高砂神社 秋祭り 神幸祭 前篇

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高砂神社の秋祭りといえば、祭友「せんべぇさん」の独壇場です。

毎年、ホレボレするような写真と愛情溢れるキャプションとで
この祭りの幅広い魅力を伝えて遺漏がありません。
今年も公式カメラマンとして、3日間、八面六臂の活躍をされていました。

船渡御のあった昨年のブログのシリーズなどは
もうこれさえ見とけばこの祭りの概要が手に取るようにわかるという傑作です。
そんなブログを見慣れていたせいでしょうか、実は見たこともないくせに
すでに見たような気になってしまっていました。 横着なことです(笑)
しかし、その場に身を浸して楽しさを実感するのでなければ
知識だけもってわかった気になっていても何の意味もありません。

10日の「神幸祭」だけですけれど、はじめての高砂神社秋祭りです。




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祭りへ来るのもはじめてなら、兵庫県高砂市へ来るのもはじめてです。
でも「高砂」という名に聞き覚えのない日本人はおそらくいないでしょう。

「高砂」という名が「結婚」に結びつけられるのは
老松の精が「相生」の老夫婦になって現れたという「高砂伝説」に由来し
高砂の浦、そしてそこに建つ高砂神社がまさに舞台です。

初代「相生の松」は天禄年間、2代目は天正年間に枯死。
これを惜しんだ本多忠政が遷宮の際に3代目「相生の松」を植えたといわれ
天然記念物に指定されていましたが昭和12年に枯死。
その幹は霊松殿で保存されていて、その威容を覗き見ることができます。

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この伝説をもとに書かれた世阿弥の最高傑作『高砂』で、むしろ人口に膾炙するところになったのでしょう。

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『高砂』の主人公、尉(伊弉諾尊)と姥(伊弉冊尊)の二神が彫り出された車楽(だんじり)もありました。

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到着して最初に見たのは、神社へ向かう浜田町の町衆と化粧まわしをつけた「芸子」の女の子たち。
うしろに見えるのは御輿に似ていますがそうではなく「屋台」(やっさ)と呼ばれる太鼓台です。

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祭りの様相や情緒は、それぞれ異なるものですけれど
ある程度は「国」によって色分けすることができるのではないかと思います。
兵庫県とひと口にいっても、摂津、丹波、但馬、淡路、播磨
ごく一部ながら美作と備前も含む合成地域ですので、祭りも百花繚乱。

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兵庫でも摂津のだんじりや、丹波の祇園祭り風の曳山祭を見たときは
馴染みのある祭りの形式でまったく違和感はありませんでしたが
はじめて見る播磨の祭りはやはり物珍しく、ちがった祭りを見ているという実感がありました。

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そんな播磨の祭りの象徴といえるのがこの「屋台」でしょう。
高砂以外の播磨の秋祭りにも、かたちは幾分ちがえ多く登場するようです。

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午前10時半、神幸祭がはじまります。
猿田彦の先導で御輿が本殿へ入り、幕がおろされて魂遷しがおこなわれます。

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30分ほどで、神霊を遷した御輿が現れ
左右に何度か荒々しく揺らして高々と差し上げる「御輿振り」がおこなわれます。
「シデ(白幣)振り」の子供たちが、これを称え鼓舞するダンスを踊ります。

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御輿は年毎の当番で、今年の神輿町は藍屋町。

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神幸がはじまります。 行列の先頭は「御先司」のだんじり。

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二番目に「獅子司」のだんじり、この二基が先導し、御輿が渡御してゆきます。

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「チョーサー」とシデ振の子供たちが唱えると「ヨーサー」と駕輿丁が囃します。

御輿を担ぐときの「ワッショイ」というかけ声は関東のもので
関西では「チョーサー」やそれに類するかけ声が多いですね。
語源は不明なようですが「重祭(ちょうさい)」
つまり「重要なお祭りですよ」というお触れだという説もあります。

「ヨーサー」はそのかけ合い、語呂合わせでしょうが「弥栄」の転訛かもしれません。

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ヨイヨイヨイヨイヨイ

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千歳楽じゃ 万歳楽じゃ!

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千歳楽じゃ 万歳楽じゃ!

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チョーサー!

