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大津祭 宵宮 2013 その2

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大津祭は天孫神社の祭礼。

曳山祭礼は、江戸時代初頭にはじまりますが、
当時は「曳山」と「練り物」(つくりものによる仮装行列)
が参加して巡行がおこなわれていたようです。

「練り物」の方は明治初頭になくなり、曳山13基が現存。
新町の布袋は現存する唯一の「練り物」ですが、
宵宮と本祭の2日間飾られ、巡行はしません。




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西行桜狸山は、大津祭の曳山の元祖で、
巡行では必ず先頭をゆくクジ取らず。

慶長年間、鍛冶屋町の塩売治兵衛という男が祭礼の日に、
狸の面をかぶって采を振りながら風流踊りを踊ったのが大ウケ。
二年後には、彼を乗せる屋台を作って担ぎまわすよになりますが、
治兵衛が年老いて踊れなくなると、
代わりに腹鼓を打つからくり狸が作られ、曳き回されるようになります。
寛永年間には二輪の、寛永年間には三輪の曳山が作られ、
これが現在の大津祭の曳山の元祖になります。

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明暦年間には、腹鼓を打つ狸のからくりから、
能を題材にした西行桜のからくりに変更。
老翁姿の桜の精が木から現れ、
西行を和歌問答する様子が表されます。

大津祭の曳山13基すべてにからくりがあり、
本祭の巡行の「所望」で見ることができます。
宵宮ではからくりは実演されませんが、
会所近くに展示され、間近に見ることができます。

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塩売治兵衛がかぶっていたという狸面。

大津祭がいつごろからはじまったかはわからないそうですが、
曳山祭礼へと変貌していったのは、
塩売治兵衛の物語がきっかけです。

この愉快な男の記憶をとどめるかのように、
巡行の日には曳山の屋根の天辺に狸の人形が添えられ、
祭礼の日の天気を守護しています。

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南保町「猩々山」

高風という男の親孝行に感心した
猩々という伝説上の動物が、
汲めども尽きぬ酒壷を贈る・・・という話で、
高風が酒壷から、盃に注ぐと猩々が
これを飲み干し、手にした扇で顔を隠します。
次に扇を下ろすと、顔が真っ赤になっている
・・・というからくりです。

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丸屋町「西王母山」(せいおうぼざん)

中国昆崙山に住む西王母が天女とともに舞い降り、
三千年に一度、一個しか実らないという
桃の実を王に捧げ、長寿を祝います。

桃の実がパカッと開き、
なかから小さな童子が現れ、行き来するかわいいからくり。

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白玉町「西宮蛭子山」(にしのみやえびすやま)

えべっさんが釣りあげた鯛が、
太郎冠者の持つ魚籠にスッポリと入る
・・・というシンプルなからくりですが、
けっこう盛りあがります^-^

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玉屋町「湯立山」

天孫神社の湯立ての神事を再現したからくり。
赤い着物の巫女さんが、鉦を
「おちゃんぽ、おちゃんぽ」と打ち鳴らすところが
とてもユーモラスで好きです。

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柳町「殺生石山」(せっしょうせきざん)

玄翁和尚が手にした法子を動かすと、
その法力で大岩が割れ、
なかから玉藻御前があらわれます、

玉藻御前が扇で顔を隠すたびに、
狐、玉藻御前と交互に変わるからくり。

鳥羽院に寵愛された玉藻前は,
正体が狐であることを見破られ、
那須の殺生石となって旅人を邪魔していました。
玄翁和尚がこれを成仏させた
という能楽の物語にちなんでいます

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下小唐崎町・御在家町「郭巨山」(かっきょやま)

郭巨は貧しくさゆえに、産まれた子供を
土の中に埋めようと、穴を掘っています。
すると土中から、黄金の釜が出てくるというからくり。

鍬で穴を掘る郭巨、子供を抱くその妻
・・・ふたりのやさしげな顔がいいんです。

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中堀町「孔明祈水山」(こうめいきすいざん)

趙雲が鉾を岩に突き刺すと、
こんこんと水が湧き出します。
遣車に乗った諸葛孔明が立っています。 
魏の曹操と戦ったとき、
流れる水に祈り,大勝した故事にちなみます。

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湊町「石橋山」(しゃっきょうざん)

獅子が岩から現れ、
首や足などを動かしながら、
また岩に隠れるからくりです。

文殊菩薩の浄土と伝えられている
険しい石の橋を渡ろうとしたとき,
獅子が現れて牡丹の花に舞い戯れるのを見た
という謡曲からきています。

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太間町「龍門滝山」

鯉が滝を何度も登ろうと試み、
最後に登り切る、というからくり。
これもシンプルな仕掛けですが、盛りあがります^-^

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中京町「源氏山」(げんじやま)

石山寺で「源氏物語」の構想を練る紫式部。
潮汲み馬,御所車,かさ持ち,草履持ち・・・
彼女の幻想の世界が回り舞台に現れます。

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猟師町「神功皇后山」

神功皇后が、弓の先で「三」の文字を書くと、
黄金色の文字が現れます。

「三韓之王者」・・・の文字が次々に現れる文字からくり。

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上京町「月宮殿山」

亀の冠をつけた男の子と、
鶴の冠をつけた女の子の舞。
奥で中国の皇帝が謡っています。

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重要文化財の見送り幕。

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堅田町の神楽山はその名の通り、
神楽を舞うからくりだったそうですが、
残念ながら曳山は明治6年以降、巡行していません。

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Commented by biwahama at 2013-10-18 16:44
こんにちは。大津祭本祭久しぶりに出かけてきました。
夜の宵宮も風情たっぷりですね。
各町の練り物 すべて見たことがありません。
所望もないですね。全て見て意味合いをも知ることも大事ですね。
粽もほとんど沿道の家にだけで 観客には投げなくなりましたね^^;
今年も同じような写真の量産になりましたです^^;
Commented by dendoroubik at 2013-10-18 18:12
☆biwahamaさん

大津祭はコンパクトなイメージがありますけど
曳山13基すべてにからくりがありますので
「所望」だけ追っかけても なかなか回り切れないですよね
その他にも彫刻や懸飾品など見所が満載・・・
最近は宵宮に立ち寄るだけですが
biwahamaさんのお写真を拝見していると
やはり本祭に駆けつけたい衝動に駆られます(笑)
快晴の今年は最高だったでしょうね♪
by dendoroubik | 2013-10-18 07:26 | ◇大津祭 | Trackback | Comments(2)