2013年 11月 04日
米原曳山まつり 2013 その7 松扇山組②
夏場の売り上げ不振に 悩む鰻屋に請われて「本日土用丑の日」
・・・というキャッチ コピーを考案したのが、江戸のマルチタレント、平賀源内
明和7年に初演され、土用のウナギ同様スマッシュヒット。
寛政6年には歌舞伎に移され、現在も各地の地芝居などで取りあげられる人気の演目。
米原の松翁山でも、過去に何度か取り上げられているそうです。
一目惚れした男がお尋ね者の新田義峯だと知ったお舟。
義峯にとって、自分は兄の仇の娘ということになります。
頓兵衛は、再び褒美の金欲しさに、義峯を襲うでしょう。それは忍びない。
でも、彼を逃せば、親への叛逆・・・
引き裂かれるお舟の心情が「人形振り」によって表されます。⇒こちら
地の芝居もすばらしかったですが、これには鳥肌が立つほど感動しました。
お舟役のこの男の子、2年前の『碁盤太平記 山科閑居 大石妻子別れの場』の大石主税役を演じていたのが小学3年生。
4年生の昨年は『義経千本桜 河連法眼館の場』の佐藤忠信ギツネ役。
これもすばらしくて、印象に残っています。小さな名優ですね。
竹薮をかき分けて、のっそのっそと頓兵衛が登場します。
もともとこの芝居は、新田義興の霊を鎮める新田神社の宣伝のために書かれたものですから
敵役の頓兵衛は、いでたち、セリフ、立ち居振る舞い、極悪非道を絵に描いたようなキャラ。
純真なお舟とは対称的に描かれたその完璧な悪辣ぶりが、逆に魅力的に思えるほど。
小柄なこの男の子も、『フォルスタッフ』のオーソン・ウエルズ並みの怪演です!
鍵のかかった我家へ押し入り、暗闇の中に潜むはずの義峯を刺そうと刀を突き刺すと確かな手ごたえ。
が、声をあげて苦しんでいるのはなんとわが娘のお舟。
「お前はな。お前はな・・・」
と、瀕死のお舟は頓兵衛に、非道なことはやめて改心してくれるよう懇願します。
「兄の仇の娘なれば、この世で添うことはできまいが、
心がけを変えたならば きっと来世では夫婦の契りを交わそう
・・・そうおっしゃった義峯さまのお言葉がうれしゅうて」
しかし、怒り狂った頓兵衛はこれをせせら笑い、
立ち塞がるお舟を情け容赦なく突き飛ばし、義峯を追って走り去ります。
頓兵衛とその手下たちによる捕り物がはじまっています。
義峯が捕らえられてしまったら、自分が身代わりになった意味がありません。
ふと、あの太鼓は獲物を捕らえたときの合図、決して打ってはいけない
・・・と、六蔵が言っていたのを思い出します。
追手たちを散会させるため、瀕死のお舟は太鼓を叩こうとします。
が、高いところにあるので届かず、袖で打とうとしたり、懸命に飛び上がったり。
その姿が、とてもいじらしい。
六蔵がそれに気づき、慌てて止めに入りますが、お舟は逆に六蔵の刀を抜いて、返り討ちに。
刀の鞘で太鼓を叩きつづけます・・・。
義峯が無事、矢口の渡を渡りきったか、見届けることなく お舟はこと切れていました。
・・・あ~、またあの感動が蘇ります~❤❤❤
お舟ちゃん役の子、ホントに小さな名優ですね☆
先日、「実盛物語に矢口渡に一力茶屋。。。ここまできたら曳山子ども歌舞伎で四ノ切もいけるかもしれん♪」って思ってふと昨年の松翁山の動画を見てみたら既に上演されてて(^^;)
曳山上でも演出次第で出来るもんですねぇ。。。☆
しかも、狐ちゃんがお舟ちゃんの彼だったんですね~。。。
頓兵衛役の子も良い感じでしたね☆
ラストのお写真がなんとも切なくて・・・美しいです❤
1ケ月経ってようやくUPできました^-^;
でも もう一回見たいくらいですよね♪
4人ともハマリ役で 唸ってしまいました
お舟ちゃん=狐忠信の男の子
去年の四ノ切 初演のとき
宙返りでカツラが外れるといアクシデントがあったのですが
笑いながら 臆することもなく堂々とつづきを演じるのを見て
なんて舞台度胸のいい男の子なんだと感心しましたw
もちろん芝居自体もすばらしかったですよ!