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上鴨川住吉神社の神事舞 前篇

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毎年10月第1土曜日(宵祭)日曜日(本祭)
兵庫県加東市上鴨川の、住吉神社で行われる「神事舞」(国指定重要無形民俗文化財)

700年以上にわたってこの地に伝承され中世の祭礼芸能の形態をよく留める
・・・といわれるこの祭りに興味をもったのは
若狭地方に濃密に分布する民俗芸能王の舞がおこなわれていると聞いたことからです。

播磨と若狭とは海岸線で繋がっているわけでもなく、そのあいだには丹波高地が横たわっています。
おこなわれる時期も春と秋・・・異なるふたつの神事がこれほど似通っているのはなぜなのでしょうか・・・




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「東条湖おもちゃ王国」から、さらに車で山道を登って10分ほど。
山里の集落の鎮守社、上鴨川住吉神社の創建は不詳。
室町時代中頃に再建されたという本殿(重要文化財)は屋根の葺き替えのため見ることができませんでした。

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本殿のまえに割拝殿。長床が本殿に向かって右側につづき、正面に舞堂。
本殿と舞堂のあいだには二股の木が立ち、たき火が焚かれています。

神韻渺茫とした趣きがあります。

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三々五々、祭員が集まり準備がはじまり、11時より杯ごとです。

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資料によると、この神事は厳格な世襲的宮座制度によって支えられ
これに入れるのは氏子のなかでこの地に生まれた長男のみとあります。

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もちろん女人禁制で、若衆の身繕いや炊事なども男性によっておこなわれます。

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枝豆2枚と御供を載せた打割で饗宴。

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杯ごとがおわると、本殿から舞堂に神事舞に使用される面や楽器などが運び込まれます。

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「ションサン舞(刀舞)」がはじまります。 演奏や謡は舞堂から聞こえてきます。

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紙でできた鳥兜、高鼻面をつけて太刀を佩いたいで立ち・・・

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鉾をもって舞う姿も王の舞そのものです・・・

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つづく獅子舞はとくに所作もなく、境内を駆けまわるだけで、あっという間におわります。

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播磨の獅子舞は太神楽系のものが多いそうですが
系統の異なる、ドラマティックなところのないこの獅子舞も若狭で見た王の舞を連想させます。

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そしてつづく田楽も・・・

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「ガッソウ」という半紙を撚り合わせた「幣(しで)」と呼ばれる冠。
渋柿染の千早を着て、ときおり跳躍しながら舞います。

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びんざさらに鼓、締め太鼓にチョボと呼ばれる鉦・・・

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「中門口」という番組だそうです。



Commented by 清水 at 2016-10-04 08:11 x
若狭の王の舞とほぼ同じですね
どちらが本家なのかは分かりませんが
ルーツは同じでしょうね
若狭は春祭りで奉納されることが多く
秋祭りで奉納されるのは現在は一か所だけです

意外なところで伝わるお祭りの
伝承経路を想像するのも楽しいですね
池田町水海の田楽能舞が頭に浮かんできました
Commented by dendoroubik at 2016-10-04 19:33
☆清水さん

たぶんですけれど 奈良か京から伝わったものが
それぞれで伝承されているということなのでしょうね
一方は若狭の広い地域で 一方は播州の一か所で
・・・というちがいがあるだけで

このあと能舞がつづくんですが
池田町みたいに世阿弥とかのストーリーのあるのでなく
それよりもっと古いものらしく
入り込むどころか まったく理解すらできませんでした(笑)

by dendoroubik | 2016-10-04 00:13 | ◆播磨の祭 | Trackback | Comments(2)