長浜曳山まつり 2016 その4 傾城阿波の鳴門 どんどろ大師の場

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瀬田町組、萬歳楼は「傾城阿波の鳴門 どんどろ大師の場」

4つの当番山の演目は時代物、世話物がそれぞれ二山組。
世話物ふたつは、奇しくも大坂が舞台。
ひとつは父と息子の、ひとつは母と娘の再会の物語でした。




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振付はお馴染み市川団四郎師匠。

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そして、この芝居はなんといても主役のお弓さん。

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14日の宵宮、午前の自町狂言。
最初の執行場所へ曳行されてゆきます・・・

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この男の子は、もともと舞台方だったそうですけれど、
ふたりもいないだろうということで、
原作にはない目明し役になったそうです。

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「どんどろ大師」の縁日にお参りに訪れた
妙珍さんと妙天さんの仲の好い尼さん二人・・・。

このふたりが終始笑わせてくれます。

茶屋で一服しているとき、
妙天さんが大切なことを忘れていたのに気づきます。
昨晩、銭湯の帰り、偶然、近所のお弓さんと出会い、
どんどろ大師にお参りに行く約束をしたのでした。
それをすっかり忘れて、妙珍さんと出かけてしまったのです。

わたしがあんじょう言うたげるよって、
茶店の中に隠れてなはれ・・・と妙天さんを隠すのですが・・・

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案の定、立腹しながら、妙天さんとのいきさつを話すお弓さんに
「あんじょう言うたげる」どころか妙天さんをクソミソにコキおろし
「まあ!そんなお人とは見えまへんけどなあ」
・・・とお弓さんに呆れられる始末。

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金輪際、妙天さんとは口をききません・・・

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堪らず飛び出す妙天さん。

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取っ組み合いのケンカなったのを見兼ねて、
ふだん仲の好いふたりが自分のために
仲違いしたのでは申し訳ないとお弓さんが仲裁に。

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このあとも面白おかしいやり取りがつづきます。

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巡礼にご報謝~
巡礼姿の幼い娘が登場します。

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女の子のあまりの可愛さに、3人は一文ずつ報謝。
尋ねると、国は阿波の徳島、名はおつる。
3つのときに自分をババさんに預けて父母は行方知れず。
それから4年、父母を訪ねてひとり巡礼しているのだといいます。

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「こんな可愛い娘をババさまに預けて出てゆくとは人間やおまへんで」
「そうや! 鬼や!鬼やで!」
「蛇や!」
「スッポン!」
「ゲジゲジ!」

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阿波へのりこんで、この子の親に説教してやりますのや!
と息巻く妙天さんと、それを慰める妙珍さんのおかしなやりとり。

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ととさんの名は阿波の十郎兵衛。
かかさんの名はお弓と申します・・と聞いてびっくり。 

それはまさしく4年まえに生き別れたわが娘。

しかし、お弓には、母と名乗れぬ理由が・・・。

阿波の徳島藩 玉木家家老桜井主膳は、
主家の名刀国次の宝刀を悪人に盗まれ追放。
主膳にゆかりのある十郎兵衛は名を銀十郎と改め、
妻お弓とともに名刀の探索の旅へ。
歳月が流れ、路銀を使い果たした二人はいまは目明しに追われる身。

いまここで母と名乗れば、この娘に災厄がかかる・・・

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父母のことを恨むでもなく、恋しさを訴え
幼い身のひとり旅のつらさを語るおつる・・・

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見る母はたまりかね・・・
いっそ打ち明け名乗ろうか・・・
イヤイヤ、それではこの子も同じ罪・・・

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マア、ちょっと抱きたい・・・
どうしようーなー

百千いろの憂き思い、二つの目には玉光、天を・・・・・泣き入ったる・・・

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達者でいたなら、いずれ母さま、父さまに会える日もこよう。
もうもう思いあきらめて、早う国へ帰るがよいぞえ。
・・・引き裂かれるような思いで、そう言い含めるお弓・・・

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泣きながら親身になってくれる弓が、
本当の母のように思われてか、
おつるは、何でもしますからそばに置いてください、と迫ります。
頼みます。拝みまする
・・・と手を合わせるわが娘に、お弓は心も消え入る思い・・・

