2014年 01月 16日
竜王 田中の粥占い

県外の方は「竜王」といっても、あまりピンとこないかもしれませんが
滋賀県のほぼ中央に位置する農村地帯で
珍しい民俗行事や、お祭りがいくつも伝承されていいるところでもあります。
「粥占い」は、かつては周辺の農村で年頭に広く行われていた行事でしたが
現在は田中の集落にしか残っていないそうです。
「粥占い」は、かつては周辺の農村で年頭に広く行われていた行事でしたが
現在は田中の集落にしか残っていないそうです。
その年の作況と作付時期を占う行事です。

滋賀県蒲生郡竜王町田中。八幡社(浄満寺)が舞台です。

かつては粥占いに使う米は、その朝、子供たちが集落をまわって集めていたそうです。
今朝、撮ったという写真を見せていただきました。
一四日の粥の米
どうの とーとの
古年(ふるとし)の米
そんな唄を歌いながらまわっていたそうです。
「わしら子供の頃は『古年』やのうて
『ふんどしの米』ゆうてたけどな」
とひとりのおやじさんが言うと、
「そうやそうや。『ふんどし』ゆうてた」
とまわりのおやじさんたちも同調します。
これは僕の想像ですが、正しくは「古年」で
ワルガキだったおやじさんたちがふざけて「ふんどし」と歌っていたのが
いつの間にか正調になったのではないでしょうか。
「ふんどしの米」では意味が通らないですよね(笑)
お米を貰ったお宅には、お礼として松葉が贈られます。
翌朝、小豆粥を炊くタネ火に用いられたものですが
現在はどのご家庭もおくどさんでなくガス火なので、これは儀礼的なものだと思います。

これは66年前の、田中の集落の子供たちの写真です。
竜王には、近郷の33ヶ村にわたって氏子を有する総社、苗村神社という大きな神社があります。
春と秋に、毎年、例祭があるのですが、三十三年に一度「式年大祭」(三十三年大祭)があり
ちょうど今年がこれに当たります。(2014年10月11日~13日)
前々回の写真、ということになりますね。
田中からは曳山も出されて、準備も着々、8月には太鼓踊りの練習もはじまるそうです。
それにしても、この可愛い子供たちのなかに、
粥占いを執りおこなっているおやじさんたちがいるのですね(笑)

午後1時、神事がおこなわれます。
粥占いは乙名(おとな)と呼ばれる長老が中心となって執りおこなわれます。

長老・・・といっても、同じ集落で生まれ育った仲ですから、けっこうな年配者でも
年長者からは「××ちゃん」・・・と呼ばれて、コキ使われる、その人間関係もほほえましい(笑)

午後2時頃、大きな釜に7升の米、水が適量、注がれます。水加減は、手で測ります。
「おーい。さっきションベンして、手ぇ洗ろたか?」
「洗ろたわい!」(笑)

薪や杉の枯葉で火加減を調節しながら炊き上げてゆきます。

ちょうど粥状になった頃合いを見計らって、3本の竹筒が素手で釜の奥に差し込まれます。
「早稲」「中生」「晩生」を表す印が施されています。
最終的にはご飯になるのですが、粥状のときに竹筒を挿入することが、粥占いの名の由来でしょうか。

おそらく普段は、家事なんてなさらなそうなおやじさんたちが、あーでもない・こーでもないといいながらの炊飯。
ホントにちゃんと炊き上がるのかと心配になります(笑)が、さすがにふっくらと美味しそうに完成!
まず3本の竹筒が取り出され、三宝に。

ご飯はお櫃に入れられ・・・

北側にあるお堂の毘沙門天にはお供えされます。

残ったご飯は、おにぎりにして、集まった人たちにふるまわれます。

おこげのついた、炊きたて、握りたてのおにぎり。おいしい!!

お母さんたちも、今日は見てるだけ・・・

占いが始まるのを知らせる合図でしょうか。鉦を鳴らしながら、集落を一周。

おにぎりの他にもお酒やみかんのふるまいがありました。

まず、余興がはじまります。
赤いタスキをした裸足の男性が、お櫃を担ぎ、お堂の中に投げ入れるふりをします。
同じく赤タスキ、裸足の男性3人が、我先にと奪い合おうとした瞬間
お櫃は先の男性によって引き下げられてしまいます。
まわりから笑いがおこります。
この「お預け」は2回繰り返され、3回目にようやく3人に与えられます。

お櫃からガツガツと自分のお重に盛る3人の動作もコミカルで笑いを誘います。
それぞれ毘沙門天、薬師如来、大日如来にお供えされます。

いよいよ占いがはじまります。小刀で竹筒を割って、お米の入り具合を確かめると・・・

3本ともギッシリ!今年は豊作です。

いちばん良いのは「早稲」(わせ)。「晩生」(おくて)はやや実入りが少ない。
・・・奉行役の乙名がそう宣します。


竹筒とお櫃のご飯は、茶碗を持って集まった集落の人たちに配られます。

持ち帰ったご飯は、神様からのおさがり。翌15日の小正月の小豆粥に入れられます。

和気藹々として、とても楽しい行事でした。
竜王の他の集落でおこなわれていた粥占いが、どんなものだったか、なぜなくなったかはわかりません。
ただ、この田中の行事が残っている理由は、わかる気がしました。
滋賀県には、ゆるいけど濃い祭りがたくさんあっていいですね~(^^)式年大祭も気になるところです。
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☆せんべぇさん
えぺっさんとか遠し矢とか
もっと華やかなものを見に行きたかったのですが
日程が合わず 年末年始 地味な行事ばかりになってしまいました
┐('~`;)┌
式年大祭は是非とも見てみたいものですね!
次はおそらく見られないでしょうから(^-^;
えぺっさんとか遠し矢とか
もっと華やかなものを見に行きたかったのですが
日程が合わず 年末年始 地味な行事ばかりになってしまいました
┐('~`;)┌
式年大祭は是非とも見てみたいものですね!
次はおそらく見られないでしょうから(^-^;
by dendoroubik
| 2014-01-16 02:18
| ◆近江の祭 湖南
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Comments(2)

