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近江八幡左義長まつり 2014 その1「自由げい歩」

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「湖国に春を告げる祭り」・・・

近江八幡の「左義長まつり」へ。

3月中旬の週末のおこなわれるこの祭り、
いちばんの見所は日曜日の「ケンカ」や、
その夜の「奉火」だと思うのですが、
今年は都合がつかず、土曜のみの見物となりました。

「自由げい歩」から「宮入り」、
「渡御」の途中までを見てきました。




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旧市街地の家屋の軒下には、
この祭りのときに掲げられる赤い短冊(十二月)が、
時おり吹く風にたなびいていました。

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近江八幡市の旧市街地の町割は、豊臣秀次により、
八幡城の城下町として整備されたものですが、
秀次の移封にともない京極高次が入城するものの、
わずかその5年後には廃城。町も衰退します。

江戸時代、中、後期の面影を残す町並みは、
その後、繁栄した近江商人が築き上げたものです。

彼らの本宅のあった新町や永原町には、
格子戸や、貫見せ、犬矢来
小屋根のうえには鍾馗さん、
見越しの松と虫籠窓、
屋根にはうだつがあがり、
電柱や看板さえなかったら、
まるで時代劇そのままのような区画もあります。

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どこまでがホントの話なのかは詳らかにしませんが、
近江八幡にこれだけ赤色がフィーチャーされているのは、
織田信長の赤好みを受け継いでいるからだ、とよく言われます。

近江八幡では、コンニャクも赤いですね(笑)

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全国各地で「左義長」とか「どんど(焼き)」
と呼ばれる行事がおこなわれていますが、
近江八幡でこのような特異な祭礼に発展したのも、
信長の影響・・・という説が喧伝されています。

安土城下でおこなわれていた左義長。
城主の信長が、正体を隠す為に、
奇抜な衣装、ドハデなメイクで、
町衆の輪のなかに躍りこんだのが起源だ・・・と。

近江八幡左義長まつりで、
踊り子たちが仮装することが多いのも、
その風を受け継いだものだと説明されています。

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安土城が廃城になり、
その城下町の商工業者たちは、
秀次が築いた、隣の八幡城の城下町に集められます。

八幡山の麓の日牟禮八幡宮では、
古来より壮大な松明まつりがおこなわれており、
安土より移住してきた人々は、
これに参加したい旨、申し入れますが、
松明をたてる場所もなく、
新参者ゆえに断られてしまいます。

仕方なしに時機をズラしてはじめられたのが、
この左義長まつり・・・といわれます。

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ひとつの神社で、これだけ規模の大きい火祭りが、
1ケ月の間隔でおこなわれるというのは、
全国でも類がないんじゃないでしょうか。

「八幡まつり」の歴史は1000年以上。
400年以上の歴史がある「左義長まつり」が
いまだに「新参者」という構図がすごいですね(笑)

現在も、住む地区によって
「八幡まつり」と「左義長まつり」に画然とわかれ、
祭礼の際には、消防などでお互いに協力し合っているそうです。

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ワラで編んだ3メートルほどの
三角錐の松明が左義長の本体。
その上に竹を立て、「十二月」と呼ばれる赤い短冊、
薬玉や巾着などの装飾を取りつけます。
左義長の中心には、「ダシ」と呼ばれるものが取り付けられ、
その年の干支のつくりもの(「ムシ」)が据えられています。

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「ダシ」は、すべて
食材のみでつくられているというから驚きです。

たとえば、宮内町のこの「ダシ」の材料は、
青貝、寒天、道明寺粉、ザラメ、アラザン、
ふかひれ、葛きり、共白髪、綿花、のり、するめ、
・・・と、貰ったビラにあります。

それぞれ、地区の思いを託してつけられた
タイトルもあり、こちらは、

 「白馬の節会に ~瑠璃の切子に輝く未来を~」

日曜の「ケンカ」ではボロボロになり、
その夜の「奉火」では燃やされてしまうこの「ダシ」、
各地区毎の制作費は、毎年数十万円といいます。

出来栄えを競うコンクールもあり、
各地区の威信をかけて製作されます。

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各左義長宿も、ハレの日ならではの、
どこか華やいだ雰囲気。

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午前中、町内を練り歩く「自由げい歩」がおこなわれます。

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祭りといえば、酒はつきものですね。

これは、左義長の地区の友人に聞いた話で、
しかも、かなり昔のことなので、現在はどうか知りませんが、
左義長の翌日に限っては、
生徒が二日酔いで、授業中に眠っていても、
とくに教師に咎められることはなかった・・・と。

いや、昔の・・・聞いた話です。
差し支えがあれば、申し訳ないです・・・。

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どこを見ても、装飾の主旋律は赤(笑)

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拍子木を打ち鳴らす子供を先頭に、
大きな十二月、左義長が練ってゆきます。

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チョーヤレ! チョーヤレ!


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ミニスカポリス(?)も赤(笑)。秀逸!

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伝統的な日本家屋のなかに、
W・M・ヴォーリス設計の洋館が混在するのが、
近江八幡の町並みの魅力ですね。

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メンタームでお馴染みの近江兄弟社まえのヴォーリズ像。

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池田町の洋館街を、左義長が練ってゆきます。

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どこか不思議な光景・・・。

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今年、一番クジを引いた本町が、
日牟禮八幡宮に近づいてきました。

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マッセ! マッセ!


鳥居前で左義長を回転させてゆきます。
盛りあがる瞬間ですね。

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八幡堀に架かる村雲橋をわたって、宮入りしてゆきます。

この八幡堀は、昔、埋め立ての計画もあったそうですが、
地道な住民運動で計画を覆し、保存に至ったという、
いわば近江八幡市民のシンボルです。 

いやー、埋め立てられなくて、ホントによかったです!

(その2につづく)
Commented by biwahama at 2014-03-20 16:19
土曜日に見られたのですね~私は日曜日娘家族共々
見てきましたが~孫がいるので通りすがりに撮って歩くみたいな
感じなのでゆっくりは見られずじまいでした。
人が多くてね~人酔いしましたです^^;
般若の山車なんてあったのですね。見てない山車もたくさんあります。
歌舞伎役者のような警備神役さんの姿に拍手です(笑)
土曜日の方がゆっくり撮れそうですね。町屋とかの風情も素敵な撮り方。
構図にいつも惹かれます~色々勉強させてもらってます^^
Commented by dendoroubik at 2014-03-20 23:23
☆biwahamaさん

やっぱり左義長は日曜日ですね!
土曜は左義長が勢ぞろいするので
ダシを見るにはいいですね
渡御や自由げい歩のときには見物人も少ないので
背景を自由に選べるのもいいですが
やはり ケンカや奉火を見たかったです・・・

警備神役のカブキ者は 
昼過ぎにはもう酔い潰れてはりました^-^;
ふなっしー ミニスカポリス ボーリングのピン・・・
仮装した踊り子が真面目な顔して山車を担いだり
ケンカしているのが なんともおかしいですね(笑)
by dendoroubik | 2014-03-16 17:00 | ◇近江八幡左義長まつり | Trackback | Comments(2)