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悲しい別れ・・・

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ととさんや、かかさんに・・・
  会われることぞ、会わしてたべ・・・
南無大悲の観音さま
  ちちははの、恵みも深き、粉河寺・・・

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阿波の十郎兵衛を追う目明しの登場にひっくり返しる妙天さん。

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思えば・・・

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登場から退場まで、笑わせるセリフしか言わない妙珍妙天さん(笑)

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これが一世の別れかいのう・・・

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おつる、堪忍してたも。
そなたが訪ねる母は・・・ワシじゃ・・・ワシじゃわいなあ・・・

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イヤイヤ、どう思いあきらめても、
いま別れてはまた会うことはならぬ身の上。
たとえ難儀がかからばかかれ。
追いついて、連れ戻そう。オオそうじゃ、そうじゃ。

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そうじゃそうじゃと子に迷う、道は親子の別れ道
あとを慕うて・・・

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おつる・・・やーい

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訪ねゆく・・・
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3年前の当番の瀬田町組の演目は「壺坂霊験記」。
これを見て感動した小松お旅まつり「京町」は、
自町でもこれを演りたいと団四郎師匠にリクエスト。

どちらもすばらしかったです。

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2年前の小松お旅まつり「寺町」で上演された
「傾城阿波の鳴門 どんどろ大師の場」が、
今度は瀬田町組からのリクエストで、
団四郎師匠振付で今回、長浜で上演されました。

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小松で、主役の「お弓」を演じた女の子が、
これ以上ないというくらいすばらしかったからでしょう、
団四郎師匠からは、

  「この芝居をやるんならお弓を探しなさい」

・・・という指示があったそうです。

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千秋楽で団四郎師匠は、
「自分が手掛けたなかでも最高傑作になった」
とおっしゃっていました。

他の役者も、バッチリ決まっていました。
が、もしこのお弓さんがいなければ、
そうまでは言われなかったかもしれません・・・
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Commented by すぺいん人 at 2016-04-27 23:13 x
写真見て泣きそうになりました(:;)

お弓、素晴らしかったんですね~☆
今年は長浜は休みに全く合わずであきらめてたんですが、dendoroubikさんの記事を読んだら・・・現地で生で見たかった~!!!(><)

長浜へ3回目に行った時に、長浜市の観光課の方?「小松でも曳山の子ども歌舞伎が有って~」と教えて貰ってその年に小松へ行ったんですが、、、
こうやってそれぞれの演目を見て感動して、「自分の町でもやりたい!」ってなって、そちらがまた素晴らしい舞台になる・・・というのはすごい事ですね!
Commented by dendoroubik at 2016-04-28 12:16
☆すぺいん人さん

僕も泣きながらブログ記事をつくりました(笑)
小松のお弓ちゃんは いまでも思い出すくらいすばらしかったですけれど
このお弓ちゃんも 勝るとも劣らぬ光彩を放っていました

せんへぇさんから 気になる噂を小耳にはさみました
団四郎師匠は今年が最後かも・・・と
長浜が なのか 3年後の萬歳楼がなのかはわかりませんが
そんなことあってもいいのでしょうか(号泣)
Commented by お鶴の父 at 2016-04-28 22:26 x
ありがとうございました。記事を見させていただき感謝、感動しております。
10月29日,30日にもう一度ご披露させていただけると思います。
どうぞ長浜へお越しくださいませ。
Commented by dendoroubik at 2016-04-30 03:55
☆お鶴の父さん

こちらこそすばらしい子ども歌舞伎を見せていただき
ありがとうございました
ご子息の熱演には幾度となく涙を絞られました
千秋楽で団四郎師匠から化粧品のニオイがダメだったり
最初は子役のあの声が出せなかったりしたなかで
がんばってやり遂げられたお話があり ジーンときてしまいました

「日本の祭り」で再演されるのですか!
それはぜひともお伺いさせていただかねば!

コメントいただきまして ありがとうございます
by dendoroubik | 2016-04-26 21:39 | ◇長浜曳山まつり | Trackback | Comments(4)