長浜曳山まつり 2016 その2 お園 六三郎 浪華の春雨

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寛延二年、大坂でおこった遊女お園と馴染み客の大工見習い六三郎の心中事件を中心に
豊文助ら4人の浄瑠璃作者たちが、週刊誌なみのスピードで描き下ろして上演。
大当たりをとった浄瑠璃「八重霞浪花浜荻」。
のちに岡本綺堂が歌舞伎に脚色したのがこの「心中浪華の春雨」です。

新聞によると、昔「中歌舞伎」という、全国を巡業する歌舞伎のプロ集団があり
その人気演目のひとつだったそうですが、近年はほとんど上演されることがなく、
長浜でも初登場・・・という、珍しい舞台です。




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慶びありや~

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一番山を引き当てた翁山では、三番叟が舞われます。

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お園は大工の親方庄蔵の家へ訪れ、しばらく顔を見せなかった年下の六三郎を詰ります。
親方が帰ってきたのに気づき、慌てて納屋へ・・・

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幼い頃に父が逐電し、母に先立たれて孤児となった六三郎。
彼を引き取って面倒を見る親方庄蔵は侠気のある男です。
お園とのことも勘づいてはいても見て見ぬふり。

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そこへ現れたのは、逐電していた六三郎の父、赤格子九郎右衛門。
手を取り合って再会を喜び、長崎で大儲けしたから
いっしょに暮らそうと、六三郎を連れて帰ろうとするのですが・・・

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「六三を海賊の子と呼ばせたいのか」

・・・と親方は人相書を突きつけます。

自分を突き出して懸賞金を得るがよい
と観念した九郎右衛門を親方はふたたび大喝。

「金が欲しいのではない!」

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六三郎が後ろ指さされないよう、せめて大坂では捕えさせまいと
親方は九郎右衛門を逃してやろうとしているのでした。

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「大坂ばかりが日の射す場所じゃあるまい・・・」

江戸の親方衆に言い添えてやるから、ほとぼりが冷めるまでそこで修行するがいい
親方がそういって六三郎を慰める姿を見て九郎右衛門は

「しっかり奉公するんだぜ」

言い残して家を出た途端・・・

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捕り手の縄。それを切って逃れる九郎右衛門。

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父を追う呼笛と太鼓に脅える六三郎を慰めるお園。

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親方の言う通り、江戸で修業して帰ってくる頃には
私の年期も明けているだろうから、裏長屋にふたりで所帯を持って・・・

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でも、きっと江戸で女遊びなんてしないでおくれ・・・

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浪華の花を散らす春雨しめやかに・・・

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お前も男、必ず弱々しい気をもって下さるな。
女でも生まれ故郷を離れて行く者はたんとある。
それを思えば男の身で、多寡が二年か三年の辛抱がならぬということがあるものか。

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どんな辛い辛抱もして、立派な職人になって戻って来るほどに
それまで待っていてくれ・・・そんな男らしい口ぶりとはうらはらな六三郎の涙。

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鳥でさえも旅鴉はいじめられる・・・
いったんは家を出たお園は、六三郎が心配になってすぐに戻ってきます。

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大坂しか知らぬこの弱々しい男を、見も知らぬ遠い他国へ追いやって、たんと苦労させるのがいじらしい・・・

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苦労をする男も辛いには相違ないが、これから先、朝に夕にその苦労を思いやる自分の辛さもしみじみ思いやられる・・・

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そんな苦しい思いをした上で、確かに末の楽しみがあるやらないやら・・・

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ふたりが安堵して暮らせるのはあの世だけか・・・

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浪華の町を駆け出すふたりに、夜の春雨蕭々。

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「父の行くのを待っておれ」 後を追う九郎右衛門。

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親方は心中した六三郎の骸を引き取ろうとしますが、時の法律によって直ぐに引き取ることを許されず
父の首が梟さらされた同じ千日前の刑場に、三日のあいだ晒されたのち、ようやく親方のもとへ。

  「よくよく運が悪う生まれたのじゃ」

親方は男泣きに泣いたといわれます。
お園は身寄りもなく、骸は廓の主人に引き渡されます・・・

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Commented by すぺいん人 at 2016-04-27 22:54 x
三番叟のあとに心中物かぁ~。。。(笑)

初めて知った演目ですが、これを小学生男子がやっているとは・・・(^^;)

親方、良いですね~♪親方っぽい!
そして六三郎が見た目から上方の雰囲気を持っていてこれまた良い感じですね!
三番叟のすぐあとのお園の写真にドキッとしました♥
Commented by dendoroubik at 2016-04-28 12:15
☆すぺいん人さん

「よろこびありや~」のあとによろこびのない物語(笑)

ここの子ども役者は キャラが立ってよかったです
上方っぽい柳腰の六三郎に艶やかさを濃厚にまとったお園
六三郎の父親もカッコよかった
なにより親方は近頃ドラマでも見かけないほどの貫録
登場するだけで歓声があがってました(笑)
by dendoroubik | 2016-04-24 23:19 | ◇長浜曳山まつり | Trackback | Comments(2)