生根神社 だいがく祭

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浪花の街が天神祭で賑わう7月24、25日、生根(いくね)神社(大阪市西成区玉出)では
「だいがく祭」という珍しい祭りがおこなわれています。

高さ20メートルはあろうかという「だいがく」はこの神社にしか残っていない珍しいもので
「大阪府指定有形文化財民俗資料第1号」に指定されていますが
折口信夫によると、かつては大阪の町に隣接する村々では夏祭りにどこでも出ていたのだそうです。
歌舞伎『夏祭浪鑑』「長町裏の段」の舅殺しのシーンでは
背景の町屋の屋根のうえを、いくつかの「だいがく」連なって通るという演出がお決まりだったとか。

当時の観客はこれをいかにも浪花の夏の風物詩と見たことでしょうが
現在の観客には何のことかわかりませんから、おそらくだんじりか何かに置き換えられているのでしょうか。




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担ぎ棒のついた台の中央に立てられた20メートルほどの丸太に
上から鉾、榊、御幣、円錐形に縫われた緋羅紗の天幕天幕と天幕を隔てる円形の額
それらの下に祇園祭の駒形提灯のような7段の額提灯が取りつけられ
太鼓が打ち鳴らされるなか「だいがく音頭」に合わせてくるくる回転させられます。

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それにしても、いったいこれは何なのでしょうか。

折口信夫『だいがくの研究』にも結論めいたことは書かれていませんが
提灯が取りつけられるようになったこんな経緯が古老の話として紹介されています。

ある年「住吉祭」にだいがくを担いで住吉へ出向いた帰り
日が暮れてきたので緯棒を取りつけてこれに提灯を列ねて帰ったのがはじまりだ、と。
つまり提灯は実用的な目的で後から取りつけられたもので
もともとは「住吉踊」に出てくる傘鉾みたいなものだったということでしょう。
折口はこの伝承の真偽については触れていませんが
あるとき突発的におこなわれたことが、カッコよかったり面白くて
次つぎに真似られているうちにあたかもそれが本流であったかのように伝わる
というのは祭りにはよくあることですから、突飛な話でもないように思います。
また一帯はかつて住吉大社の神領で「生根神社」も住吉大社摂社であった生根神社から
少彦名神の分霊を勧請して玉出産土神としたことにはじまる・・・といわれますので
もともと傘鉾が祭礼の神具として取り扱われていたとしても不思議ではありません。

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御札と紙製の「だいがく」のついた福笹が福娘さんによって授与されていました。

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・・・というわけで(笑)

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午後7時半、近くの公園で2基の「だいがく担ぎ奉納」がおこなわれます。

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狭い境内ではなるほどできない、迫力のある乱舞でした。

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大阪近郊の農村が市街地化し、電線が張り巡らされるようになったことが
「だいがく」が姿を消していった理由のひとつなのでしょう・・・

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1基は女性だけによる「女だいがく」

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御輿や曳山と同じように、かつては「だいがく」も女人禁制だったのでしょうが
最近は女性も祭りに参加するようになって、新しい風情を醸してします。

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サーヤリエー

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東西 エエ 南北 ヨイヨイ 静まり エエ 給え ヨイセアメセ

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ならば ナーエ これから音頭にかかろう

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ソコジャ ヨイヨーイ ヨイヨーイ ヨイヨイヨイ ソラ

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アレワイナ ハナ コレワイナ エー

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ヨ ヨイ トーナエー ヨ エーサジャ ヨイヤサジャ

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どこかで聞き覚えのある歌詞やメロディが散りばめられた ちょっとハイブリッドなお囃子です。



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by dendoroubik | 2017-07-26 21:00 | ◆摂津の祭 | Trackback | Comments(0)