若狭 天神社大祭 後編

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かつては隣の藤井の「天満宮」でも、
同じ日に祭礼がおこなわれていたようですが、
現在は、4月2日に近い日曜日におこなわれています。
宮司さんは、両社を兼任されているそうで、
2日は午前中に天満宮の神事のみを執り行い、
午後から相田の天神社のお祭りに臨まれます。

天神社に行列と神輿が揃うと、
お宮移し(御霊移し)の儀式がおこなわれます。





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ギーという音をたてて、神殿の扉が開かれます。

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 「おぉー、おぉー、おぉー」

神をお迎えする警蹕三声(けいひつさんせい)
・・・どこか悲しげな声が杜に響き渡ります。

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ご神体が神輿のなかに安置されるとき、
四ツ折の紙に包まれていた米が撒かれます。

花嫁へのライスシャワーのよに、
みなさん、とても楽しそうです(笑)

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お宮移しの儀式が終わると、
神輿庫のまえで、ふたたび王の舞が奉納されます。

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観光案内などを読むと・・・

 王の舞は、平安末期から鎌倉時代にかけて、
 京や奈良の大社寺で盛んに演じられていた
 舞楽が伝わり、伝承されたもの

・・・と書かれているものが多いようです。

若狭の荘園の領主になった、それら大社寺によって
鎌倉時代以降、もたらされたともいわれます。

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 これから始まる農耕に先立って
 大地の精霊を呼び覚まし豊穣を祈願するもの

・・・という説明が一般的なようです。

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そういえば、三番叟の烏とびのような舞もあって、
モノゴトがはじまるときの、
厳粛で神秘的な雰囲気が伝わってくるようでした。

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王の舞が終わるやいなや、踊りこんでくる
獅子舞の躍動感との対比が、またおもしろいです。

昨年、見せていただいた宇波西神社でも、
王の舞のあとに獅子舞がありました。
他地区の王の舞でも、
獅子舞がセットになっているのかは知りませんが、
相田では、間髪を入れずに獅子が登場しますので、
静と動の対比が際立ちます。

それまでの森閑とした空気から一変、
獅子の登場とともに、
まわりから陽気な野次も飛び交いますので、
この対比は織り込み済みのものでしょう。

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神輿が石段を担ぎおろされます。

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国道の高架をくぐる姿が微笑ましい(笑)

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神輿はこのあと、集落を一巡してゆきます。

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祭りの行列ほど、心晴れやかなものはありません。

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春らしい、柔らかな陽光のなか、
一行は天神社から、御旅所(センター)まで、
行列を組んで還ってゆきます。

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午後3時、神輿がセンターまえまで還ってくると、
玄関まえに据えられ、御旅所の式がはじまります。

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神輿のまえに、二列に対面して全員が整列し、
神事のあと、ふたたび盃事がはじまります。

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葉つきの大根の漬物、豆は
村立ちのまえの盃事と同じですが、
ここでは「ワラジ」と呼ばれている、
牛の舌のような白い餅と、
そのうえに載せられた四角い赤い餅も供されます。

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神輿のまえで、3度目の王の舞が奉納されています。

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子供歌舞伎などを見ていても、
回を追うごとに、少年の演技が
上手くなっていくのに驚かされるものですね。

上手くなる・・・というよりも、
神がかってくる・・・といった方が正確かもしれません。
そこが、はじめから完成された大人の演技と、
決定的にちがうところだと思います。

少年の王の舞も、やはり最後がいちばん、
神韻とした雰囲気を漂わせ、すばらしかったです。

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唐突な画像挿入で申し訳ありませんが、
これは富山県氷見市、上庄地区の獅子舞です。

 「氷見の獅子舞は、若狭の王の舞の影響を受けている」

どこで聞いたのか、読んだのかのかさえ、
忘れてしまいましたが、そんな説を耳にしたことがあります。

昨年、宇波西神社ではじめて王の舞を見て、
どこか禍々しさを秘めた氷見の獅子舞と、
あくまでも晴れやかな若狭の獅子舞とでは、
まったく別モノだという印象を持ったのですが・・・

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取手の天狗の装束など、
いくつかの共通点もあるのかもしれません。

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王の舞は、獅子舞と別に舞われますが、
ふたつがミックスされたとしたら、
おそらく氷見獅子のようになるのでしょう。

王の舞の「静」と、獅子舞の「動」が、
ふたつの舞で、対比的に描かれるのではなく、
ひとつの演目のなかのシーンで描き分けられるのが、
氷見獅子・・・ということもできるかもしれません。

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いえ・・・何の根拠もない妄想です(笑)

この後、神輿はふたたび集落内を渡御してゆき、
センターまえでは、子供たちを中心に、
抽選会やモチ撒きなどのイベントがおこなわれます。
by dendoroubik | 2015-04-05 16:06 | ◆若狭の祭 | Trackback | Comments(4)
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Commented by 清水 at 2015-04-07 08:20 x
福井県の祭りでも
越前と若狭ではかなり違いますね
王の舞などは越前では全く見ることができません

若狭は奈良・京都などの結びつきを感じさせ
越前は<越の国>で田舎の雰囲気です
私の生まれた味真野(越前市)は都の罪人の流刑地でした
祭りの形態が違うのは当然でしょうね

私は祭りを文献で調べることはほとんどなく
土地の方にお聞きした情報がほとんどすべてです
聞く人によって祭りのいわれなどはかなり違います
それを自分なりに適当に編集していますので
正確さはかなり?です(^_^;)

少ない情報で過去を想像するのもまた楽しいものです

渡辺先生のホームページに
闇見神社のお祭りを張り付けました
Commented by dendoroubik at 2015-04-08 10:06
☆清水さん

昨日 味真野小学校のエドヒガンを見てきました
桜の咲く小学校は少なくありませんが
校庭の真ん中に あんな立派な樹があるなんて
なんて素敵な小学校なんだと思いました
ひょっとして清水さんは こちらのご出身ですか・・・?

「文献を調べる」
・・・といっても 学術的な興味からでなく
妄想を補強するだけのためで それもあまりやりません(笑)
祭には 書かれざる歴史が刻まれていて
そこに想像力が刺戟されるのかもしれません
調査報告とか読んでみて つまらないのは
そういう想像力が欠けているからですね

清水さんからお聞きするお話の方がよっぽど面白く
また ためになります
Commented by 清水 at 2015-04-08 11:28 x
味真野小学校に来ていただきありがとうございます
53年前に私が卒業した小学校です
Commented by dendoroubik at 2015-04-08 23:50
☆清水さん

ご存じかとは思いますが
シカゴプードルというバンドが
味真野小学校と あの桜の下で
PVを撮っていますね・・・

https://www.youtube.com/watch?v=zXV3BjspFwU