2012年 08月 20日
大津 唐崎神社 みたらし祭り
更新しそびれてもう先月の話題になってしまいましたが、
7月28日、29日の2日間、地元大津市の唐崎神社では、
「みたらし祭」が行われました。
28日は恒例の、湖上からの手筒花火の奉納がありました。
近江八景(「唐崎の夜雨」)にも描かれた唐崎の松です。
唐崎神社の境内、びわ湖に向かって
大きな枝を伸ばしています。
向こうに見えるのは比叡山。
自宅から歩いて行ける距離なので、
たまに散歩に来ます。
たいへん美しい風景だなと思います。
が・・・いったい、全国にその名を知られた名所、歌枕のなかで
唐崎ほど訪れる人の稀な場所も少ないのではないでしょうか。
この松は伝説の宇志丸宿禰が
植えたとされる松から数えて3代目。
名木と謳われた2代目の実生ですが、
同じ2代目の実生、金沢兼六園、
霞ケ池の「唐崎の松」にくらべると年間の観光客数の差は
1000倍ではきかないと思います。
ふだん訪れて、誰かと会うことはまずありません。
唐崎の松は扇の要にて漕ぎゆく船は墨絵なりけり (紀貫之)
唐崎の松は花よりおぼろにて (芭蕉)
後の歌人や俳人は唐崎のことをそんな風に詠っていますが、
万葉集にはすでに「打ち捨てられ」感漂うこんな歌があります。
たった5年で終わった天智天皇の大津京。
その当時は多くの舟が往来しただろうこの場所に立って、
柿本人麻呂はこう謡っています。
ささなみの 志賀の辛崎 幸くあれど
大宮人の 舟待ちかねつ
志賀の辛崎はその名のように幸く(おだやかで)あるけれど、
大宮人の舟はいくら待っても、もう来はしない・・・沖合を航行するのは、
観光船ミシガンかビアンカ笑)くらいだ・・・と。
「みたらし祭り」といえば
下賀茂神社でおこなわれる行事が有名ですが、
唐崎神社で同名の神事がおこなわれるのは、
おそらくこんな事情だと思います。
平安時代、洛中七ヵ所で人形(ひとがた)などを水に流して
罪穢れを祓う儀式がおこなわれていましたが(七瀬の祓え)
11世紀頃にになる洛外に祓えの地が広がるようになります。
びわ湖から淀川に至る七ヶ所が祓えの場所に定められ、
その第一処がこの唐崎神社でした。
その祓祭の名残がこのみたらし祭りなのでしょう。
湯立て神楽神事。
煮立ったお湯にお神酒やお米を混ぜ、
巫女さんが笹の葉で湯玉を散らします。
この湯玉にあたると無病息災のご利益があるとされています・・・。
湖上焚上げ神事が行われます。
奉納された「願い串」や古いお札が湖上で焚きあげられます。
平安連合会による法螺貝が湖上に響き渡ります。
夜もすがら浦こぐ舟は跡もなし 月ぞのこれる志賀の辛崎
八隅しし吾が大王の大御船待ちか恋ひなむ志賀の辛埼
最後に手筒花火の奉納。
湖岸から50メートルほどの沖に台船が停泊しており、
そのうえから次々に手筒花火があげられていきます。
静岡の「富幕開進社」という花火師の方々。
氷りゐし志賀の唐崎うちとけてさざ波よする春風ぞ吹く(大江匡房)
>自宅から歩いて行ける距離なので
いいですねぇ~唐崎神社の松を見たいなと思っています。
かなり歴史ある神社であり 近江八景にもなっているのに
あまり知られていないのが残念なような気がしますね。
大津観光の宣伝が悪いのでしょう。。。
もっと力を入れてくださいと言いたいです。
手筒花火 湖面も焦がして~美しいです^^
恐縮です( ̄▽ ̄;)
自分にとっては やはり写真より祭りの興奮が上位にあります
それがピークに達したとき カメラがとても邪魔に感じられたりします
目で見た感動をそのまま記録できる媒体を誰か発明してくれないでしょうか!
