2013年 12月 05日
鶏足寺
湖東三山や湖南三山なども、かつても大寺で、やがて衰微した天台の寺院でした。
落魄した雰囲気のなかで、晩秋の紅葉の彩りに、わずかに、かつての繁栄を偲ぶ・・・
そういった風情に、京都の紅葉とはまたちがった、廃頽した魅力を感じたりします。
その廃頽ぶりがもっとも顕著なのが、この鶏足寺。(山間の鄙びた田園風景を横切って、しばしの山歩き・・・)
「湖北の比叡山」とまで呼ばれ、中世には僧兵を擁した大寺も今は山肌に諸堂の址を示す石標を残すだけ。
その石標の多さが、かえって無残な印象を与えます。
現在の本堂までの石段の両脇には驚くほど背の高い紅葉の古木。 それもほとんどが落葉していました。
以前、紅葉のピークの鶏足寺を訪れたことがあります。
聞きしに勝る美しさではありましたが、あまりの観光客の多さに辟易したのと
(自分もそのなかのひとりでしたが・・・)燃えあがるような紅葉の煌びやかさが
退廃した雰囲気にそぐわないように思えたりもしました。
今度は、すっかり落葉した時期に来てみたい・・・と思いつづけての再訪です。
大津の自宅を出たときは雲ひとつない眩しい快晴でしたが、
北へ進むにつれ薄い雲が空を覆いはじめ、湖北では、すっかり冬の弱い陽射しに変わっていました。
数少ない観光客は、紅葉がピークを過ぎていること、陽射しが弱いことをひとしきり嘆いていました。
歴史的な建造物はまったく残っていません・・・
建造物はありませんが、湖北へ来て見ないわけにはいかないのが
かつて己高山七大寺のひとつとして、東側の山間に栄えていた石道寺。
いまは見る影もなく、集落のはずれにお堂がひとつあるだけ。
本尊は十一面観音。
「観音さまと言うより、美人がひとり立っている」
井上靖の小説『星と祭』のなかで、この観音菩薩はそう表現されています。
「なんて俗っぽい表現!」と読んだときには、ちょっと失笑していまいましたが
じっさいにこれを拝んでみると、息遣いさえ感じさせるような可憐な表情に
声には出さずとも、同じようなことを心のなかで呟いていたと思います(笑)
石道寺周辺の鄙びた農村風景がとてもいいです。
お堂のまえに、枯れ上がった紫陽花。
花の盛りのころには、さぞかし趣きがあるだろうと想像できます。
石道寺の裏手から鶏足寺跡入り口を横切って、茶畑がつづく山道を遡ると、與志漏(よしろ)神社の小高い丘。
境内に己高閣と世代閣という2つの収蔵庫があり鶏足寺や、己高山にあった寺々の寺宝はここに保存されています。
観音寺へつづく石段・・・
鶏足寺という奇妙な寺号について。
8世紀のはじめ、行基によって東光山常楽寺として開基されたこの寺のはじまりと言われます。。
その後、荒廃していたこの寺へ修行のために訪れた最澄は、己高山の山頂付近に不思議な光を見ます。
その光を求めて険しい山道を登っていくと、やがてどこからともなく不思議な鳥の声が。
雪の上に残された鳥の足跡を頼りに進んでいくと、仏頭が雪に埋もれているのを発見します。
掘り起こした十一面観音を修復した最澄は、これを本尊として新たに堂宇を再建し
やがて天台修行の一大寺院を建立してゆきます。
最澄が辿った雪上の鳥の足跡が寺号の由来とも言われます。
バス旅行で思い切って一人で行こうかと予定していたのですが
やっぱり行けなくなって。。。滋賀県の紅葉でも必ず名前が出てくるほど
晩秋の光景に圧倒されるようですね。
写真を拝見しても真っ赤に燃えるような落葉絨毯。
陽の光があればまた違う表情を愉しめたかもしれませんが
近江の古寺、独特な雰囲気を醸し出してますね。
それにしても両脇の木の高さにも驚きますね。
いつか 一度は訪れてみたい寺院です。
こちらの紅葉~見たかったのでありがとうございました。
ピークが過ぎていて さすがに観光客の数は少なかったですが
それでも けっこうな人出でしたよ
みなさん ちょっとガッカリ感を漂わせていました(笑)
僕はけっこう満足だったんでしが・・・
鶏足寺は 何年に一度 紅葉と散り紅葉が同時に楽しめる
すごい当たり年があるそうですね
以前 訪ねたときは紅葉は見ごろでしたが
散り紅葉はイマイチ・・・
だいたい あんまり観光客が多すぎて
もともと参道なんて よく見えませんでしたが・・・
しかし あの背の高い紅葉は やはりいつ見てもすごい!
人がいくら多くても 見る価値あり・・・ですね!
血染めの紅葉の時期に行けばもっと綺麗だったかもしれませんが、落ち着いた金剛輪寺。
千体地蔵の並ぶ長い参道。
。
滋賀にはいいところがいっぱいありますね。
車に乗れない。。と諦めては行けませんね。。(笑)
車じゃないと行きにくい
・・・というのが滋賀観光のウィークポイント
それと見所が散在していて 効率的にまわれない
・・・というのも観光としては致命的ですね
もし自分が関西以外の場所に住んでいて
一生に何度か関西に旅行するとしても
「滋賀」という選択肢は まず浮かんでこないと思います
「滋賀観光」は旅行者上級者編・・・ですね(笑)
今年も予定に入れていたのですが、京都紅葉に
振り回されてチャンスを逃してしまいました。
昨年初めて知ってこんなに凄いとは感動したも
のです。ま・紅葉は逃げませんから来年を待つ
ことにします。
お写真、とても素敵です。
見る側の勝手な思い込みかもしれませんけれど
こちらの紅葉には 退廃した美しさがありますね
そんな趣きき反して観光バスが大挙する現状に憤慨してしまうのは
それこそ勝手な言い分なんでしょうね
自分も観光してるくせに(笑)
いちどやさんのお写真で鶏足寺の紅葉を見られる日を楽しみにしていますv