2014年 07月 30日
唐崎神社 みたらし祭り
7月27、28日は地元大津市、唐崎神社のみたらし祭りです。
平安時代、びわ湖から淀川に至る七ヶ所が祓えの場所に定められ、その第一処がこの唐崎神社。
奈良時代に創建されたというこの神社で、いつからこの祭りがおこなわれるようになったか
夏越の祓がおこなわれるようになった、・・・のではないか、と思います。
びわ湖岸に突き出た小さな半島に鎮座。
鎮守の杜はなく、唐崎の霊松が威風堂々たる姿をそびやかしています。
「唐崎の松」・・・といえば、金沢、兼六園を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
こちらか本家・・・ただし、二代目の実生の三代目、兼六園の唐崎の松とは兄弟ということになります。
万葉集から芭蕉まで、数々の歌枕となり、歌川広重の近江八景「唐崎の夜雨」に描かれた名勝ですが
現在は訪れる人も稀・・・。ただ、みたらし祭りの2日間のみ賑わいを取り戻します。
観光として訪れる人がほとんどいないかつての「名勝」が、滋賀県にはたくさんあるように思います。
湯立神楽神事は両日とも、午前と夕方に2度ずつおこなわれます。
神楽のあと、湯釜のご神水を頂くことができます。 瓶に詰めたものの販売もしています。
奉納された人形と、茅の輪くぐりでお祓いした葦を、びわ湖に流し、罪穢れを清めます・・・
つづいて、湖上焚上神事。
納められた古いお札やお守り、願い串を焚上げ、お清めする神事です。
この神事に併せて、山伏のほら貝が奉納されます。
つづいて「湖鼓RO(こころ)」さんによる太鼓の奉納。
おニューの2尺5寸の大太鼓も披露されました。
最後に、湖上から手筒花火が打ち上げられます。(初日のみ)
一昨年、この手筒花火を見たときには、打ち上げ船ほもう少し沖に停泊していたように思います。
⇒こちら
迫力は増したようですが、防災上の配慮からか汀が立ち入り禁止に。
また、岸に近すぎて、ウィードが多く、花火が水面に映るびわ湖ならではの美しさはありませんでした・・・
唐崎の松は扇の要にて
漕ぎゆく船は墨絵なりけり
ささなみの 志賀の辛崎 幸くあれど
大宮人の 舟待ちかねつ
夜もすがら浦こぐ舟は跡もなし
月ぞのこれる志賀の辛崎
待ちか恋ひなむ志賀の辛埼
氷りゐし志賀の唐崎うちとけて
さざ波よする春風ぞ吹く
よそにそだてる唐崎の松
手筒花火のあと、唐崎の松のうしろで、打ち上げ花火が数発あがっていました。
霊松がシルエットになって、とても幻想的でした。
みたらしの 夏越の祓する人は
千歳の命 延ぶというなり
かつて、唐崎神社が参詣客で賑わっていた頃には、みたらし団子を商う茶店は数軒あったといいますが
現在は「近江かぎや」さん一軒を残すのみ・・・。
「みたらし団子」の発祥は、京都、下賀茂神社という説が一般的ですが、こちらでは唐崎神社が発祥とされています。
昔日の姿を甦らせる想像力を補わなければ、唐崎にはちょっと分が悪いかもしれませんね・・・