長浜曳山まつり 2015 その5 鳴神

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四番山、壽山(大手町組) 外題は、歌舞伎十八番の内「鳴神」

こんなキワドイ話を・・・

また、後半の荒事がどんな風になるのか、あれこれ想像して楽しみにしていた「鳴神」。
しかし、そんな僕のチャチな想像をはるかに越えるとてつもなく楽しい「鳴神」でした。




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平安時代・・・舞台は京の北山、鳴神上人の庵。

女に生まれるはずだった陽成天皇を行法で、皇子として誕生させた鳴神上人。
その見返りに、戒壇を建立する約束を朝廷に反故にされ、怒った上人は
三千世界の竜神を北山の滝壷へとじこめ、三ヶ月もの間、雨が降らない日がつづいています。

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股間で人肌に温めていた酒を飲もうとしたり(笑)

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そんなスゴい上人の弟子にしては、ちょっとデキの悪そうなふたりの坊主
白雲坊と黒雲坊、いきなり笑わせてくれます。

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鳴神上人の隠棲する滝に、ひとりの美しい女がやってきます。

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訝しんだ弟子が女に事情を尋ねると・・・

夫をなくしたばかりで、かたみの衣を濯ぎたいが、日照りつづきで都には水がないため
水の枯れないこの山の滝へわざわざやって来たのだ、と答えます。

  かの殿御がヤレおじゃったかと言うて
  わしが手をすぐとって床の内に入ったわいなぁ

亡夫との馴れ初めを、女がおもしろおかしく語ります。

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聞いていた弟子たちは興奮(笑) 岩屋の上から聞いていた鳴神上人も、身を乗り出して転げ落ちてしまいます。

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気絶した鳴神上人に、女は滝の水をくんで口移しに水を飲ませて介抱します。 このあたりから、ちょっと艶めかしくなります。

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女に触れたことすらない鳴神上人です。 妖しい胸騒ぎをおぼえながら、気を取り戻すと、女の正体を怪しみます。

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疑われた女は、滝壺に飛び込んで死のうとするのですが・・・

鳴神上人は、それを見てすぐに疑いを晴らし、弟子たちに女が飛び込むのをとめさせます。
上人は女に、剃髪して尼になり、自分の弟子になるように命じます。
剃髪用の剃刀を買いにいかされるふたりの弟子たちは、上人と女をふたりきりにすると
よからぬことが起きるにちがいない・・・と、ニヤニヤ。

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弟子たちが邪推した通りのことが起こります。
ふたりだけになると女は待っていたかのように急に癪で苦しみ出し、鳴神上人は

  この手には病を治す力がある どれ さすってやろう

・・・と女の懐に手を入れます。

  アジなものが手にさわった 
  柔らかい丘のようなものがふたーつ 
  その先に取っ手のようなものが・・・

  お師匠様としたことが そりゃ乳でござんすわいなぁ(笑)

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女の色香にすっかり籠絡された鳴神。 戒律を破って、還俗しても構わない。自分の妻になれ・・・と言い出す始末。

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怯えていた女は、それを聞いて、急に手のひらを返したように、妻になることを承知します。
夫婦になるからには、祝言の杯ごとをしようと鳴神に酒を飲ませます。

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   奈良漬さえキライじゃ

・・・というくらいの鳴神上人。生まれてはじめて飲む酒に、たちまち酔いつぶれてしまい・・・
滝壷に掛かっている注連縄の由来を尋ねる女に、竜神を閉じ込めている事を話してしまいます。

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鳴神上人が酔って寝込んだ隙に、女は滝壺へ。

実は、女は・・・雨を降らせぬ鳴神上人の行法を
色仕かけで打ち破るために、差し向けられた朝廷一の美女、雲の絶間姫。

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絶間姫は、心ならずも鳴神を騙さなければならなかったことを詫びながら、滝壷の注連縄を切ります。
たちどころに竜神は飛び去り、雷鳴がとどろき渡って、大雨。 絶間姫は立ち去ります・・・

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目覚めて、女に誑かされたことを知った鳴神上人・・・

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怒りに恐ろしい姿になっって暴れまわります。

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大暴れしたあと、雲の絶間姫の後を追って、飛び六法で幕切れかと思いきや・・・

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そこに現れたのは、滋賀県ではお馴染みの、俵藤太秀郷。 鳴神行かすまじと立ちはだかり、立ちまわりとなります・・・

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今年は15日の「本日」にしか行けず、大急ぎで駈けまわりましたが、4題とも見惚れてしまいました(笑)

