2013年 10月 18日
大津祭 宵宮 2013 その2
大津祭は天孫神社の祭礼。
曳山祭礼は、江戸時代初頭にはじまりますが、
当時は「曳山」と「練り物」(つくりものによる仮装行列)
が参加して巡行がおこなわれていたようです。
「練り物」の方は明治初頭になくなり、曳山13基が現存。
新町の布袋は現存する唯一の「練り物」ですが、
宵宮と本祭の2日間飾られ、巡行はしません。
西行桜狸山は、大津祭の曳山の元祖で、
巡行では必ず先頭をゆくクジ取らず。
慶長年間、鍛冶屋町の塩売治兵衛という男が祭礼の日に、
狸の面をかぶって采を振りながら風流踊りを踊ったのが大ウケ。
二年後には、彼を乗せる屋台を作って担ぎまわすよになりますが、
治兵衛が年老いて踊れなくなると、
代わりに腹鼓を打つからくり狸が作られ、曳き回されるようになります。
寛永年間には二輪の、寛永年間には三輪の曳山が作られ、
これが現在の大津祭の曳山の元祖になります。
明暦年間には、腹鼓を打つ狸のからくりから、
能を題材にした西行桜のからくりに変更。
老翁姿の桜の精が木から現れ、
西行を和歌問答する様子が表されます。
大津祭の曳山13基すべてにからくりがあり、
本祭の巡行の「所望」で見ることができます。
宵宮ではからくりは実演されませんが、
会所近くに展示され、間近に見ることができます。
塩売治兵衛がかぶっていたという狸面。
大津祭がいつごろからはじまったかはわからないそうですが、
曳山祭礼へと変貌していったのは、
塩売治兵衛の物語がきっかけです。
この愉快な男の記憶をとどめるかのように、
巡行の日には曳山の屋根の天辺に狸の人形が添えられ、
祭礼の日の天気を守護しています。
南保町「猩々山」
高風という男の親孝行に感心した
猩々という伝説上の動物が、
汲めども尽きぬ酒壷を贈る・・・という話で、
高風が酒壷から、盃に注ぐと猩々が
これを飲み干し、手にした扇で顔を隠します。
次に扇を下ろすと、顔が真っ赤になっている
・・・というからくりです。
丸屋町「西王母山」(せいおうぼざん)
中国昆崙山に住む西王母が天女とともに舞い降り、
三千年に一度、一個しか実らないという
桃の実を王に捧げ、長寿を祝います。
桃の実がパカッと開き、
なかから小さな童子が現れ、行き来するかわいいからくり。
白玉町「西宮蛭子山」(にしのみやえびすやま)
えべっさんが釣りあげた鯛が、
太郎冠者の持つ魚籠にスッポリと入る
・・・というシンプルなからくりですが、
けっこう盛りあがります^-^
玉屋町「湯立山」
天孫神社の湯立ての神事を再現したからくり。
赤い着物の巫女さんが、鉦を
「おちゃんぽ、おちゃんぽ」と打ち鳴らすところが
とてもユーモラスで好きです。
柳町「殺生石山」(せっしょうせきざん)
玄翁和尚が手にした法子を動かすと、
その法力で大岩が割れ、
なかから玉藻御前があらわれます、
玉藻御前が扇で顔を隠すたびに、
狐、玉藻御前と交互に変わるからくり。
鳥羽院に寵愛された玉藻前は,
正体が狐であることを見破られ、
那須の殺生石となって旅人を邪魔していました。
玄翁和尚がこれを成仏させた
という能楽の物語にちなんでいます
下小唐崎町・御在家町「郭巨山」(かっきょやま)
郭巨は貧しくさゆえに、産まれた子供を
土の中に埋めようと、穴を掘っています。
すると土中から、黄金の釜が出てくるというからくり。
鍬で穴を掘る郭巨、子供を抱くその妻
・・・ふたりのやさしげな顔がいいんです。
中堀町「孔明祈水山」(こうめいきすいざん)
趙雲が鉾を岩に突き刺すと、
こんこんと水が湧き出します。
遣車に乗った諸葛孔明が立っています。
魏の曹操と戦ったとき、
流れる水に祈り,大勝した故事にちなみます。
湊町「石橋山」(しゃっきょうざん)
獅子が岩から現れ、
首や足などを動かしながら、
また岩に隠れるからくりです。
文殊菩薩の浄土と伝えられている
険しい石の橋を渡ろうとしたとき,
獅子が現れて牡丹の花に舞い戯れるのを見た
という謡曲からきています。
太間町「龍門滝山」
鯉が滝を何度も登ろうと試み、
最後に登り切る、というからくり。
これもシンプルな仕掛けですが、盛りあがります^-^
中京町「源氏山」(げんじやま)
石山寺で「源氏物語」の構想を練る紫式部。
潮汲み馬,御所車,かさ持ち,草履持ち・・・
彼女の幻想の世界が回り舞台に現れます。
猟師町「神功皇后山」
神功皇后が、弓の先で「三」の文字を書くと、
黄金色の文字が現れます。
「三韓之王者」・・・の文字が次々に現れる文字からくり。
上京町「月宮殿山」
亀の冠をつけた男の子と、
鶴の冠をつけた女の子の舞。
奥で中国の皇帝が謡っています。
重要文化財の見送り幕。
堅田町の神楽山はその名の通り、
神楽を舞うからくりだったそうですが、
残念ながら曳山は明治6年以降、巡行していません。
夜の宵宮も風情たっぷりですね。
各町の練り物 すべて見たことがありません。
所望もないですね。全て見て意味合いをも知ることも大事ですね。
粽もほとんど沿道の家にだけで 観客には投げなくなりましたね^^;
今年も同じような写真の量産になりましたです^^;
大津祭はコンパクトなイメージがありますけど
曳山13基すべてにからくりがありますので
「所望」だけ追っかけても なかなか回り切れないですよね
その他にも彫刻や懸飾品など見所が満載・・・
最近は宵宮に立ち寄るだけですが
biwahamaさんのお写真を拝見していると
やはり本祭に駆けつけたい衝動に駆られます(笑)
快晴の今年は最高だったでしょうね♪