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竜王 田中の粥占い

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県外の方は「竜王」といっても、あまりピンとこないかもしれませんが
滋賀県のほぼ中央に位置する農村地帯で
珍しい民俗行事や、お祭りがいくつも伝承されていいるところでもあります。

「粥占い」は、かつては周辺の農村で年頭に広く行われていた行事でしたが
現在は田中の集落にしか残っていないそうです。

その年の作況と作付時期を占う行事です。




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滋賀県蒲生郡竜王町田中。八幡社(浄満寺)が舞台です。

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かつては粥占いに使う米は、その朝、子供たちが集落をまわって集めていたそうです。

今朝、撮ったという写真を見せていただきました。

  一四日の粥の米
  どうの とーとの
  古年(ふるとし)の米

そんな唄を歌いながらまわっていたそうです。

  「わしら子供の頃は『古年』やのうて
   『ふんどしの米』ゆうてたけどな」

とひとりのおやじさんが言うと、

  「そうやそうや。『ふんどし』ゆうてた」

とまわりのおやじさんたちも同調します。

これは僕の想像ですが、正しくは「古年」で
ワルガキだったおやじさんたちがふざけて「ふんどし」と歌っていたのが
いつの間にか正調になったのではないでしょうか。
「ふんどしの米」では意味が通らないですよね(笑)

お米を貰ったお宅には、お礼として松葉が贈られます。
翌朝、小豆粥を炊くタネ火に用いられたものですが
現在はどのご家庭もおくどさんでなくガス火なので、これは儀礼的なものだと思います。

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これは66年前の、田中の集落の子供たちの写真です。

竜王には、近郷の33ヶ村にわたって氏子を有する総社、苗村神社という大きな神社があります。
春と秋に、毎年、例祭があるのですが、三十三年に一度「式年大祭」(三十三年大祭)があり
ちょうど今年がこれに当たります。(2014年10月11日~13日)

前々回の写真、ということになりますね。

田中からは曳山も出されて、準備も着々、8月には太鼓踊りの練習もはじまるそうです。
それにしても、この可愛い子供たちのなかに、
粥占いを執りおこなっているおやじさんたちがいるのですね(笑)

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午後1時、神事がおこなわれます。
粥占いは乙名(おとな)と呼ばれる長老が中心となって執りおこなわれます。

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長老・・・といっても、同じ集落で生まれ育った仲ですから、けっこうな年配者でも
年長者からは「××ちゃん」・・・と呼ばれて、コキ使われる、その人間関係もほほえましい(笑)

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午後2時頃、大きな釜に7升の米、水が適量、注がれます。水加減は、手で測ります。

  「おーい。さっきションベンして、手ぇ洗ろたか?」
  「洗ろたわい!」(笑)

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薪や杉の枯葉で火加減を調節しながら炊き上げてゆきます。

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ちょうど粥状になった頃合いを見計らって、3本の竹筒が素手で釜の奥に差し込まれます。
「早稲」「中生」「晩生」を表す印が施されています。
最終的にはご飯になるのですが、粥状のときに竹筒を挿入することが、粥占いの名の由来でしょうか。 

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おそらく普段は、家事なんてなさらなそうなおやじさんたちが、あーでもない・こーでもないといいながらの炊飯。
ホントにちゃんと炊き上がるのかと心配になります(笑)が、さすがにふっくらと美味しそうに完成!

まず3本の竹筒が取り出され、三宝に。

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ご飯はお櫃に入れられ・・・

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北側にあるお堂の毘沙門天にはお供えされます。

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残ったご飯は、おにぎりにして、集まった人たちにふるまわれます。

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おこげのついた、炊きたて、握りたてのおにぎり。おいしい!!

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お母さんたちも、今日は見てるだけ・・・

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占いが始まるのを知らせる合図でしょうか。鉦を鳴らしながら、集落を一周。

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おにぎりの他にもお酒やみかんのふるまいがありました。

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まず、余興がはじまります。

赤いタスキをした裸足の男性が、お櫃を担ぎ、お堂の中に投げ入れるふりをします。
同じく赤タスキ、裸足の男性3人が、我先にと奪い合おうとした瞬間
お櫃は先の男性によって引き下げられてしまいます。

まわりから笑いがおこります。

この「お預け」は2回繰り返され、3回目にようやく3人に与えられます。

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お櫃からガツガツと自分のお重に盛る3人の動作もコミカルで笑いを誘います。
それぞれ毘沙門天、薬師如来、大日如来にお供えされます。

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いよいよ占いがはじまります。小刀で竹筒を割って、お米の入り具合を確かめると・・・

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3本ともギッシリ!今年は豊作です。

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いちばん良いのは「早稲」(わせ)。「晩生」(おくて)はやや実入りが少ない。
・・・奉行役の乙名がそう宣します。

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竹筒とお櫃のご飯は、茶碗を持って集まった集落の人たちに配られます。

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持ち帰ったご飯は、神様からのおさがり。翌15日の小正月の小豆粥に入れられます。

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和気藹々として、とても楽しい行事でした。

竜王の他の集落でおこなわれていた粥占いが、どんなものだったか、なぜなくなったかはわかりません。
ただ、この田中の行事が残っている理由は、わかる気がしました。
Commented by せんべぇ at 2014-01-16 03:10
滋賀県には、ゆるいけど濃い祭りがたくさんあっていいですね~(^^)式年大祭も気になるところです。
Commented by dendoroubik at 2014-01-16 17:27
☆せんべぇさん
えぺっさんとか遠し矢とか
もっと華やかなものを見に行きたかったのですが
日程が合わず 年末年始 地味な行事ばかりになってしまいました
┐('~`;)┌
式年大祭は是非とも見てみたいものですね!
次はおそらく見られないでしょうから(^-^;
by dendoroubik | 2014-01-16 02:18 | ◆近江の祭 湖南 | Trackback | Comments(2)