彌美神社の王の舞 前篇

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若狭に伝わる「王の舞」・・・とひと口にいっても一様ではありません。
地域によって踊りや装束もちがえば、長時間にわたって舞うもの
一連の神事のなかでごく短く舞われるだけのものもありさまざまです。

昨年、見せていただいた「国津神社」の祭りは
多彩な行事が輻輳し、とてつもなく美しく楽しいものでしたが
「王の舞」自体はあっという間に終わってしまうというものでした。

彌美(みみ)神社の「王の舞」は若狭の「王の舞」のなかでも
舞う時間も長時間にわたり、とりわけ優美なものといわれます。

いや、想像以上に美しくお祭り自体もとても楽しいものでした・・・




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彌美神社の例大祭は毎年5月1日。

18の氏子集落が参加し、それぞれ芸能などをご奉仕します。
いくつもの集落が参加するこういったお祭りは
壮麗で楽しいものが多いく、こちらのお祭りもその例に漏れません。

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現地に到着したのは午後9時過ぎ。

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最後の集落の行列が神社へ到着したところでした。

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すべての集落が揃うと、その報告をする「奉幣神事」なるものがおこなわれるそうです。

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つづいて午前10時より祭典。

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祭典の最後に「乙女の舞」が奉納されます。

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ご奉仕されるのは氏子集落のひとつ「南市」の少女たち。

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祭典がおわると、大神様の御霊を大御幣にお分けする「幣迎神事」という神事がおこなわれます。

これはこのお祭りの前半の見どころです。

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一本幣、七本幣、各集落の御幣、王の舞、獅子舞の順で参道を下って馬止めまで行列していきます。

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とてもスローに・・・悠然と行列します。

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行列が馬止めまでくると先頭の一本御幣が
待ち構えていた佐柿区の男衆が掲げる大御幣と対峙。
あくまでも厳粛な行列と男衆の楽しげな雰囲気の対比がおもしろい。

まもなく大御幣がゆっくりお辞儀するように下げられていきます。
と同時に一本幣も下がりお互い地面スレスレのところまで下がると
「よいしょ」という威勢のいい掛け声とともに
勢いよく両方の幣が天へ差し上げられます。

まわりから拍手喝采。

一本幣から大御幣にに御霊が遷されたことを意味するそうです。

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このお祭りでは神輿は登場せず、大御幣が縦横に駆け巡ります。

耳川上流の大日原のヨボの木に御神の御幣が天降り社に祀られた
という縁起をあらわしたもの、と神社のHPにあります。

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つづいて「王の舞」が大御幣が相対し拝礼します。

拝礼は仰向く形で3回行われるのですが
両者のタイミングがいまひとつ合わなかったりすると
まわりの男衆から「合おてないなぁ」とか
うまく噛みあうと「おっ、バッチリや」といった野次が飛びます。

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最後に、獅子が大御幣に大きく口を3回打って拝礼が終わります。

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獅子の幣迎えが終わると急激に状況が動き出します。

男衆が大御幣を抱えてやにわに参道を駆けのぼり
これを阻止せんと一方が押し返す「幣押し」がはじまります。

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大御幣を本殿に押し上げ納めようとするのが「上げ番」
阻止しようとする男衆を「下げ番」というそうです。

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正午まえからおこなわれる「大御幣押し」
「上げ番」と「下げ番」の一進一退はなんと午後4時頃まで延々とつづきます。

ここでいったん車へ戻り、コンビニ弁当を食べてしばし休憩しました。

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お昼休憩のあといちばんにおこなわれるのは拝殿での「浦安の舞」の奉納。

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新庄地区の女の子たちのご奉仕です。

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もちろんこの間も「大御幣押し」はつづけられています。

激しい揉みあいのためか大御幣は
いつしか原型をとどめず幣串だけになっていました。
知らない人が見たらいったいなにをやっているのか訝しむことでしょう。
ご当人方も「ショートコント御幣押し」などとおっしゃってました(笑)

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あんまり長くつづくものですから、もはや子供たちにも一顧だにされず・・・

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それでも人数を変え、交替しながら、あくまでも楽しげに幣押しがつづきます。

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神事ですから笑っちゃいけないのですけれど
いい年をした大人たちが酔っぱらって4時間もウダウダしている
(ように見える)姿・・・とても素敵だなあと思います(笑)

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石段をあがるときに上げ番は「上げ上げ」押し返す下げ番は「下げ下げ」の掛け声。
上がるかとみえたが再び押し戻され、鳥居、参道へと戻ってはまた石段へ・・・

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あるいは控えの間の壁へ激突・・・

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現地でお会いした清水さんによると
大御幣は男性のシンボルを表すともいわれるそうで
・・・とすればこれはさながら『太陽の季節』(笑)

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「上げ」「下げ」の掛け声はいつしか「上げ」「上げ」に変わり・・・

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肩車された御幣差しの稚児が扇を翻すと
いよいよ大御幣は石段を登りきります。

男衆によって稚児は大御幣に馬乗りにさせられ、担がれて拝殿を3周。
「今日はお前が主役なんやから胸張ってやれよ!」と檄が飛びます。

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そして大御幣は無事に本殿へ納められました。

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Commented by 清水 at 2017-05-06 20:33 x
神輿のない彌美神社
実はお隣の織田神社の氏子が盗んだそうです(笑)
神輿は5月11日に女ものの襦袢を着込んだ
若い衆に担がれて町内を練り歩きます

子供の演じる王の舞が舞台で奉納され
春祭りの王の舞は終わりを告げます
ご存知でしたらごめんなさい
Commented by dendoroubik at 2017-05-06 20:53
☆清水さん

神輿の話は初耳でしたけれどネットで調べてみると
彌美神社からソーッと神輿を盗んできた
・・・という言い伝えに由来する
「ソッソ」という舞が織田神社にはあるそうですね

神輿をソーッと盗むなんてことが
果たしてできるんでしょうか(笑)
おもしろいですね~~

今年の「王の舞」は彌美神社で見納めです
また来年からボツボツ見ていこうと思います
またそのときはご指南よろしくお願いします
Commented by ei5184 at 2017-05-07 05:46
何と、車中泊までして更に八尾まで回られていたとは、
最早、真似が出来ません(笑)
マタマタ珍しいお祭りを楽しませて頂きます。

昨日食博でsenbeiさんとお会いしました(笑)
Commented by dendoroubik at 2017-05-07 10:38
☆eiさん

こんなバカなことは真似されないでしょう(笑)

八尾の提灯山は聞名寺で手打ち式があって
それぞれの町へ帰って行きますので
諏訪町についていけばいちばん長く楽しめるかな
と思ったんですけれど 風の盆のときのような雪洞もなく
真っ暗で町並みの美しさは見ることができませんでした

さぎっちょ 盛りあがってたんでしょうね!
by dendoroubik | 2017-05-06 18:37 | ◆若狭の祭 | Trackback | Comments(4)