唐崎の松…もそうですが
瀬田の唐橋…も 全国的にしられた名所でありながら 実物が見られることのない場所のひとつですね
今年富山で
昨年は郡上踊りの岐阜で その名を耳にしました…
文学上 歴史上これだけ知られながら なぜにこれほどまでに訪れる人が少ないのか…というのは滋賀の不思議のひとつですが
観光産業に携わらず できれば空いている方が都合がいい…という僕のような人間にとっては
あまり宣伝してほしくないな…というのが正直な気持ちです^-^;
全国的に有名で人のドッと集まる、お祭りはたくさんありますが、地方(県庁所在地なのになぁ。)のこういったお祭こそ、真髄が見えてくるような気がします。
延暦寺近くでバイトしていた高校生の時、同僚の女性が唐崎のみたらし祭の日、「シモの神さんのお祭りやし帰りに行ってきい」と言われたのですが、結局 お祭りそのものには今まで一度も行っていません。近いのに夜のお祭 歳を重ねる毎 行き辛くなります(汗) 甲賀の瀬古の花火も近いんですけどねぇ。。
唐崎神社は、おそらく湖岸の道路が出来てから、ますます人から遠くなったのでしょうね。町から寸断されている感があります。
「それがピークに達したとき カメラがとても邪魔に感じられる」
これまた、とてもわかる感覚です。
祭でなくても、「写真を撮る」と言う行為のため、失っている感動が多いようにいつも思います。 されど、感動は残したい。。
困ったものです。
瀬古の花火・・・今年こそ行くつもりです!
yumeさんも行かれるんでしょうか・・・?
もし 現地で見かけたら ぜひお声がけください^-^
(「とてもゆっくり立山縦走記 その2 大汝~雷鳥沢」http://gejideji.exblog.jp/page/3/)という記事に恥ずかしげもなく顔を晒していますので参考に^-^;)
お祭りに限らず その内容のすばらしさと観光客の数は比例しない
・・・というのは身にしみて感じます
観光客がたくさん来ることがその祭りにとって幸せなことかは別の話ですが
「重要無形文化財」・・・というような評価も とても偏向しているのを感じます
やっぱり行ってみなければわからない!
既定の評価を追認するよりも 新たに発見する喜びの方が大きいですからね^-^
そういった意味では 滋賀の観光地や祭りは発見する喜びに満ちていますねw
祭といえば、志賀八幡宮の例大祭ももう間もなくです。
本日、お祓いとみこしの飾り付けがあり、祭も本格的にスタートです。
今年は15日(土)が宵宮、翌16日(日)が本祭となっております。
南志賀が大宮、滋賀里が若宮です。
ご都合がよろしければぜひお越しください。お待ちしております!
お久しぶりです(^-^)
秋の気配が徐々に感じられるようになると
いよいよ志賀八幡さんのお祭りですね!
前回 拝見してから 高感度に耐えるカメラを購入しまして
今度見るときは こんなふうに撮りたい…などと空想を膨らませていました^-^
ちょうど その日は旅行の予定を入れてしまい 今年はお伺いできないのが心残りです(>_<)
来年は絶対にお伺いします!
お祭りの無事と成功…当日晴天に恵まれますようお祈りしております
コメントいただきまして ありがとうございますm(__)m
9月15日が志賀八幡宮の例大祭ということで、元々は敬老の日にみこし渡御がありました。
しかし法改正で祝日が変わり、15日が平日の場合に担ぎ手などが手薄になってしまうということで、
9月の第3日曜日に祭礼が執り行われるようになりました。
ところが今度は3連休の中日ということで、旅行などに行く人も増え、これまた担ぎ手が少なくなる
要因となってきています。
娯楽が多様化して行く中でこの祭礼に関心を持ってもらえるにはどうすればよいのか、みこし会
役員一同があれこれ智恵を絞っているところであります。
祭はこれからも毎年行われますので、また来年お待ちしています!
旅行、お気を付けて。
ありがとうございます
来年は必ず お伺いさせていただきます
志賀八幡さんをはじめ お祭りを運営されている方々のご苦労といいますか 心意気には いつも頭がさがる思いです
運営に苦慮されているお祭りは全国にたくさんあると思いますが
志賀八幡さんのように伝統があり 勇壮なお祭りがなくなる・・・などと想像しますと ゾッとしますね
好きで各地のお祭りを拝見しますが 滋賀県内のお祭りは その内容のすばらしさの割りに 評価が低すぎるのを感じます
志賀八幡さんのお祭りは 他に娯楽があろうが 平日であろうが 駆け参じる・・・というようなすばらしいお祭りだと思えるのですが・・・
ご覧いただきまして
ありがとうございます!
ふだんは参拝者も 少ない神社ですが
このときばかりは見物客でにぎわいます
このあたりは多くの歌にも詠まれ
むかしは景観もよかったみたいですが…
いまは もうひとつパッとしますん(>_<)
また お立ち寄りくださいませ
m(__)m