三重生神社 うしの祭り

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応神天皇の四世孫、彦主人王とその妃、振媛を祭神とする
滋賀県高島市安曇川町常盤木の三重生神社。

「三重生」と書いて「みえう」「みおう」と読むようですが
「みょう」と呼び習わされているようです。

彦主人王と振姫は、男大迹王・・・26代、継体天皇の父母。

4月29日・・・
(明治維新以前は、ふたりの命日とされる2月18日)
「うしの祭り」と呼ばれる例祭がおこなわれます。



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明治35年、県道改修工事のおり、滋賀県高島市鴨の狐塚から
横穴式石室と刳抜き式家形石室が発見されました。


石棺は、周濠を有する全長60メートルの前方後円墳に収められており
未盗掘だったため、棺の内外からは、金銅製の冠など
豪華絢爛たる副葬品が発見されました。

古墳の造営時期は6世紀前半。
同じく豪華な副葬品で知られる斑鳩の藤ノ木古墳に先立つこと半世紀以上。

被葬者はいったい誰なのか・・・?

当時、この辺り一帯を支配し
北陸から興った男大迹王(継体天皇)の登極を強力にバックアップした氏族
三尾氏の首長・・・というのが、有力説です。

「日本書紀」によると
継体天皇は、父、彦主人王(ひこうしおう)が、
「近江国高島郡三尾之別業(別邸)」から
越前三国の坂中井(福井県坂井市三国町)に使いを遣わして
振姫を妃として迎え生まれたとされています。

ここに登場する「高島郡三尾」が、現在の高島市三尾集落一帯と考えられています。
「鴨稲荷山古墳」も、ここに含まれています。

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「鴨稲荷山古墳」から、北へ300メートルほどすすむと
継体天皇のへその緒をおさめたといわれる「胞衣塚」なるものもあります。

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さらに北へ3キロほど行った安曇川町田中には
40基以上の古墳が点在する「田中古墳群」あり
そのなかで最大の「田中王塚古墳」が、継体天皇の父
彦主人王の陵墓参考地とされています。

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「田中王塚古墳」のある小高い丘の北麓に
常盤木の集落と、三重生神社があり、ここがこの祭りの舞台です。

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午前中、子供神輿の渡御がありました。

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「鴨稲荷山古墳」が、継体天皇を擁立した三尾氏の首長の墳墓である可能性は高い
といわれるのに対し、「田中王塚古墳」が彦主人王の墳墓である根拠は乏しい
という風に考える人も多いようですが、地元ではこれを「王塚」、あるいは「ウシ塚」
と呼んできたという、根強い伝承があります。

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乏しい根拠にもかかわらず、
陵墓参考地に指定されているのは、逆に
この伝承の根強さによるといえるかもしれません。

神社の案内板には、このような伝承が記されています。

振媛が出産のおり、彦主人王の夢に
三尾大明神のお告げがあったのだといいます。

  この度天より授かる子は
  天孫の大いなる迹をふむべき男子なり

そこで山崎社(三尾神社)の拝殿を産所とし
彦人、彦杵、彦太の三子を安産されたといいます。

「三重生」の名の由来です。

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御子が5歳の時、父彦主人王が亡くなり
振姫は長男の彦人をこの地に残し、二男彦杵と三男彦太を連れて
越前の高向館に帰りました。

13年後振媛も亡くなりました。

長男の彦人王は、刺史となって北越五カ国を治め
三男の彦太尊は、後に26代継体天皇になりました。

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「うしの祭り」の名は、彦主人王に由来すると思われますが
以前は、本物の牛馬が登場する「神牛神馬の宮巡り」という行事もおこなわれており
これが祭りの名の由来だという人もいます。

ちなみに、平成19年の継体天皇即位1500年の年には
「神牛神馬の宮巡り」が再現されています。

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丑の守。額に「一」の文字。

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午後1時過ぎ、社務所で直会がおこなわれます。

奥の午の守の額には「八」の文字。

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これが・・・ものすごく長い(笑)
3時頃までつづきます・・・

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途中、白い象とお釈迦様を載せたお寺さんの軽トラが
花まつりの歌をスピーカーで流しながら通りすぎます。

