出町子供歌舞伎曳山まつり その2 『絵本太功記』上

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主君小田春永(織田信長)に辱めを受けた武智光秀(明智光秀)。
額のキズはそのとき受けた辱めのしるし。
謀叛を起こして信長を本能寺に討った光秀を
封建道徳を重んじる母皐月は許さず、尼ケ崎に別居してしまいます・・・

東町の外題は『絵本太功記 十段目 尼崎之段』
前半は神前奉芸として、本殿まえに曳山を据え狂言をおこないます。
終了すると町へ曳き出され、後半が上演されるという二部構成になっていました。



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残る蕾の花ひとつ 水上げかねし風情にて

出陣の許しを乞いに、祖母さつきを訪ねてきた光秀の息子、十次郎。
数えで18歳。花の蕾のように美しい若武者です。
しかし、戦況はもはや絶望的で、初陣にして討ち死に覚悟です。

初菊と、いまだ祝言の盃をしていないのがせめてもお互いの身の幸運・・・

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あなたとは来世まで、来世のそのまた次の世までも
夫婦だと思っているのに、盃を交わしていないのが幸いとは薄情です。
光秀の妻、操に伴われて、皐月を見舞いにきていた許婚、初菊が涙ながらに訴えます。

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あまり大きな声で泣いてばば様に討ち死にを気取れるようなことがあれば
あなたとは来世まで縁を切りますよ・・・と、酷薄なことを言うしかない十次郎。

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早く支度を・・・と急かす十次郎。

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愛しい夫が死地へ赴く準備をどうして急ぐことができましょう・・・兜に涙が雨のように降り注ぎます。

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出陣は許すが、条件があると皐月が申しつけたのは、許嫁の初菊と祝言をげること。
出陣を祝う盃を取り交わして親と子が縁を結び
十次郎は鎧の一式の身構えで、初菊と三々九度の夫婦の盃を取り交わします。

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じつは皐月も、十次郎は討ち死に覚悟であったことを悟っており
別れの盃のつもりで三三九度の祝言をさせたのでした。
若者をむざむざ殺させるために戦場に送ったのは
主君殺しの跡取りと恥を晒すよりも、立派に戦って討死させるため・・・

さつきが苦衷を明かします。

そして、初菊にも、十次郎と夫婦の固めの盃事をしなかったという心残りを残さないためだったのです。

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主君を殺し、天に背いた武智の一族は、潔く滅びるしかないのだ・・・

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一夜の宿を乞うて逗留中の旅の僧が「お湯がわいた」と部屋に入ってきます。
あわてて取り繕い、「お先に湯にどうぞ」と勧める皐月。
彼こそ、本能寺の変の知らせを聞き、急遽、備中高松城の毛利方と和議を整え
光秀討伐のためとって返した真柴久吉(羽柴秀吉)その人・・・

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入るや月漏る片庇、ここに刈り取る真柴垣
夕顔棚のこなたよりあらわれ出でたる武智光秀

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凄みをはらんで光秀が、藪の中からが登場します。
久吉を追ってきた光秀は、皐月の住む庵以外に逃げ場はないとみてやってきたのでした。

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竹やぶの竹を切って槍をこしらえる光秀。

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障子越しにひと突き・・・・

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竹槍で刺したのは久吉ではなく、なんとわが母・・・

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うろたえる光秀に・・・母皐月は、これは天罰だと諌めます。

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主殺しという武士にあるまじき行いをしたから
親である自分も報いを受けて、竹槍などという獣を殺すような武器で殺されるのだ・・・

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今からでも心を入れ替えてくれと諭しますが・・・

そもそも神社仏閣を焼いた信長は惡人。
執政者であっても、悪人を葬り去るのは我が国にも中国にもためしがある。
天意は自分にある、と光秀は耳を貸しません。

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これ見給え、光秀殿。 せめて母ごのご最期に、善心に立ち帰ると、たった一言聞かしてたべ。

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ここで前半が終了です。

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餅撒きがおこなわれ・・・

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曳山はつぎの上演場所へ曳き出されてゆきます・・・

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Commented by ei5184 at 2018-05-07 16:40
狭い舞台ですが、ちゃんと見せ所は押さえて振付・構成がなされていますね!
後半の瀕死の十次郎と光秀の場面が楽しみです。
私はやっと明日壱番山を掲載出来そうです(笑)
Commented by dendoroubik at 2018-05-07 16:57
☆eiさん

長浜でも定番の演目みたいですね
そちらは見たことがないのですが
小松でいちど 水口一夫氏の振付で見たのと
だいたい同じ構成でした

昨年ご覧になったのでお分かりのように
こちらは小松と同じくらいの大きさで
舞台は面積も高さも長浜とくらべてコンパクト
そのなかでも工夫されて見事な芝居になってますよね

eiさん版長浜 ずいぶん待たされてます(笑)
by dendoroubik | 2018-05-07 08:47 | ◆越中の祭 呉西 | Trackback | Comments(2)