上鴨川住吉神社の神事舞 後篇

c0196076_21004081.jpg

神事舞は大きく二部にわかれ『ホントウ』と呼ばれる前半部では
前回の「リョンサンの舞」「 獅子舞」「田楽」のほかに
「扇の舞」「高足」という多彩な芸能が披露されます。

後半は『七番の翁舞』・・・「いど」「萬才楽」「六ぶん」
「翁」「たからもの」「くわじゃ(冠者)」「父の尉」
そのあと番外として「巫女の舞」が舞われるのですが
前半とはちがいこれがとても難解です。

「翁舞」は能楽の原典ともいわれますが
現在よく見られる「翁舞(式三番)」とはまったく異なり
さらに古い・・・田楽能や猿楽能など様式を残している
・・・と考えられているそうで、難解なのもむべなるかな、ですね。





c0196076_21013756.jpg

「ホントウ」のつづき「扇の舞(イリ舞)」です

c0196076_21013703.jpg

「田楽」のメンバーが、ひとりずつ幼い順に扇を持って登場。

c0196076_21013706.jpg

太鼓の囃子に合わせて、片足で跳びながら舞います。

c0196076_21023833.jpg

「高足」は、ふたりの青年が順に登場して舞います。

棒で地面を捏ねまわすような仕草と
棒を蹴りあげるように横跳びを繰り返す不思議な動作は
農耕を表す身振りとも
中国から伝来した曲芸に由来するともいわれます。

c0196076_21032305.jpg

c0196076_21032386.jpg

ふたりとも同じ動作を繰り返しますが、最後だけちがいます。

ひとり目は棒の横桟に両足をかけて、倒れるまでピョンピョン飛び跳ね
ふたり目は、右手で扇を持ち、左足の指を横桟にかけてこれも倒れるまで旋回。

まわりから檄や野次が飛ぶ、とても楽しい雰囲気でした。

c0196076_21041575.jpg

『翁舞』最初の演目「いど」です。

c0196076_21032320.jpg

扇で中空に大なにかを描くような仕草と
つま先で地面を後ろへ掻き出すような身振りの繰り返し・・・

c0196076_01553439.jpg

c0196076_21051147.jpg

「萬才楽(万歳楽)」

両袖を合わせる達拝のようなポーズ以外、ときおり鈴を振だけ・・・

もともとがこういうものだったのか
それとも永きにわったって継承されているうちに
舞が簡略化されていったのかはわかりませんが
ここで演じられる能舞は、ほとんど動きらしい動きがありません。

c0196076_21041659.jpg

次は「六ぶん」になっていますが
これは垂れ幕の中で演じられていたらしく(あとから知りました)
外からは伺い知ることができませんでした。

c0196076_01553445.jpg

「翁」です。

c0196076_21055813.jpg

これもときおり緩慢な動きがある以外
ほとんどの時間が達拝して立ち尽くしているばかり・・・

c0196076_01553407.jpg

つぎは「たからもの」となっていますが
これがどれを指すのか、まったくわかりませんでした。
同じ翁面で、異なる曲を演じていたのでしょうか・・・

c0196076_01553583.jpg

「くわんじゃ(冠者)」。

c0196076_02265367.jpg

c0196076_01553455.jpg

「父の尉」。

c0196076_01553482.jpg

上鴨川住吉神社には「神事舞」に使用する5面以外に
用途の不明な7面の能面(尉面・冠者面・媼面・陵王面)が現存するそうです。

c0196076_21080096.jpg

さいごは番外の「巫女の舞」。

一転、鈴を振りながらの調子の早い舞になるのは
「巫女」の身振りをまねているのでしょうか・・・?

c0196076_22103381.jpg

「東には女はないか男巫女」

幕のなかから謡いが聞こえると、これに呼応するように

「女はあれどもおかみが嫌いで男巫女」

と若衆の合唱がつづきます。
掛け合いのようなこの謡が繰り返されるうちに能舞は終了。
意味はわかりませんが、どこかユーモラスな雰囲気です。

c0196076_21100967.jpg

能面、楽器を本殿へ納めます。

c0196076_22111419.jpg

能舞終了後、赤い化粧まわしをつけた幼児の相撲がありました。

c0196076_21124525.jpg

しっかり聞きとれませんでしたが
「東西両横綱」と呼ばれていたように思います。

c0196076_21124608.jpg

長男以外の「宮座」に入れない子どもたちは
「祇園座」といわれる別な組織に属します。

c0196076_21124695.jpg

さいごに、この子どもたちによる「神相撲」がおこなわれます。

c0196076_21124621.jpg


勝敗に関係なく「ご祝儀」が渡されますが
実力の伯仲した男の子どうしの真剣勝負などもあり
負けた方が悔し涙を流すような場面も・・・

c0196076_21124693.jpg

これで終了です。

c0196076_22381480.jpg

中世の田楽、能舞の遺風をよく伝えるものとして
重要無形民俗文化財に指定される「神事舞」

伝承されてきた歳月の重みに思いを致すと眩暈がしそうです・・・



トラックバックURL : http://gejideji.exblog.jp/tb/26031438
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ei5184 at 2016-10-05 08:11
本当に何時もながら良くぞ調べられていますね~
お蔭で知らない各地の神事・祭りを堪能させて頂けます。
こういう素朴な神事を後世に伝えるためには、
大変な労力と世代へ繋ぐ努力が一層必要なんでしょうね~
貴重なご案内を、ありがとうございました。
Commented by dendoroubik at 2016-10-05 09:16
☆eiさん

おわらの歌詞を調べても それで風の盆が楽しめるわけでなく
知らなくても楽しめることはまちがいありませんが
知っていた方がより味わい深くなるということも確かで
祭りのことを調べるのはその程度の動機に基づくものですので
書かれていることを信じたりなさらないでくださいね(笑)

ただ 後半の「翁舞」はまったく理解できず むずかしすぎて
正直「楽しむ」ことができませんでした
隣り合わせた 東京からお越しの音楽家の方は
祭りの「音」に耳を傾けて 録音などされていました
そもそも「音」を「楽」しむ耳の出来からして僕とはちがうのでしょうね(笑)
by dendoroubik | 2016-10-04 22:23 | ◆播磨の祭 | Trackback | Comments(2)