直会に参加している子供たちも
たまらず中座して、お菓子をもらいに駆け出します。

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不思議な光景でした(笑)

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神饌を先頭に、行列は参道を下がります。

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粽持。これは宵宮につくられ
神事の終了後、拝殿から参拝者へ撒かれます。

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参道の入り口から、神社に行幸するお渡りがはじまります。

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参道の途中にある「お旅所」で三年寄が扇を広げます。

進行方向の右・・・東方、おそらく振媛の里、越前の方角です。

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同じ方角へ、王の鼻の三々九度の神事・・・
3回の垂直跳躍を三回・・・が奉納されます。

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つづいて黒い獅子頭をもった紋付袴の二人の小学生が
獅子の口を3回・・・タンタンタンと開け閉めしながら
3回、時計まわりにまわります。

獅子の三々九度の奉納です。

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宮入り後、祭典。

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安浦の舞の奉納。

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王の鼻の三々九度の奉納。

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どこでどう繋がっているのかは、まったくわかりませんが
やはりこれは若狭の「王の舞」を思わせます。

高島市と若狭は目と鼻の先。
関係がないとする方が不自然ですね。

未見ですが、同じ高島市の国狭槌神社の「天狗の舞」も
「王の舞」を思わせる舞なのだそうです。

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獅子舞とのコンビネーションも・・・

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粽撒きが行われます。
この神社は安産のご利益で知られ
この粽を妊婦さんが食べると安産になるといわれます。

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神饌を見せていただきました。

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三重生神社にしかない神饌なのだそうです。

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午の守が東方・・・
越前の方角へ矢を射って、すべての神事が終了します。
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Commented by shinrajuku at 2015-04-30 12:27
こんにちは。
いつもながらdendoroubikさんの記事は臨場感あふれ、
あたかもそこに行ったような気になります。
祭りだけでなくその背景や土地柄を巧みに切り取っておられるからでしょうね。
今や都会では結婚式くらいにしか見なくなった紋付袴姿の男衆が、
祭りの荘厳さを表していますね。
Commented by dendoroubik at 2015-04-30 13:24
☆shinrajukuさん

ありがとうございますm(__)m

写真の技量は稚拙極まりありませんが
祭り愛だけは 人並み以上に・・・ (^-^:

けっこう直会の時間が長く
その間 子どもたちは退屈そうでしたけど
それでも 携帯ゲームやスマホをいじる子はおらず
祭りがはじまると ご覧のようにイキイキとした表情
何か とても安心してしまいます\(^o^)/

最後の弓をひく女の子は
うまく矢を射ることができず
悔し涙を流してました
が・・・その真剣さに
逆に とても胸を打たれてしまいました・・・
Commented by senbei551 at 2015-05-01 00:15
ここもまたすばらしい物が残ってますね。うまく言葉にまとめる力ないのがもどかしいですが、お祭りのレポートを通じて心休まる思いがしました。祭りはやっぱりいいですね!
Commented by nararanran at 2015-05-01 11:44
こんにちは^^
さすが!天狗!
飛んでます\(^o^)/
いいなぁ~こういう写真♪
もしや? 一緒に飛んでます?
Commented by dendoroubik at 2015-05-01 12:23
☆せんべぇさん

ヨソ者はおそらく僕と 三重県からお越しの 
もうおひと方のみでしたが とてもいい祭りでしたよ

もし こういった祭りが日本からなくなったら
きっと 息苦しくおもしろくない国になるように思います
生きているうちに見ることが祭りなんて 
たかだが知れてはいるんでしょうけど
見ることができないくらいの祭りがある
ということ自体が豊かさの証しなんでしょうね・・・




Commented by dendoroubik at 2015-05-01 12:31
☆らんさん

飛んでます(笑)

鼻高面で隠れて顔が見えませんけど
中学生くらい(?)の少年でした

SSをあげて連写したんですけどタイミングが悪くて
「飛んでる感」がイマイチ出てませんね~~

反射神経の衰えを感じます(笑)
by dendoroubik | 2015-04-30 00:48 | ◆近江の祭 湖西 | Trackback | Comments(6)