若狭 お水送り 後篇

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午後6時、本堂にて修二会がおこなわれます。

その頃には、本堂の前庭は、
修二会のあとの達陀行法と、大護摩供を見物する人、
さらにそのあとの松明行列に参加する人とで、
立錐の余地もないほどに混み合います。

内陣でおこなわれる修二会の様子は分かりませんが、
音声のみがスピーカーから流されています。

お寺で購った
「お水送りとお水取り 若狭神宮寺から奈良東大寺へ」
という小冊子によると・・・

道師の水師が薬師十一面悔過を修し、
呪師が諸国の神明を勧請して守護を乞い、
念師が過去帳を読んで古来功績者を回向
・・・と、それぞれにおこなう修法の説明があります。

修二会が終わり、法螺貝が吹き鳴らされると、
内護摩(達陀)の行法にうつります・・・。



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達陀は、修二会の修法を讃嘆する行法。

主役は火天。

水天、介子(けし)天、楊枝天、鈴天、
錫杖天、太刀天、法螺天が参加します。

火天は、水天とともに、
本尊まえを三回駆け回るそうですが、その様子は、
前庭からは、仄見える炎で伺い知るのみです。

達陀松明が外陣にあらわれると、
見物人からどよめきが沸き起こります・・・。

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火天が達陀松明を振りかざすたびに、
水天が散杖で酒水器の香水を、火の粉に注ぎます。

これは毎年2月16日、閼伽井より汲みあげられ、
「お水送り」に用いられる香水です。

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間断なく奏される法螺貝の音・・・。

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二月堂のお松明には、規模でくらぶべきもありませんが
(・・・テレビで見たにすぎないのですけど)
本堂の背後は、かつて若狭彦、姫神が勧請された
奥宮のあった原生林・・・その深い闇を背後に繰りひろげられる
この行法には、思わず引き込まれてしまいます。

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このあと、大護摩にうつるのですが、
ここで神宮寺を出て「お水送り」のおこなわれる、
2キロ上流の鵜ノ瀬へ先回りします。

何度もこの行事を撮っているという、
おやじさんカメラマンと隣り合って話しているとき、

 ゴマまで見てたら、
 行列に圧されて、なかなか出られんようになるで

と教えてもらっていたからです。

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振り返ると、大護摩の炎が、
まるで竜のように夜空に駆けあがっているのが見えました。

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遠敷川沿いには、鵜ノ瀬まで、篝火が焚かれています。
大護摩の炎が一段落した頃、松明行列がすすんできます。

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法螺貝を吹き鳴らす山伏に先導された、
この松明行列が見もの・・・その数、なんと千人!

鵜ノ瀬まで、約2キロの行程です。

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一行が到着すると、松明は対岸(右岸)に据えられ、
左岸でふたたび大護摩が焚かれます。

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松明と篝火が水面に映って、とても美しい。

練行衆は対岸の鵜ノ瀬の深淵のそばに立ち、
水師が送水文を読みあげたあと、淵に流します。

九字の印を結んで法刀を抜き、水切の神事がおこなわれます。

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瀬音に法螺貝の響きが重なり合うなか、
いよいよ香水筒の栓が抜かれ、
香水が渦巻く淵へ注ぎ流されてゆきます・・・。

 この水が東大寺まで届く・・・

そんなことを信じているわけではなくても、
不合理だと嗤う気持ちを捻じ伏せてしまうような、
圧倒的な炎と水の祭典が繰りひろげられていたのでした。

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香水流しが終わると、
練行衆は護摩壇に戻り、結願作法にうつります。

護摩の炎がやや衰え、法螺貝の音が響くと、
「お水送り」のすべての神事は終了します。
by dendoroubik | 2015-03-11 19:51 | ◆若狭の祭 | Trackback | Comments(4)
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Commented by nararanran at 2015-03-11 20:54
大感動です。
そうして今行われている奈良の修二会につながるんですね。
閼伽井屋の井戸まで流れ着くあいだ
様々な場所をくぐり抜けて流されてくるはず。
二月堂の修二会もあと3日で満行です。
練行衆の皆様、あともう少し頑張ってと思います。

松明の行列が千人だなんて!

何度か昼間には伺った場所ですが
駐車場もないのに・・・って、どれだけ大変かと変なコトまで気になります。
Commented by dendoroubik at 2015-03-11 21:55
☆らんさん

清盛も秀吉も 日本海から水路を穿って
びわ湖に直結させて都への水運を得る
・・・という夢をもっていたのだと思います
それより遙か昔から 若狭と奈良を繋ぐ水脈が夢想されていたんですね
それほど日本海側はブリリアントな土地だったということでしょうか

松明行列の方々は 遠敷川沿いの駐車場に
20台ほどの大型観光バスを連ねて帰っていかれました(笑)

少し話した神奈川から参加された女性は
この日の「お水送り」と翌日 奈良での「修二会」の二泊三日で
8万円もしたとおっしゃってましたよ(汗)

「お水送り」はこの日だけなので 割高なんだそうです・・・
Commented by shinrajuku at 2015-03-15 13:03
こんにちは。
奈良側でしっかりとこの水を見届けました^^
しかし凄い迫力ですね。
dendoroubikさんのせいで「こりゃぁ行きたい」が
またひとつ増えてしまったじゃないですか~^^
う~ん、でも修二会(奈良の方の)の会期と被るな~
悩み事もひとつ増えてしまったじゃないですか~^^
Commented by dendoroubik at 2015-03-15 14:32
☆Shinrajukuさん

12日は仕事が終わってから・・・と考えないでもなかったのですが
疲労には勝てませんでした(笑)

行きたいところや悩み事が増えたとしても
それはshinrajukuさんの勝手で いっさい責任は負いかねます(笑)

しかし shinrajukuのように 自然や行事を突き詰められ
丁寧に絵をお作りになられる方がお水送りの行事を撮られたら
取り組んでおられるお水取りのお写真のスケールが
さらにアップするでしょうね・・・見てみたい!

あっ! けしかけたからといって 責任はとれませんのであしからず(笑)