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小松お旅まつり その4

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「小松お旅まつり」は、ほかの曳山子ども歌舞伎にくらべ飛び抜けてイベント性が高く
そのことに少し不満を持つ気持ちもありましたが、最近はちょっと考えが変わりました。
豪華な曳揃えよりも、自町でおこなわれる狂言執行の情緒に魅力を感じていたことが
イベント性が高いことに対する不満の主因でしたけれど、そういった情緒もちゃんと残され
獅子舞が花を打つ風情や、神輿や御神楽の神事色も廃れているわけではありません。
イベントの華やかさに隠れて着目していなかっただけ、といえるかもしれません。

写真を撮るときは、観客が少ない方が都合がいいですが
でも、やっぱりお祭りは大勢のなかで見たい。 ガラガラだとちょっと寂しい。
できれば、その祭りを愛する熱心な観客に紛れて眺めていたいと思います。
小松の観客は、どこよりも芝居熱が高く(と僕は感じます)その嗜好は
イベント性が高くなっても薄れることがない、と気づいたことが考えの変わった理由です。




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金曜日は朝から踊り子(子ども役者)たちのお練りがあり
京町と大文字町の子ども歌舞伎を、それぞれ2度ずつ鑑賞して満喫できましたが
町はまだお祭りムードというものが稀薄。 ムードでいえばやはり土日ですね。

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「こまつ姫御前」さんたちも、金曜には登場しません(笑)

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土曜の朝、ホテルの窓から。 橋南の五基が曳揃えられてゆく様子です。

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土曜日には「こまつ曳山交流会館みよっさ」まえに五基曳き揃えられた橋南の曳山のまえで
「みよっさ 口上大会」というイベントもあります。
同じ時間帯に橋北の京町の狂言の上演がありましたのでそちらへ行き見られませんでしたが
大会に出場まえの子どもたちと「石川さん」(石川テレビのゆるキャラ)です。

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JR小松駅前の弁慶と富樫左衛門。

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小松市のイメージキャラクター「カブッキー」
『勧進帳』でお馴染みの安宅関を有するだけあって、小松市はあくまで弁慶押しです。

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小松ではGWに今年で21回目を迎える『日本こども歌舞伎まつりin小松』というイベントが開催されます。

全国の子ども歌舞伎を招いて上演される催しですが、小松の子どもたちは毎年『勧進帳』を演ります。
会場である駅前の「こまつ芸術劇場うらら」では、お旅まつり期間中、過去の記録映像が上映され
昨年『勧進帳』の記録映像を観てとても感銘を受けたこともあり、今回もまた覗いてみました。
昨年見た弁慶は女の子でしたが今回は男の子が演じた年の映像。 
感情の起伏を露わにした弁慶が新鮮でした。 そして、花道の飛び六法ではまた涙です。

「うらら」の杮落し公演でも弁慶を演じた十二代目団十郎が
小松の子どもたちの『勧進帳』を観て「目頭が熱くなった」と語った、というのもむべなるかな、です。

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名物 小松うどんにも弁慶の顔!

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お旅まつりの大きな楽しみのひとつは子ども獅子。

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各町に獅子舞があり、氏子町内をくまなくまわっていますので
とくに探そうとしなくても移動の途中でも出会えたりするのがありがたい。

小松を代表する建物(と僕が思う)「長保屋茶舗」さんにて、龍助町の子ども獅子。

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観光案内を読むと「歌舞伎は女の子。 獅子舞は男の子」とありますが
お囃子だけでなく舞っている女の子もよく見かけます。
長浜のシャギリの子どもたちを見ていて感じるのは
小学生くらいの女の子たちの音楽の才能・・・ここでもやっぱり同じことを感じます。

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中学3年生がアガリ。 リーダーです。 白いカッターシャツに黒の学生ズボン、雪駄履がたまらなくカッコいい!

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こちらは大人が舞う、龍助町の三人立ちの大獅子です。
解説によると、市内各地の獅子舞はこちらの獅子舞が手本になっているということです。

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『封印切』のとてもシリアスなシーンで「大事なこと言うの忘れるとこやった」
と八右衛門さんが取り出したのは「京町がつくった、めったに手に入らない手ぬぐい」です。
終演後に踊り子たちが配るステッカーを7枚集めてパンフレットに貼付し
曳山事務所へ持っていくと引き換えできるという趣向です。 僕も頂きました(笑)

他所では販売しているような豪華なパンフレットが無料配布されたり
餅撒きや手ぬぐい投げがあるのは小松の心意気、美風ですね。
祇園祭で粽撒がなくなったしまったのと同じようなことにならないように
観客側も配慮して、この美風がつづけられるように行動したいものです。



by dendoroubik | 2019-05-21 05:00 | ◇小松お旅まつり | Trackback | Comments(0)