垂井曳軕まつり その3

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この春は、長浜の常盤山「妹背山婦女庭訓」
萬歳楼「傾城阿波の鳴門」
そして垂井の鳳凰山「野崎村」と、さながら近松半二祭り。

歌舞伎におされて浄瑠璃が不人気になるのを
苦々しく思っていたという近松半二は、
子ども歌舞伎で、これほど自作が集中して演じられることを、
どんな風に思っているでしょう・・・





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舞台は大坂にほど近い野崎村、百姓久作の家。

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娘(後妻の連れ子)のお光がかいがいしく働いています。
兄妹同然に育った大好きな久松と祝言させると聞き、
祝い膳のために、大根を刻みながらも、
手鏡をのぞいたり、ソワソワ落ち着きません。

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久松はもと和泉の国石津の家臣の遺児で、
故あって久作が預かって育てていました。
十歳のときから大坂の油屋や丁稚奉公に出ていましたが、
金の不始末の濡れ衣を着せられ、
久作の家へ戻されたところです。

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そこへ、鄙びた農家には似つかわしくない、
垢抜けた振袖姿の娘が訪ねてきます。

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久松が奉公する油屋の娘、お染です。

お染と久松は、道ならぬ恋仲。
山家屋への嫁入りの話がまとまるなか、
久松への思いを断ち切れないお染は、
死ぬ覚悟で、野坂参りを口実に訪ねてきたのです。

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これが噂に聞いた久松さんの恋人か
・・・お光はすぐに勘づいて動顛。
手鏡で大根を切っています(笑)

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お光は、お染を門の外に締め出します。

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事情が呑み込めないまま、なんとか久松に会おうとしますが・・・

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久作が出てきて、久松とお光でお灸をする場面になります。
締め出された門口から、お染は久松に合図を送りますが・・・

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それに気づいて怒るお光。

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お染に気をとられているお光に、
ヘンなところ灸を据えられ熱がる久作(笑)

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久作がお光を連れて一度引っ込み、
お染と久松の逢引場面です。

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どうしてここへ・・・と尋ねる久松に、
 
  わけはそっちに覚えがあろう。
  わしが事は思い切り、山家屋へ嫁入りせいと残しておきゃった、
  コレこの文。そなたは思い切る気でも、わしゃ・・・

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  ・・・と恨みのたけを 友禅の
  振りの袂に 北時雨
  晴れ間はさらに なかりけり

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お互いのためだと説く久松に、
思い詰めているお染は、それなら死んだほうがまし
と剃刀を取り出します。

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お染の一途さにほだされて・・・

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久松もいっしょに死のうと覚悟を決めます。

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事情を察した久作が出てきてふたりをなだめます。
「お夏清十郎」の歌祭文を引き合いに出して諭され、
その場は納得するふりはしますが、抜け出して死ぬ覚悟。

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ならば、この場で久松とお光の祝言を・・・

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とお光を呼ぶと、なんとお光は髪を切り、
袈裟を身にまとった尼となっていました。
自分が身を引けばふたりは死ぬことはないし、
末期の母の成仏祈願にもなると理由を語ります。

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それを見たお染は自分さえいなければ
とふたたび剃刀を取り出して死のうとしますが、
久作に押しにとめられて思いとどまります。

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  しょせん望みは叶うまいと、
  思いのほかに祝言の、
  盃するようになって、嬉しかったはたった半時・・・

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お染をこっそり母親が迎えに来ていました。

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お光のけなげさと久作の計らいを謝し、
久松とお染の仲を認めるといいます。

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口さがない人びとの目を慮って、
お染は寝屋川を舟で、
久松は母親が乗ってきた駕篭で陸路を帰ることになります。

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わずかな別れにも恋々と離れがたいお染久松。
厳しくそれを戒める母親・・・

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  お染様ご無事で、兄さんおまめで、もうおさらば・・・

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舟と駕籠で別々に帰るふたりを見送り・・・

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それまで気丈に振る舞っていたお光は、
ふたりの姿が見えなくなると・・・

  ととさん!

久作の胸に泣き崩れるのでした。

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お見事でした!

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つづいて「引窓」・・・
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Commented by tomo-tomo17 at 2016-05-13 17:34
久作の母です。
素敵なお写真をアップして頂きありがとうございます。
Commented by すぺいん人 at 2016-05-14 21:25 x
きゃ~♪素敵なお写真の連続!!!(≧∀≦)

お光が大根を鏡でトントンしちゃうトコロは可愛くて声出して笑っちゃいました♪

そして、
>しょせん望みは叶うまいと、思いのほかに祝言の、
>盃するようになって、嬉しかったはたった半時・・・
このセリフはすごく切なくて泣きそうになりました。

みんなが役にハマってて見ごたえが有って素晴らしかったですね♪(^^*)
Commented by dendoroubik at 2016-05-16 08:48
☆久作の母さん

こちらこそ すばらしい子ども歌舞伎を
ありがとうございました!
どの芸児さんも いいお顔をされて
バッチリ決まっていましたが
いちばんむずかしいのが久作さんの役柄
見事に演じられていて涙を絞られました

2回半見せていただきました

コメントいただきましてありがとうございます
Commented by dendoroubik at 2016-05-16 11:58
☆すぺいん人さん

お光ちゃん キュートでしたね~~(≧∀≦)

ホントに垂井は三題とも芸児さんが役柄にピッタリでしたね
先日小松へ行き役者たちはとても可愛かったんですけれど
この「ピッタリ」感はなかったです
同じ曳山子ども歌舞伎といっても
それぞれに異なる情緒があって楽しいものですね
by dendoroubik | 2016-05-12 06:27 | ◆美濃の祭 | Trackback | Comments(4)