日本の祭りinながはま 翁山「お園六三郎 浪華の春雨」

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2日目、曳山博物館まえで、四山組の狂言が執行されました。

午後から木之本会場に移動する予定でしたが
今年のクジ順通りに上演されたため
もう一度見たいと思っていた一番山、翁山の
「お園六三郎 浪華の春雨」だけは見ることができました。

寛延二年、大坂で実際におこった心中事件をもとに
描き下ろされ 大当たりをとった浄瑠璃を
のちに岡本綺堂が歌舞伎に脚色したという異色作です。

有名な歌舞伎でもなく
おそらく子供たちに何の教訓も与えないこんな作品を
しれっと演ってしまう長浜の懐の深さに脱帽です。




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  「こいつがおたずね者の赤格子九郎右衛門。
   見かけたら、きっとオレに知らせるんだぜ・・・」

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幼い頃に父が逐電し
母にも先立たれて孤児となった六三郎。
大工の親方庄蔵は、そんな彼を引き取って
一人前に育ててやろうと面倒を見る侠気のある男です。

遊女お園は大工の親方庄蔵の家へ訪れ
しばらく顔を見せなかった年下の六三郎を詰ります。

親方が帰ってきたのに気づき、慌てて納屋へ・・・

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と、そこへ現れたのは
逐電していた六三郎の父、赤格子九郎右衛門。

手を取り合って再会を喜び
長崎で大儲けしたから、いっしょに暮らそうと、
六三郎を連れて帰ろうとするのですが・・・

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親方は九郎右衛門がおたずね者であることを知っていて
人相書きを突き付けて九郎右衛門を大喝。

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「海賊の息子」と六三郎が後ろ指さされぬよう
せめて大坂では捕えさせまいと
親方は九郎右衛門を逃してやろうとしていたのでした。

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  「しっかり親方に奉公するんだぜ・・・」

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家を出た途端、捕り手の縄。それを切って逃れる九郎右衛門・・・

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響き渡る呼笛・・・

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  「大坂ばかりが日の射す場所じゃあるまい・・・」

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  「江戸の親方衆に言い添えてやるから
   ほとぼりが冷めるまでそこで修行するがいい・・・」

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父を追う呼笛と太鼓に脅える六三郎を慰めるお園。

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  「親方の言う通り、江戸で修業して
   帰ってくる頃には私の年期も明けているだろうから
   裏長屋にふたりで所帯を持って・・・」

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  「お前も男、必ず弱々しい気をもって下さるな。
   多寡が二年か三年の辛抱がならぬということがあるものか」

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  「どんな辛い辛抱もして、立派な職人になって
   戻って来るほどに、それまで待っていてくれ・・・」


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お園はいったん帰りかけるのですが・・・

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父を追う呼笛の音に怯える六三郎が心配で、すぐに引き返します。

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  「大坂しか知らぬこの弱々しい男を
   見も知らぬ遠い他国へ追いやって、
   たんと苦労させるのがいじらしい・・・

   苦労をする男も辛いには相違ないが、
   これから先、朝に夕にその苦労を思いやる
   自分の辛さもしみじみ思いやられる。

   そんな苦しい思いをした上で
   確かに末の楽しみがあるやらないやら・・・」

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ふたりが安堵して暮らせるのはあの世だけか・・・

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心中を覚悟して夜の町を駆け出すふたりに
浪華の花散らす しめやかな春雨蕭々・・・

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岡っ引きの手を振りほどき、ふたりを追いかける九郎右衛門・・・

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  「父の行くのを待っておれ」 

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赤格子九郎右衛門は捕えられて斬首。

心中した六三郎の骸を親方は引き取ろうとしますが
時の法律によって直ぐにはそれは許されず
父の首が梟さらされた同じ千日前の刑場に
三日のあいだ晒されたのち、ようやく親方のもとへ。

  「よくよく運が悪う生まれたのじゃ」

親方は男泣きに泣いたといわれます。
お園は身寄りもなく、骸は廓の主人に引き渡されたといいます。


by dendoroubik | 2016-11-04 20:22 | ◇長浜曳山まつり | Trackback | Comments(2)
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Commented by ei5184 at 2016-11-05 05:12
成程場所を変えながらの場面撮影ですね!
来年は前もって演目を確認して行きたいと思います。
色々な楽しみ方が出来そうな子ども歌舞伎でした!
Commented by dendoroubik at 2016-11-05 21:46
☆eiさん

数年前にラジオで 子どもの頃
長浜で女形をやった青年が話してたんですけれど
しばらくは役から抜け出せないんだそうですね
この芝居のお園ちゃんなんて きっとそうですね

15日の本日の最後 お旅所での演技は
どの子も神がかってますよ