人気ブログランキング | 話題のタグを見る

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11491744.jpg


これも5年まえにUPした記事のリメイクです。

五箇山の合掌造り集落が白川郷とともに、ユネスコの世界遺産に登録されて20年を記念して
県内外の民謡を集めたイベント「五箇山民謡祭」が開催されました。 2015年のことです。
当初は五箇山の「合掌の里」ステージだけでおこなわれる予定だったようですが
観光客に合掌造りを背景に五箇民謡を見てもらおう、ということで
「菅沼合掌造り集落」にサブステージが設けられ、五箇山の団体が出演しました。

そのうち「五箇山こきりこ唄保存会」さんの「こきりこ節」です。




五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11502106.jpg

柳田國男から「こきりこ節」のことを教わった詩人の西条八十は、昭和5年、採譜のために越中五箇山を訪れます。
18世紀初頭前後に著された『奇談北国巡杖記』などの古文献の記述から推し量ってこの唄は
古代から田楽として歌いつがれてきた、と考えられていたのです。 歌詞なども文献には残されています。
が、すでにこの唄を伝承する人はなく、長らく「幻の日本最古の民謡」といわれていました。 それから約20年後・・・
五箇山民謡を採集していた地元小学校校長、のちに「越中五箇山こきりこ唄保存会」初代会長となる高桑敬親が
上梨地区に住む、山崎しいという老母の唄を採譜、発表。これが、中学の音楽の教科書にも載っている「こきりこ」の唄です。

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11502686.jpg

こきりこの竹は 七寸五分じゃ 長いは袖の かなかいじゃ  
窓のサンサも デデレコデン  ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_12322409.jpg

踊りたか踊れ 泣く子をいくせ ササラは窓の許にある
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11511163.jpg


五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_12330539.jpg

向いの山を かづことすれば 荷縄が切れて かづかれん  
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11510210.jpg

向の山に啼く鵯(ヒヨドリ)は 啼いては下がり啼いては上がり
朝草刈の目をばさます 朝草刈の目をさます   
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_12334973.jpg

月見て歌ふ放下のコキリコ 竹の夜声(よごえ)の澄みわたる
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_12331389.jpg

万のササイ放下すれば 月は照るなり霊祭(たままつり)
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11493951.jpg

波の屋島を遁れ来て 薪樵るてふ深山辺に
烏帽子 狩衣脱ぎ棄てて 今は越路の杣刀(そまがたな)  
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11494578.jpg
  
娘十七八 大唐(たいとう)の藁じゃ 打たねど腰がしなやかな  
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_11495052.jpg

想いと恋と笹舟に乗せりゃ 想いは沈む 恋は浮く   
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

五箇山民謡祭 越中五箇山こきりこ唄保存会_c0196076_12342257.jpg

イロハの文字に心が溶けて この身を背子(せこ)に任せつれ  
窓のサンサも デデレコデン ハレのサンサも デデレコデン

Commented by yyama0525 at 2015-06-13 07:22
コキリコ いいですね~

撮り放題という環境もいいですね
めったにない機会だったんですね
貴重な写真です

島国に大陸文化が輸入されてのを直感されたことしょう
Commented by mahoroba-shahai at 2015-06-13 08:03
「こきりこ」の唄
この唄にまつわる話は、興味深いですね!
地道な採譜があればこそ・・・・・
Commented by dendoroubik at 2015-06-13 12:28
☆Capt.yamaさん

当初は合掌の里のステージだけの予定だったそうですが
菅沼集落にお住まいの委員会の方が
「観光客に合掌造り集落での演舞を見せてあげたい」
ということで地元の6つの団体の演舞が実現したそうです

「鳥も通わぬ」
・・・僻地だとされますが 民謡ひとつをとっても
日本海や峠を越えて 各地から情報や文物が
交通していたことがわかりますね・・・
Commented by dendoroubik at 2015-06-13 12:38
☆まほろばさん

あんまり講義にも出ないダメな学生でしたが
たまたま出席した(笑)講義で ある講師が
こんなことを言ってたのが忘れられません

「アリストテレスは地球が太陽のまわりを
まわっていることを知らなかった。
君らがそれを知っているからといって、
アリストテレスよりエライと思うのは勘違いです。
知らないより知ってる方がいいには決まってますが、
大切なのは、知ろうとするときの精神の動きの大きさなのです」

netがあると「知らないこと」は飛躍的に少なくなりはしますが
反比例して この精神の動きが委縮してしまっているように思います


Commented by shinrajuku at 2015-06-14 10:35
こきりこが今の世にあるのは
しい婆ちゃんと校長せんせいのお陰だったのですね。
そして今は保存会の方々が次世代に引き継いでいっておられる。
人から人へ受け継がれる想いにあらためて感動です。
Commented by dendoroubik at 2015-06-14 11:53
☆shinrajyjuさん

こういう話を聞くと・・・ 
不伝承を免れた奇跡に胸を撫で下ろすと同時に
それ以上の無数の忘れ去られたものがあることに
ちょっと慄然としてもしまいますね

しい婆ちゃんも 年寄りからこの唄を教わったそうですが
その爺さんは2本キセルを振り廻しながら歌っていたそうで
その不思議な光景が浮かび 脳裏から離れません(笑)
Commented by tad64 at 2020-04-28 16:01
五箇山は白川郷と一緒に観光させて頂いたことがありますが、このような行事があるなんて知りませんでした。
とても素朴で良い感じですね。拝見させて頂きありがとうございました。
Commented by dendoroubik at 2020-04-28 18:01
☆タッドさん

このイベントは1回切りだったんですけれど
五箇山では毎年秋に 麦屋まつりとこきりこ祭
という民謡のイベントを演っています
白川郷のどぶろく祭も盛大で楽しかったです(^-^
この他にも 富山県では民謡行事に子供や若者が参加してて
関西では ありえないなあ と感心します
by dendoroubik | 2020-04-26 17:13 | ◆越中の祭 呉西 | Trackback | Comments(8)