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おわら風の盆 2012 その5

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午後11時過ぎに公式行事が終了すると、零時過ぎから明け方までは
観光客を楽しませるのではなく、今度は自分たちが楽しむ時間。
公式行事の踊り手はおおむね25歳までと決められているそうですが
卒業した人たち、現役の人たち、老いも若きもも思い思いに町流しをはじめます。
地方(じかた)だけの一団、伴奏のない無言の踊り
町を越えて気のあった者同士の町流し・・・



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公式行事とはちがって、スケジュールが公表されているわけではなく
どこでどんな町流しに出会えるかはそのとき次第。
揃いの浴衣で踊るショーアップされたおわらも、もちろんすばらしいものですが
ふいに暗闇から現れる自前の衣装の人々・・・息を呑む美しさがあります。

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踊り子と並んで、おわらに欠かせない役割を担っているのが「地方」(じかた)。
「唄い手」「囃子」「三味線」「太鼓」「胡弓」からなります。
なかでも鮮烈な印象を聞く人に与えずにおかないのが、すすり泣くような胡弓の響き。
三味線がリズムを刻むようにリードすると胡弓が絡みつくように追いかけます。
太鼓が軽く叩かれてエモーションが高まると、囃子に誘い出されるように唄がはじまります。
甲高い声で息継ぎなしに小節を唸らせるおわら節・・・

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間奏曲も不思議です。
胡弓が唄の旋律とはまったくちがうメロディがが奏でるのです。
町の暗闇のあちこちから、哀調を帯びたこのメロディが
かすかに秋の気配をしのばせた風にのって聞こえてきます。

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去年の払暁ちかく、なぜか列からひとりだけ遅れて踊りに耽溺している女の子を見かけました。
その女の子が、列のなかで女踊りを踊りながら通りすぎてゆきました・・・

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ふと時計に目をやってしまいます・・・あと3時間ほどで夜明け。 すぐに時計を見てしまったことを後悔します・・・

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いつまでも終わってほしくない・・・というちょっと退嬰的な気分に誰もが浸ってしまう夜更けです。

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軒先でおやじさんが聞かせてくれる胡弓は胸を打つ甘美な調べ・・・

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若者たちを見守る先輩のまなざし・・・

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諏訪町通りには、いつまでも、いつ来るかわからない町流しを待つ人たち・・・

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いま、目のまえを通っていったものは果たして現実のものだったのだろうか?
深夜の町流しを眺めていて、ふとそんな感覚に囚われることがないでしょうか?

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子供のころの・・・悲しい夢をみて、それがどんな内容だったのかはすっかり忘れているのに
悲しみだけがしばらく持続している・・・ということがよくありました。
そんな夢と同じように、おわら風の盆を見終えて、胸を締めつけられる郷愁のようなものを感じているのに
何かを確かに見た・・・という現実的な感覚がまったくないことに気づます。
深夜の町流しで目のまえを通りすぎていったのもまぼろしではなかったか・・・

手元にブレた写真が手元に何枚か残っているだけです(笑)

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それをたしかめるために、また来年も行くのだと思います。


   二百十日に風さえ吹かにゃ 早稲の米喰うて オワラ 踊ります

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Commented by nochi423 at 2012-09-12 19:35
老若男女問わず楽しめて自由なお祭りですね~!
一晩中、夢の中で放浪している気分になりそうです。
このお祭りは・・飲むのを我慢しなければ!
浴衣とカメラは必須!浴衣は着られて行ったのですか?

Commented by dendoroubik at 2012-09-12 21:40
☆ノチさん

おわらを知る人に
「何だこの写真 ダメだ」
といわれるのはいっこうにかまわないのですが
見たことのない人に
「この程度のものか」
と思われるのは ちょっとかない・・・という思いです

>一晩中、夢の中で放浪している気分
というのはまさにその通りで
呑むのを我慢する必要はまったくないと思います^-^

そうですね
いつか浴衣で見てみたいものです
Commented by りんご里から at 2012-09-17 00:06 x
こんばんは。
dendoroubikさんのおわらに対する熱い思いが伝わってきます。 
地元にいながら、見に行かないのが恥ずかしくなりました。
コメントのしようもありません。ただただ食い入るように見させてもらいました。ありがとうございました。
Commented by dendoroubik at 2012-09-17 16:40
☆りんごの里からさん

こんにちは!

ことしのおわら見物は とても充実して印象深かったです
ところが 写真は不注意からミスを犯してしまい
不完全燃焼・・・でした
そこで 先週「城端麦むぎや祭り」へお伺いし リベンジを果たしてきました^-^
写真の出来はともかく お祭り自体はとてもすばらしかったです
ボチボチUPしますので また見てやってください
(それにしても月2回の弾丸富山往復は 体力的にちょっとキツかったです)
by dendoroubik | 2012-09-12 18:00 | ◇おわら風の盆 | Trackback | Comments(4)