぐ終わりそうだし、早く家に帰って飲もう
と思ったものの、この後GWの渋滞につかまり、なかなか吞めずにジリジリしていた
・・・というのは、またまったく別な話です(笑)

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行列は大鉾を先頭に、子供衆による榊、大太鼓、大神輿
獅子頭を納めた小神輿神主、稚児、禰宜、宿主が持つ粽入りの櫃。
お昼にお会いしたカメラマンの男性によると、午後の部は酒が入っておもしろいかもしれないよ
とのことでしたが、こと獅子舞や王の舞といった芸能に関してはそういったフシはなく
ただ、この行列のおおらかな雰囲気は、なるほど酒が入ってのことかなと思わせるものがありました。

ああ、吞みたい(笑)

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椎村神社は苔むして古色蒼然とした佇まい。

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御霊が神社へ還され・・・

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最後の獅子舞と王の舞の奉納となります。

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帰り、滋賀県内に入ると道路は大渋滞。 ふだん40分のところ2時間半もかかりました。

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この日ハシゴしたふたつの祭りには、多くの観衆がいたわけではありませんでした。
こんなすばらしいものを差し置いて、みんないったいどこへ遊びに行ってたんでしょう(笑)

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by dendoroubik | 2018-06-02 23:27 | ◇王の舞 | Trackback | Comments(0)