2015年 12月 25日
勝山左義長まつりまであと64日
毎年、2月の最終土日、
九頭竜川のほとりの城下町、
奥越勝山でおこなわれる「勝山左義長まつり」・・・
春よ 春よ こがれし春よ・・・
来年は2月27日(土)28日(日)の開催です。
4年まえに、はじめてこの祭りを見た瞬間から、
櫓の上で「浮いて」いる人々の、
(太鼓を叩いて踊ることを「浮く」といいます)
とてつもなく素敵な笑顔に魅了されてしまい、
それから毎年、通うようになりました。
それにしても、不思議な祭りです・・・
派手な装束は、祭りならではしょうけれど、
真冬にこの薄着は、いかがなものでしょうか・・・
カメラマンの着込み具合とくらべてご覧ください(笑)
2月の奥越です。
そりゃあ寒いなんていうものじゃなく、
昨年、今年は比較的、穏やかな気候だったものの、
その前の年は、5メートル先も見えないくらいの、
大吹雪に、時折、見舞われることもありました。
異常低温に襲われたその年、
祭りの翌週、風邪、インフルエンザによる
学級閉鎖が相次いだそうです・・・
さもありなん(笑)
顔も強張ってしまうような寒風が吹きすさぶなか、
蝶よ 花よ 花よのネンネ
いちど聞いたら耳から離れないキャッチーなメロディで、
どこかユーモラスな雰囲気を漂わせたお囃子に乗り、
「これ以上楽しいことはない!」・・・って感じの笑顔で
「浮いている」姿に(しかもこんな薄着で・・・)
いつも呆れるくらいに驚嘆してしまいます。
笑顔の祭りはたくさんありますが、
櫓のうえで「浮いて」いているときの
この祭りの人々の笑顔は、やはり突出しています。
「笑顔で浮いている」
・・・というよりも
「笑顔(そのもの)が浮いている」
・・・と、感じてしまうこともしばしばです。
勝山には12基の櫓があり、
どの櫓を見てまわっても「いい顔」ばかりです。
浮かれ太鼓に 左義長ばやし
たすきも揺れて 櫓も揺れる・・・
いくつか櫓をまわっているうち、知らず知らずに、
眺めている観衆まで笑顔が感染しています。
日が暮れて、ギャラリーが少なくなっても、
「浮き」の熱気は収まることがありません。
むしろ、ますますヒートアップしてゆく感じです。
ソ~レ浮け! もっと浮け~!
冬の祭りゆえ、両日とも、午後10時か11時頃には、
すべての浮き太鼓は終了してしまうのですけれど、
まるで夜っぴきでおこなわれるかのような勢い・・・
滋賀県近江八幡市の「近江八幡左義長まつり」
岐阜県海津市の「今尾の左義長」
そして勝山のこの祭りを
「日本三大左義長」・・・と呼ぶのだそうです。
奇抜な衣装で大盛りあがりするところは同じでも、
先のふたつの行事が、
あくまでも「左義長」を中心におこなわれるのに対し、
勝山の祭りでは「左義長」と「浮き太鼓」が、
まるで別モノのように平行しておこなわれます。
2日目の夜、神明神社で採火されたたいまつは、
各地区の代表者たちによって、町を抜け、
九頭竜川のほとり、弁天河原へ運ばれてゆきます。
その間、それぞれの櫓では、
「浮き太鼓」が、いよいよ佳境を迎えています。
近江八幡でも海津市今尾でも、
奇抜な装束の踊り子たちは、
クライマックスの左義長の奉火に立ち会いますが、
勝山ではたいまつ行列にも、弁天河原のどんど焼きにも、
ほとんどその姿を見かけることはありません。
それぞれの櫓のうえでは、名残りを惜しむように、
最後の浮き太鼓が繰りひろげられています。
弁天河原に据えられた各地区の左義長は、
花火を合図に一斉点火されると、
たちまち火柱となって夜空を黄金色に染めあげます。
どんど どんど夜空を焦がし
九頭竜に映える・・・
しばらくして、炎が収まると、集まった人々は
長い竹竿の先につけた餅を残り火で焼いたり、
暖をとりながら談笑にふけったり・・・
どんど焼きの炎が収まるのと時を同じくして、
櫓での「浮き太鼓」もいつしか鳴り止みます・・・
あまりの楽しさに、思い至りもしなかったのですけれど、
どんど焼きと浮き太鼓が同時に終わってしまうと、
その裏寂しさに、やはりこの祭りも、宗教行事だったのだ
・・・と、改めてしみじみと感じ入ってしまいます。
左義長は歳神を送る行事。
どんど焼きに参加することはなくても、
櫓のうえで笑顔で浮きながら
歳神を見送るのも、勝山の流儀なのかな
・・・と、そんな妄想さえ浮かんできます。
さあさ おいで集まっておいで
あなたもきみも 櫓の下へ・・・
勝山左義長まつりまであと64日です。
みんなの表情がとても印象的ですね。
笑顔は周りも笑顔にするということでしょうか。
躍動感と表情の捉え方がいつもながら凄いな~
笑顔に溢れたホントにいい祭りですよ
カメラ目線の写真をいくつか掲載してますので
愛想笑いのようにとらえられるかもしれませんが
夜 観客の誰もいない櫓のうえでも
同じような笑顔で浮いているのです
それはちょっと慄然としてしまうくらい幻想的な光景でした