2017年 05月 25日
垂井曳山まつり 中町 紫雲閣 『傾城阿波鳴門 どんどろ大師』
たんなる思い込みかもしれませんが
垂井の芸児(と子供役者のことをこちらでは呼びます)を見ていると
全般的にとても抑えの効いた品のよい演技をしているような印象を持ちます。
『どんどろ大師』は3年まえに小松 昨年 長浜で見て
それぞれの「お弓さん」がこれ以上ないとうほどすばらしいものでしたが
大仰なところのないストイックな垂井の「お弓さん」もとても魅力的でした。
お参りにきた仲良しの妙天さんと妙珍さん。
いっしょにお参りしようと誘っておきながら
すっかり忘れて出かけてきてしまったことに気づいて大慌て。
そのお弓さんが怒りながらやってきます。
妙天さんと妙珍さんがケンカをしだしたのを止めに入るうちに
なんとか丸く収まって・・・と、そこへ巡礼の少女が現れます。
問えば名はおつる。 4年まえに逐電した父母を探して巡礼しているのだといいます。
夜盗追いはぎをして大阪玉造に仮住居するおたずね者。
お弓の心は千々に砕けんばかり・・・
まるで本当の母であることを本能的に悟ったかのように
お弓に懐くおつるを抱きしめてやりたいと身悶えしながらも
娘のことを思って突き放すしかありません。