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米原曳山祭 子供歌舞伎1

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米原曳山祭は湯谷神社の秋の祭です。

長浜の曳山を真似て、
江戸時代末期から行われていたと伝えられるこの祭りは、
曳山を町内でひきまわすだけでなく、
小学生男児による子供歌舞伎が
舞台で繰り広げられることで有名です。




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今年の演目は『銘刀石切仏御前 三段目 西八条之段』
「平家物語」の白拍子、妓王と仏の物語と
「平治物語」のエピソードをミックスした創作です。

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石川県小松のお旅祭で上演されたものとのことです。

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口上も今回が初めての試みらしいです。

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小学一年生の男の子です。

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権勢をほしいままにする西八条の平清盛のもとに、
加賀の国から白拍子(踊りを生業にする女芸人)「仏」が
舞いを見て欲しいと訪ねます。

最初は全く相手にされませんが、
清盛の寵愛を一身に受ける同じ白拍子の「妓王」は
「仏」の気持ちがよくわかり、
舞を見てやるよう強く勧めます。

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ようやくお目通りが叶い、
清盛のまえで舞いや琴を披露する「仏」・・・

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(琴もこの歌舞伎のために
、一から習い憶えたといいます)

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「仏」の舞いを見た清盛は、たちまち彼女の虜になり
、専属の白拍子にしようとします。

「仏」は清盛に舞いを見てもらいたかっただけなので
固く固辞しますが、清盛はそれを
「妓王」に対する遠慮と見てとり、
逆に「妓王」を追放してしまいます。

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よよと泣き伏す「妓王」

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「萌えいづるもかるるも同じのべの草」

と障子に筆書きして「妓王」は退出します。

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清盛の嫡男・重盛(清盛と一人二役)は、
清盛がこのようなわがままな振る舞いをつづけると、
天下は長くもたないと嘆きます。

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館に仕える下級武士、兵太夫は、
実は源氏ゆかりの者で、清盛暗殺を狙っています。
先ほども、毒殺を図って「妓王」に未然に阻まれています。

重盛は、実はそのことを、兵太夫の額の傷から先刻承知。
捕らえることはせず、館から出て行くように言い渡します。

平治の乱の合戦で悪源太義平と
馬上で一騎打ちになったとき、
あわやという刹那、なぜか義平の郎党・・・兵太夫が
馬のくつわを引いて、太刀を遠ざけたため、
重盛は一命をとりとめたのです。

重盛はそのことを覚えていて、
それが兵太夫であることも知っていたのです・・・

なぜあのとき、馬のくつわを引いて・・・
源氏の敗因をつくってしまったか
と後悔の涙に暮れる兵太夫・・・。

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重盛はあのとき義平が振るった太刀・・・
その後、数奇な運命をたどってきた
源氏の銘刀「石切」を兵太夫に譲ります。

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ふたりは今度、源平が戦うときこそ、
互角の勝負をしようと約束します。

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重盛たちは、来るべき源平の合戦に思いを馳せつつ・・・
戦いのない世を願いながら、
これまでの戦死者の冥福を祈ります・・・

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Commented by yyama0525 at 2009-10-11 20:19
いきいきとした色と動き!素直でよい写真だと思います。
撮っていて楽しかったでしょう。

これらの文化や美意識は今でもすばらしいものですね。
子供歌舞伎はこちらにもありますが、私はまだ見たことがありません。
Commented by dendoroubik at 2009-10-11 20:57
☆capt.yamaさん

子供たちの動き・・・芸達者なこと、目を瞠りますね!

湯谷神社には三基の曳山があり、かつてはそれぞれの山で子供歌舞伎が演じられていたそうですが、少子化で現在は一基のみで演じられているとのことです。
経済的な負担や労力も、たいへんなものでしょうに、頭が下がります。

子供歌舞伎は、私も今回がはじめてで、どう撮ったらよいのかわからず、中途半端な写真です・・・
夜の舞台も見たのですが、こちらはストーリーもわかっていたので、なんとなくコツはつかんで撮ることができました(笑)
by dendoroubik | 2009-10-11 17:39 | ◇米原曳山まつり | Trackback | Comments(2)