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はじめて見る播磨の祭りにどうやって入っていけばいいのか多少戸惑っているところで
子供たちの溌剌としたシデ振りに、僕の祭りスイッチは一発で入りました(笑)

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神輿に続いて「一ツ物」も御旅所を目指します。

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「ヒトツモノ」というのは平安時代後期に畿内の祭礼で発生し
中世に各地へ伝播した芸能なのだそうですが、播磨の秋祭りにとくによく残っているようです。

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後衛の「屋台(ヤッサ)」は「押(おさえ)太鼓」と呼ばれます。

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9基ある屋台うちの1基が年毎の当番でつとめます。

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御輿を先導するだんじりや、随行する一ツ物、屋台、だんじりは「賑わい物」と呼ばれています。

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美々しく飾り立てられた賑わい物が晴れやかに行列します。

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屋台のまえで芸を披露する芸子の美しい女の子もこの祭りの見どころのひとつ。
辻々で頂く花(祝儀)への返礼としておこなわれたのがはじまりだそうです。

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御旅所(サンモール駐車場)で「御輿御旅所の神事」

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祭典が終了すると「御輿くぐり抜け行事」

祭員が御輿の下をくぐり抜けながら家内安全、無病息災を祈ります。
一般人もOKで僕もくぐらせていただきました。

「何をお祈りしたんですか?」とせんべぇさんに訊かれたので
「髪の毛がフサフサ生えてきますように」と答えたら
「オレも前にお祈りしましたよ」というショッキングな言葉

||||(ili′Д`)||||

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まったりと長めのお昼休憩です。

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屋台の練り合わせは、主に2日目の例大祭でおこなわれるようですが、神幸祭でも何度か見ることができました。

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このあと夜に神社まえでおこなわれる屋台練りは規制線が張られて
思うように見ることができませんでしたが、街中の練りは迫力満点でした。

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午後3時。 御旅所で「頭人式」という直会がおこなわれます、

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一ツ物を上座に頭人が接待する所作が美しい。

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このあと御輿の還御となります。

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Commented by ei5184 at 2017-10-13 18:05
私も昨年senbeiさんのブログを拝見して、訪ねてみようと思っていました。
しかし、この時期どれを優先しようか悩む時期ですね~(笑)

こちらで又違う視点を楽しませて頂きました!
Commented by hanashigai at 2017-10-13 21:56
此処には五年程前の春に仕事で行きましたが、お祭りの事は存じておりませんでした。
ダイナミックで賑やかそうなお祭りですね。
きっと日本各地の主なる神社の数だけ、お祭りがあるでしょうから、知らないことの方が多いのは分かっていますが、それにしても此処も盛大な祭が開催されているのですね!
これから少しづつ観てい来たいと思ってます。
Commented by dendoroubik at 2017-10-14 02:05
☆eiさん

この時期は秋祭りのピークでもあり
日程が重なるのも悩ましいところですけれど
さらに悩ましいのは仕事で行けないことです(笑)
そしてけっこう遠隔地が多いんですね・・・

今年は村国座にも行けそうになくションボリです
eiさん toraさんのお写真だけが頼みの綱・・・
Commented by dendoroubik at 2017-10-14 02:05
☆放し飼いさん

曜日でなく暦でおこなわれる祭りで
平日にもかかわらずこれだけの人が集まるのがスゴいですね

神社本庁によると日本の祭りの数は約30万(笑)
それぞれ情緒が異なり 見慣れた祭りだけでなく
こういったあまり親しみのなかった祭りにも瞠目させられます
衆議院選をみていると絶望しそうになりますが
これだけの祭りがあるなら日本は大丈夫かと(笑)
Commented by tora003 at 2017-10-14 18:33 x
高砂神社秋祭りといえばどうしてもせんべぇさんの写真記事を思い浮かべてしまいます。
祭りの魅力を知り尽くしたdendoroubikさんがどの様な記事に仕上げられるのか楽しみです。
しかし、御輿くぐり抜け行事でせんべぇさんと同じ事を祈願をされたとは・・・
おそらく同様な結果になることでしょう(笑)
Commented by dendoroubik at 2017-10-14 20:59
☆toraさん

「高砂神社 秋祭り」で画像検索しても
「コレ!」と思うのは たいていせんべぇさんの写真ですしね(^-^
せんべぇさんの写真の被写体の素敵な笑顔は
長年通いつめた信頼のうえにあるものですから
おいそれとマネできるもんじゃありません

写真はいつも以上に失敗(特に夜)でしたが
祭りそのものは楽しく
来年はもっと播磨の祭りを見に行こうと思いました

神様は天下泰平や五穀豊穣といった
利己的でない願いしかお聞きくださらないのかもしれませんね(◞‸◟)
by dendoroubik | 2017-10-13 14:25 | ◆播磨の祭 | Trackback | Comments(6)