一乗寺下り松の決闘

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21歳の武蔵は、京にのぼって
当時の名門・吉岡道場の門を叩きます。

いわゆる道場破りですね。

門弟6人を倒し、そのうち2人を死に至らしめたとか。

面目をつぶされた吉岡道場は、
天才剣士と詠われた当主の吉岡清十郎、
その弟の伝七でリベンジを図りますがあえなく完敗。

滅亡の危機に立たされた吉岡一門は、
恥も外聞もかなぐり捨て、
清十郎の子(甥とも)13歳の少年・源次郎を名目人に立て、
一乗寺下り松で決戦に望みます。

弓・鉄砲をも携えた100人近い門弟たちと、
武蔵ひとりの決戦・・・





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白川通りから詩仙堂へ向かう
坂道の途中に決戦の地・下り松があります。

「武蔵 吉岡一門 決闘の地」の碑と、
植え替えられた松が植わっています。

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その向かいの、過剰な道標。

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下り松からほど近い八大神社。

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境内に吉川英治の随筆から
こんな引用が石碑に刻まれています。


武蔵が一乗寺下り松に立って
多数の敵にまみえた日のまだ朝も暗いうちに、
彼は、死を期したこの危地へ来る途中で、
八大神社の前で足を止めて、
「勝たせたまえ。きょうこそは武蔵が一生の大事。」
と彼は社頭を見かけて祈ろうとした。
拝殿の鰐口へまで手を触れかけたが、
そのとき彼のどん底からむくむくわいた彼の本質が、
その気持ちを一蹴して、鰐口の鈴を振らずに、
また祈りもせずに、そのまま下り松の決戦の場へ駆け向ったという。
武蔵が自分の壁書としていた独行道のうちに、
「我れ神仏を尊んで神仏を恃(たの)まず」
と書いているその信念は、
その折ふと心にひらめいた彼の悟道だったにちがいない。
武蔵にこの開悟を与えたことに依って、
一乗寺下り松の果し合いはただの意趣喧嘩とはちがう
一つの意味を持ったものと僕はそう解釈する。

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当時の下り松といわれるものがガラスケースのなかに・・・

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決闘の朝、武蔵は刻限より早くに到着し、
吉岡一門の様子を観察していたといいます。

多勢に無勢・・・

  「大将を切るしか勝てぬ」

・・・と思い定めた武蔵は、
下り松に背後から山道を駆け下り、吉岡陣営を急襲。
13歳の少年名目人・源次郎と年老いた後見人を串刺しに。

呆然とする吉岡一門。

一方の武蔵も、少年を切った虚しさに呆然自失。

その後の激しい死闘。

混戦の末、吉岡一門を切り伏せた武蔵は
その場を立ち去って行きます・・・

境内に掲げられたこのスチールは
1961年から製作された内田吐夢監督の宮本武蔵5部作。

『一乗寺の決斗』は第4部で、
滋賀県高島市の饗庭でロケされたらしいです
(吉田馨氏『銀幕の湖国』サンライズ出版)。

武蔵は中村錦之助。

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ちなみに、高倉健が小次郎を演じる完結篇
『巌流島の決斗』のロケ地は、
同じく滋賀県大津市の近江舞子です・・・
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Commented by zen_aiba at 2010-06-29 21:42 x
トップの写真は合成ですか?
なにか透けている武蔵の像のようなものが見えますが
そうでなかったら
自分の目がおかしくなったということでしょうか…
見れば見るほどいろんな映像が入っていますね
これはいったいどんな写真なのでしょうか?
Commented by dendoroubik at 2010-06-29 22:20
☆zenさん

武蔵が一乗寺の決闘にのぞむ朝 悟りを開いたという八大神社に 当時の「下り松」の古木の断片がガラスケースに入れて展示してます

武蔵の悟達に思いを馳せながら 写真を撮っていると
・・・知らぬ間に 武蔵の姿が映り込んでいたのです!

・・・というのはウソで^^;

そのまえに武蔵の銅像が建っていて トップの写真は その像がガラスケースに映ったものです^^
大河ドラマに便乗して建てられた銅像だと思います
むかしは こんなのなかったように思います
Commented by zen_aiba at 2010-06-30 21:15 x
ガラスケースに入った古木なんですね
なんとか謎が解明しました
武蔵の右手の下あたりには
きっとお通さんかなにかの像もありますよね
女性の顔らしきものが気になって仕方ないです
by dendoroubik | 2010-06-29 12:44 | 京都 | Trackback | Comments(3)