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百手の儀式 前篇

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寿永四年、壇ノ浦に滅んだ平家一門。

『平家物語』では、兄の経盛とともに入水したとされる門脇宰相 平教盛は
伊賀氏、矢引氏、伊賀氏らとともに隠岐対馬へ逃れゆく途次、嵐に遭遇し
断崖絶壁の打ちつづく山陰海岸、但馬の御崎(みさき)に漂着。
十七人がここに土着した・・・という「伝説」が香住にはあるそうです。

平家の落人伝説は全国各地にありますが但馬にも多く
とくに香住地区には、5ケ所もの平家伝承集落が残り
現存する門脇家、矢引家は土着した落人の子孫といわれます。

彼らが平家再興を期して密かにはじめた・・・とされるのがこの儀式です。




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兵庫県美方郡香美町、日本海側の香住区。
祭りは午後3時半からでしたので、はじめて訪れた香住を観光。

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丹波篠山あたりから香美町まで前週の大雪で銀世界でしたけれど、海岸沿いにはまったく積雪はありませんでした。
つよい風に吹きさらされてあまり積もらずその後の雨と晴天で残雪も溶けてしまったようです。

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海食崖の多い山陰海岸でも、とくに変化に富み、奇岩にも事欠かない香住海岸。

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鉄道にあまり・・・というかまったく興味はないのですけれどなんとなく餘部橋梁「空の駅」へ。
時刻表を見ると30分後に豊岡方面行が運行するようでしたので、ケン・リュウのSF小説を読みながら待つことに。

風もなくて、コートなしでも過ごせる陽気でした。

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舞台となる「御崎(みさき)」集落は、餘部橋梁から海岸線を4キロほどすすんだ山腹。

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海岸沿いの急斜面に、20戸ほどの民家が取りつくように軒を連ねています。
人口は80人ほど。小学3年まで学ぶ分校があり、たしかTVで見たときは、在校生が2名でした。
4年生以上はマイクロバスで、余部橋梁の下にある小学校へと通っているそうです。

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山陰線が開通する明治末期まで、御崎と餘部を結ぶ道はなく、移動手段はもっぱら舟。
平家の落人集落らしく「陸の孤島」と呼ばれたゆえんです。
車で行ったのですけれど、記憶のなかではまるで舟で渡ったような感覚が残ります。

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「百手(ももて)の儀式」のおこなわれる平内神社。

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さらにその先、200段ほどの石段を登ったところに日吉神社。

われわれの遠祖、平氏の守り神である山王権現を祀るこの神社を再建した
・・・というような内容が、社号標の裏に刻まれていました。

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午後から「百手の儀式」につかわれる弓、矢、的が手作りされてゆきます。
材料の竹は、すべて集落のまわりの林で調達されたもの。

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午後3時頃、儀式の主役の3人の青年が公民館で着替え。

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まもなくはじまります・・・

Commented by kanazawakomati at 2017-01-29 23:50
空の駅とはあの事故のあった余部橋梁のことですか?
あの頃は仕事で年に何度か下を通っていたんです
ずいぶん変わったのでしょうね…

・・・・・
的と弓矢ということは那須与一的な行事なのでしょうか?続編楽しみにしてます(^^)
Commented by senbei551 at 2017-01-30 04:00
またいいところで続きますね(笑
Commented by dendoroubik at 2017-01-30 07:30
☆金沢小町さん

鉄橋部分も一部 モニュメント的に残されていますが
痛ましい事故のあとコンクリートの橋梁に架け替えられています
以前の姿をご存じの方にはまったく印象が変わっているかもしれません

「前篇」は仰々しいはじまりですが
実は 行事自体はとても素朴で地味なものでした^-^;

それにしても「何度が下を通っていた」
・・・というお仕事がまったく想像できません(笑)
Commented by dendoroubik at 2017-01-30 07:32
☆せんべぇさん

もったいぶってるわけじゃなく 
長くなるので区切っただけです(^-^;
後篇は弓を射るシーンしか出てきません
by dendoroubik | 2017-01-29 22:00 | ◆但馬の祭 | Trackback | Comments(4)