2017年 04月 21日
長浜曳山まつり 2017 青海山『伊勢音頭恋寝刃 油屋』
泣かせたり笑わせたりする芝居なら観客の反応を伺いつつ、どうやったらウケるかと手さぐりもできるでしょうけれど
大人でも勘どころの掴みにくいこんな難しい演目を見事に演じ切ってしまう子ども役者にまず瞠目させられます。
ゆえあって名刀「青江下坂」と折り紙(鑑定書)を探す福岡貢。
「油屋」の遊女、お紺は馴染み客の貢と相思相愛ですが
遣手の万野がお紺を探しにやってきます。
万野は貢が他の遊女に書いたというニセの無心状を見せたり
「青江下坂」も手に入り、横恋慕していたお紺が自分に靡くのに上機嫌の岩次。
これを見た貢は気色ばみますが、お紺は愛尽かしをするだけ・・・
端金を無心する貢の文が古市の色街に出回っているとか
女たちからさんざんに身に覚えのない非難を受けます。
遊女お鹿は無心状だけでなく貢からの恋文もあると見せ
お金も貸してこんなに尽くしているのに・・・と泣き落とし。
すべて万野が仕組んだデタラメなのですが
「油屋」にツケの溜まっている貢の立場は悪くなるばかり。
とうとうお紺は、お金が欲しいなら自分に頼めばいいものを
お鹿を騙すなんてあんまりだ・・・と貢と縁切りしてしまいます。
逆上した貢は、武士だった頃の癖で刀を抜こうとします。
甘えた振りしてちゃっかり自分のものにしてしまいます。
まんまと「青江下坂」を手に入れたと喜ぶ岩次。
しかし、よく見るとそれは「青江下坂」ではなく自分の刀。
刀を奪おうとする万野と刀の中身が替わったことを知らない貢。
題名の由来となった伊勢音頭の総踊りもありません)
確認するとまさしくホンモノ。
芸妓たちがにぎやかに伊勢音頭を踊る油屋の奥座敷。
そこで繰り広げられる刃傷沙汰・・・
片岡仁左衛門の福岡貢を何年か前に大阪松竹座でやっていましたね~
子どもたちの熱演で、忘れていたストーリーが蘇りました(笑)
秀太郎の万野で相の山から通し狂言で演ったやつですね!
そちらは見てないんですが この子ども歌舞伎はいかがでしたか?
華やかな伊勢音頭の踊りもなく
刃傷沙汰を凄惨に描くこともないのに
どうしてこんなむずかしい演目を選んだのかな
・・・といまでも不思議に思います
(とてもよかったとは思うのですが・・・)
歌舞伎好きの知人に教えてもらって気づいたのですが
今年の長浜は春(長浜城)夏(油屋)秋(紅葉狩)冬(八重垣姫)
キレイに四季が並んでいましたね
そのためにこの代表的な夏狂言が選ばれたんでしょうか(笑)
素晴らしいですね~
こんな難しい演技をよく子ども達が・・・
ますます子ども歌舞伎に~夏狂言の虜に・・・
機会があればまた行きたいと思います。
伝統に基づく芝居のおもしろさはもちろん
子どもが演じることのすばらしさもあり 楽しいですね~~
GWのご予定はもうお決まりでしょうけれど
岐阜県の揖斐川や垂井 富山県の砺波でも曳山子ども歌舞伎があり
5月12日からは石川県の小松で4日間「お旅まつり」がおこなわれます
ちょっと先ですが10月の体育の日前後には
滋賀県の「米原曳山まつり」でも子ども歌舞伎が見られます
曳山以外の子ども歌舞伎も関西や中部地方にはありますので
ぜひ ご覧ください~~(^-^