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まじゃらこ

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滋賀県近江八幡市西老蘇(おいそ)。

旧中山道沿いの集落に鎮座する鎌若宮神社で
毎年1月8日「まじゃらこ」・・・という、奇妙な語感をもつ
およそ1000年ほどもつづくといわれる行事がおこなわれています。




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滋賀県の湖南、湖東地方の農村でよく見かけるものに「勧請縄(勧請吊)」があります。

集落の入口や神社の参道に、注連縄のように架け渡された長い綱。
中央には、椿の葉を束ねてつくられた
クリスマスリースのような「トリクグラズ」と祈祷札。

最初見たときは「なんだ?」と思いましたが、
外からの集落への疫神の侵入を防ぐためのもので
その取り換えが、年頭行事としておこわれています。

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集落の入り口に張り渡される勧請縄は
両端に架ける大木がなくなったり
あるいは、交通の障害になったりして
このようにくるりと巻きあげて
片方の木に結わえつけられるものが多くなったそうです。

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その朝、集荷場で氏子たちによってつくられた勧請縄。

向かって右側の、藁を編みあげたもの(3メートル)は
集落の入り口にあたる津島社にとりつけられ
左側の椿の葉を編みあげたリース様のもの(15メートル)が
鎌若宮神社の参道に張り渡され「まじゃらこ」の行事の主役となります。

綱の下に吊るされた紐は「アシ」と呼ばれ
1年を表わす12本・・・取りつけられるのですが
今年は閏年なので、左に6本、右に7本の計13本。

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「天下泰平」と書かれた木札の裏も閏年仕様。
「一月」から「十三月」までが書かれています・・・

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午後3時より神事。

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そのあと、3メートルの勧請縄が
氏子さんたちによって津島社へ運ばれ・・・

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つづいて15メートルの勧請縄が
子供たちによって鎌若宮神社へ運ばれてゆきます。

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中山道を北上・・・

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宮司さんの書かれた解説によると
勧請縄の呼び名は地域にいってさまざまで
栗東町観音寺では「ナワ」 甲南市稗谷では「ツナ」
蒲生町大森では「オオツチ」 
野洲市甲冨波、乙冨波では「ジャナワ」と呼ばれるそうです。

西老蘇では「マジャラコ」。

「魔邪羅講」という漢字が当てられます。
「羅」という漢字には「アミで鳥を捕える」の意味がありますので

  「鳥のように侵入する邪悪な魔モノを捕える行事」

・・・というようなことを表しているのかもしれませんね。

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とすれば、中央のリース様の「トリクグラズ」
・・・は「鳥潜らず」の意味でしょうか・・・

ただ、縄が頭と尾をもった蛇に見立てられているのは確かで
「魔蛇羅講」と表記されることもあります。

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15メートルの勧請縄が到着。

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参道に渡された青竹に勧請縄が取りつけられ・・・

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3メートルほどの高さに吊りあげられます。

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魔除けの小枝。

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神事のあと、子供たちが順番に
トリクグラズの中央に吊られた懸札へ向け
石を投げつけてゆきます。

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板が割れると願い事が叶い、その一年、息災に過ごせるといわれるのです。

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見事射抜いた子供は、地元マスコミ(笑)のインタビューを受け
夕方のTVニュースや翌朝の新聞に登場します。

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子供たちが投げる、大きさの揃った黒い石。
回収されるのを見ていると、本殿前の敷石でした・・・

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勧請縄は四月まで飾られ、松明として燃やされるそうです・・・
by dendoroubik | 2016-01-12 18:41 | ◆近江の祭 湖東 | Trackback | Comments(10)
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Commented by ei5184 at 2016-01-12 19:19
これは又 珍しい行事を拝見しました。
1000年の歴史がありますか!
子ども達が 如何にも楽しそうです(笑)
Commented by dendoroubik at 2016-01-12 20:36
☆eiさん

木札を石で割る行事はともかく
勧請縄じたいは いずれの地区も
1000年以上つづいているものなのでしょうね

最初に割った子供は名前入りで
新聞やテレビに出れるからか けっこう真剣でした(笑)
Commented by nararanran at 2016-01-12 23:15
こんばんは

いつだったか旧中山道の道をず~っと通ったコトがあったんです。
集落ごとにお寺さんや神社さんがあり
有りがたく信仰心の大切さを感じながら通らせていただきました。
きっと、その中の一つの神社さんの神事やと思います。

いつも思いますが、永久につづいて欲しいと思います。
Commented by dendoroubik at 2016-01-13 03:08
☆らんさん

滋賀県内の中山道も北の方へ行くと
古色を残したところがありますね
アスファルトと電柱さえなかったら
時代劇のロケでもできそうな(笑)

街道沿いには お祭りや民俗行事
そして 飛び出し坊やもいっぱい!
Commented by 沙都 at 2016-01-15 22:37 x
よく前から撮影されましたね。
子供が本気で投げるので石がどこに飛んでくるか…
昨年、撮った時、怖かったですもん。
Commented by dendoroubik at 2016-01-15 23:38
☆沙都さん

石灯籠の上からで しかも前には
新聞社の人がいて盾になってくれてました(笑)

ニュースにしやすいからか
NHK以外の滋賀県の新聞TVは皆 来てました
一般の見物人は ほとんどいないのに(笑)
Commented by りんごの里から at 2016-01-16 18:02 x
こんにちは。
素朴なお祭り、子供たちには忘れられないことでしょうね。みんな良い顔していますね。
こういう行事のあるところの子供・大人は地元を愛する大人になること間違いなしですね。素晴らしいお祭りを見せていただきました。
Commented by dendoroubik at 2016-01-17 00:34
☆りんごの里からさん

こんばんは!

子供がたくさん参加する行事や祭りはいいですね
ご年配の方々だけが担われているのを見ると
せっかくのいい祭りなのに 今後どうなるのかな
・・・と おせっかいな心配をしてしまいます
この行事は 的を当てるとテレビに出られる
・・・という特典(?)があるからか けっこう真剣です(笑)
貴地の獅子舞・・・理想的な行事ですよね
Commented by すぺいん人 at 2016-01-25 22:07 x
こんばんは☆
「まじゃらこ」という響きが素敵!!
なんだか神秘的で不思議な響きで有りつつ、親近感のわく音ですね♪♪♪
子供たちが本気で石を投げている姿がまた良いですね♪♪♪

数年前に奈良県内の山あいの集落に入った時に、この勧請縄の様なものを見たことが有ります。
「トリクグラズ」は無かったのですが、道の両端の木に注連縄のように渡して有って、、、場所的に山の中で近くに家が無かったから、
その時は「もしや入ったら戻れないアナザーワールドに入り込んでしまったのではないか!?」と不安になりましたが。。。
もしかしたら、湖南・湖東で見られる勧請縄の様に、悪いものを中に入らせない様にとの願いがかけられたものだったのかも・・・と思いました。
Commented by dendoroubik at 2016-01-25 23:22
☆すぺいん人さん

明日香村の栢森の女綱をはじめ
奈良の勧請縄は有名ですよね
でも遭遇度で言うと 滋賀県の方が確率が高いかも・・・
県内の勧請縄の写真を集めた本も出版されてるくらいです(笑)

入ってきて欲しくない災厄というのは
おそらく伝染病のようなものなのでしょうけれど
思えば夏祭りの大半は同じ目的で行われてますね
伝染病のリスクが減少した現代には
PCウィルスや放射能を防ぐ勧請縄や祭りが必要です(笑)