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子ども役者たちが、演じながら、ふっと異次元へワープするような瞬間を
今年も、いくつも目撃することができました。 「大人顔負け」なんていう紋切型が、空しくなる瞬間です。

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(つづく)

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Commented by tora003 at 2015-04-22 22:17 x
すっかり遅くなってしまいましたが、お疲れ様でした。
一日の祭り見物で、これだけ中身の濃い記事を山組別にアップされるとは恐れ入りました。
鯖ソーメンもお付き合いいただき、よくぞ時間がありましたねえ。
私は3日間訪れましたが一体何やっとったんかな~
Commented by dendoroubik at 2015-04-22 23:53
☆toraさん

長浜三連投 お疲れさまでした!
そして 間髪入れず阿波踊りへ・・・
toraさんは祭り好きの鑑です(笑)

ガツガツ見てまわって
ヘタクソ写真を撮りまくるなんて
とても品のない行為だと思いながら
1日しか見られない焦りと
雨で 曳山風情があまり堪能できなかったので・・・

でも 壽山の写真を整理しながら
御旅所の夜の舞台も見ることができたのに
疲れを理由に帰宅した怠惰を
いま はげしく後悔しています(笑)

それにしても
今日のtoraさんのブログには(いつものことながら)
ノックアウトされました~~
Commented by senbei551 at 2015-04-23 13:49
子供がやるにはなかなかきわどいお話だったんですね(-^^-)でもすごく楽しい!!行けなかったけど、ちょっと観れたような気持ちになりました。ありがとうございます。
Commented by dendoroubik at 2015-04-23 14:16
☆せんべぇさん

この外題は大手町組の方々からのリクエストで
「こんな話をどうやって子どもたちにやらせるか悩んでいる」
・・・という意味のことを
振付の水口一夫さんもパンフレットのなかで書いておられました

主役の男の子が「子どもにしては上手い」
・・・というレベルを越えた達者ぶりだったこともあって
とても見応えがありました

5月4日にtoraさんと垂井(岐阜)
5月9日に小松(石川)へ行く予定ですが
いかがですか~~(笑)
Commented by senbei551 at 2015-04-23 22:12
今のところはですけど、3日は「静原神社 春の祭礼(ご幸持ち)」に。5日は、守山に長刀祭り観にいこうかな~と思ってます。 だもんで 9日だと行けなくはないんだけど、行きすぎになっちゃうかな~(笑)もうちょっと考えさせてくださいー(><)アリガトーございます。
Commented by dendoroubik at 2015-04-23 22:47
あれこれプランを練るのも楽しいですね

4日は垂井に行って
そのまま東海北陸道で城端(富山)まで行き
城端曳山の宵宮と 一泊して5日は本祭を見ようか
それとも 去年は雨で消化不良だった守山の長刀祭り
あるいは 未見のすし切神事か・・・

迷いに迷っています(笑)

PCが壊れてupできませんでしたが
長刀祭りは多彩で とても楽しかったです
ただ 集落ごとの持ち回りで
昨年がいちばん盛大な集落の当番でした
行事を割愛する集落もあるそうなので
今年はどうなのか 調べておきます

小松は またまた市川団四郎師匠の「壺坂霊験記」
今度は全員 女の子が演じますよ~~♪

http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20150420/CK2015042002000050.html
Commented by すぺいん人 at 2015-04-27 19:32 x
↑の会話がうらやましい。。。orz(笑)

鳴神を小学生の男子がやるとは~!!(@@;)
しかも、ちゃんと絶間姫と上人の絡みも(笑)!
最後には俵藤太の押戻まで!さすがは水口さんですね☆

これも生で見たかったですが(涙)、
魅力的な演目と役者たち、dendoroubikiさんのおかげで楽しませて頂けました!
ありがとうございました!!!
Commented by dendoroubik at 2015-04-27 22:21
☆すぺいん人さん

鳴神上人は すぺいん人さんもご覧になった
2012年の「小磯原雪柵」で 礼三郎の父を
シブ~く演じていた男の子ですよ~(笑)

ホントにこんな話を演れるのか・・・って思いましたが
もう これしかない!・・・って感じでキマってました

ご存じかもしれませんが 水口先生は
福井県の丸岡でも 子供歌舞伎を立ち上げているそうですね
去年も長浜と同じ「祭提灯」を演っていましたから
ひょっとしたら 丸岡でも「鳴神」が見られるかも・・・?
by dendoroubik | 2015-04-22 17:41 | ◇長浜曳山まつり | Trackback | Comments(8)