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びわ湖アートめぐりの旅3

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10.【近江八幡会場】

びわ湖を船で巡る・・・
というコンセプトからは少し外れてしまいますが、
近江八幡だけは、どうしても外すことができません。

昨年5回目を迎えた「びわこビエンナーレ」という芸術祭。
2回目からは、ここ近江八幡をメイン会場に開催されてきました。



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いつか、ここに書いているような全県的な芸術祭が
もし、おこなわれたとしても、
「biwakoビエンナーレ」の良さは残して欲しいものです。

  先進国として利便性のみを追求して
  変わっていく日本の景観。
  本当にこれが日本人が目指したかった
  国の姿なのだろうか?
  誰もが大切にし、誇りとしていたはずなのに、
  急激に失われつつある、その土地の風土。

  近江八幡(や五箇荘)の古い町家や廃屋などと、
  現代アートを融合させることで、
  その風土をはぐくんできた、
  人々の想いや誇りを甦らせる・・・

行政や企業主導のイベントでなく
アーティストの中田洋子さん
(NPO法人「エナジーフィールド」常務理事)
のそんな提唱からスタートした芸術祭、
というところが他の芸術祭と一線を画するところです。

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伝統的な日本家屋や、
古い町並みを眺めて歩くのが好きです。
芸術祭という機会に、
そういった家屋の内部が見られる、
というのも楽しみのひとつです。
しかも、そこで出会う現代アートは、
ただ建物を「見学」しているときに興る感情、
好奇心や懐かしさ・・・といったもの以上の
未知の情感へ誘ってくれるように感じました。

  置き忘れた日本の美意識を探す旅

未知の情感というのは、
既知の美意識だったのかもしれません。

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  「滋賀県にはいいところがいっぱいあるのに、
   どうして観光客が少ないんだ!」

そう思う人は少なくありません。
僕もそう思わないでもありません。

たとえば、国指定の国宝、重要文化財の数は、
全国でも4番目の多さ・・・観光資源が乏しいとは、
決していえません。

  「行政はもっと観光インフラを進めるべきだ!」

そう主張する人も少なくありません。
でも、それはどうかな、と思います。

「びわこビエンナーレ」が近江八幡(や五個荘)
でおこなわれるようになったのは、
故のないことではないだろうと思います。
このふたつの町は、行政ではなくて、
住民が自発的に景観を甦らせ、
保全しようと運動してきたという経緯があります。

後に補助を受けるようになったとはいえ、
当初の目的は「観光客を呼ぶため」ではなく、
受け継いだ風土や景観を甦らせること、
そして、そのことで誇りを回復すること。

ちょっとシニカルなことも書いてしまいましたが、
いまの滋賀県には、県民として
とうてい誇りを持ち得ないようなことやものが
あまりにも多すぎます。
そんなところに税金を注ぎ込んでも仕方ない、
と、つい思ってしまうのです。

どうやったら観光客が増えるか、
なんてわかりませんし、興味もありませんが、
経済効果・・・なんていう指標ではなく、
自信や誇りを回復できるきっかけとなるような
イベント・・・としてビワゲーを妄想してみました。

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キャッチフレーズは、泉鏡花の小説(『瓔珞品』)から、
こんなのはどうでしょう・・・。


  これなむ日の本の一個所を、琵琶に劃つた水である。

  妙なるかな、近江の國

Commented by goodroads at 2013-09-04 18:08
こんばんは
「ビエンナーレ」ということは、2年に1度の開催なんですね~
古民家とアート、"いにしえ"と"現代"の融合、とても素晴らしいですねー☆

滋賀県は「自然」「文化」「歴史」の3つがある素晴らしい場所です。観光となれば京都、大阪、奈良とライバルがそばにありますからね・・・とても厳しい環境かと思います。

「滋賀で休もう」的な、滞在型の観光があったら・・・
元々、見所があるところなのでいいのでは・・・なんて個人的には思いますが(^^) 凸!
Commented by dendoroubik at 2013-09-04 22:59
☆Tomさん

昨年おこなわれた「biwakoビエンナーレ」は
前回から数えて2年目だったんですが
それ以前は3年に1回のトリエンナーレでした^-^
とてもおもしろい試みなので
次回はぜひ 覗いてみてくださいませ!

「滞在型」でなく「通過型」
・・・これが滋賀の観光のネックだと よく言われるんです
「通過型」にしては 見所が点在しているので
そこがシンドイところでしょうか・・・。
ゆっくり休めるような滞在型の観光が望ましいんでしょうが
・・・でも まあふつう京都に行きますね^-^;
Commented by dendoroubik at 2013-09-04 23:00
凸ありがとうございます^-^/
by dendoroubik | 2013-08-31 16:02 | ◆近江の祭 近江八幡 | Trackback | Comments(3)