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富山マイナー観光案内6 安宅の関 VS 如意の渡

そんなこんなで、義経一行は安宅の関へ。

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義経一向がが山伏に変装して奥州に落ちていくイメージは
『吾妻鏡』『源平盛衰記』『義経記』などからきていますが
安宅の関で勧進帳を読み上げる歌舞伎『勧進帳』や、その基になったお能の『安宅』のシーンは
原著にはなく、後世の創作といわれています。




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物語を要約すると・・・

①京都⇒逢坂の関⇒琵琶湖⇒敦賀⇒越前⇒安宅まで来た義経一行。
ここに新しい関所ができ、山伏を詮議しているという噂を聞き、強行突破も考えるが
まだ長い先のことも考えて、弁慶の一計に乗ることに。

②弁慶は尋問に対し、われらは奈良東大寺の再建のために北陸道につかわされた僧であると偽る。
あれやこれやの駆け引きの後、富樫が「ほんまの山伏やったら、勧進帳をもってるやろ!?」とキメる。
そんなもの持ってるはずのない弁慶が、巻物を取り出して弁舌鮮やかに勧進を読み聞かせるところが見せ場。

③みなが感心して通そうとするなかで、富樫は義経を見て「ちょい待ち」と引き止める。
弁慶は機転を利かせ「おまえがノロノロしてるから、あらぬ疑いをかけられるんや」
と、こともあろうに主人の義経を金剛杖でぶちのめします。
その迫力におそれをなし富樫は一行をみすみす通してしまう。

④難を逃れたものの、主人を嬲りものにしたと嘆く弁慶。
弁慶の機転を褒めながらも、はかない憂き世を嘆く義経。

⑤富樫が先ほどの失礼を詫びに、一行を追ってくる。云々。

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全国で唯一、「難関突破」の神様をまつっているそうです(なるほど)。巫女が勧進帳の説明をしてくれます。

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勧進帳を読み上げる弁慶。

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最初に『義経記』には勧進帳の話は出てこない、と書きましたが正確ではありません。

富樫も出てきますが、関守ではなく、ただの金持ちで
弁慶ひとりが押し掛けていって、寄進をしてもらう、という話になっています。
『義経記』では、富山の伏木にある如意の渡しで、富樫ではなく渡守平権守に
義経ではないかと怪しまれるところ、弁慶が加賀の白山より連れてきた御坊だと言って
疑いをはらすため扇で義経を打ちのめすという一節があります。

小矢部川河口の渡船場近くには、そのシーンの像が建っています。

(ただ、『義経記』からして平家物語』から100年以上後に、判官びいき丸出しで書かれたものなので
こちらがオリジナルの史実がどうかは、あやしいらしいです)。

左岸の高岡市伏木と右岸の射水市六渡寺とを結ぶ渡船は
写真後ろに見える「伏木万葉大橋」の開通により今年8月2日をもって廃止されることが決定したらしいです。

by dendoroubik | 2009-07-14 23:05 | ◇富山マイナー観光案内 | Trackback | Comments(0)