米原曳山まつり 2014 松翁山

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滋賀県米原市、湯谷神社の秋の祭礼、米原曳山まつりでは3基ある曳山のうち毎年、当番山で子供歌舞伎が上演されます。
今年の当番山は旭山。松翁山も自主参加、ふたつの子供歌舞伎が奉納されていました。松翁山の外題は 『壷坂霊験記』




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振り付けは、もちろん市川団四郎師匠です。
昨年の長浜曳山まつりでも、師匠の演出で『壷坂霊験記』が上演されていました。
今年、師匠の演出する子供歌舞伎を見るのは「出町子供歌舞伎曳山まつり」「小松お旅まつり」につづいて3本目です。

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祭りの3日間、同じ滋賀県内、竜王町で、33年に1度おこなわれる祭りがあり
これを見るため、子供歌舞伎をゆっくりと鑑賞する時間がありませんでした。

松翁山に出演する5名の役者のうち、3名は6年生で、今年で子供歌舞伎は卒業。
主役の男の子は、1年生のときに演じた三番叟から、ずっと見てきたことになります。
最後の舞台をどうしても見たくて、竜王の祭りを途中で切り上げ
宵宮の夜の公演を見に、米原まで駆けつけました・・・

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幼い頃に両親を亡くしたお里は、叔父に引き取られ、いとこの沢市といっしょに育てられます。
お里は沢市を「三つ違いの兄さん」と慕い、疱瘡が原因で目が見えなくなった定市と夫婦に。
しかし、暮らし向きは苦しく、この日も3人の借金取りが押しかけてきます。

借りたお金は返さなきゃ、ダメよ~、ダメダメ!(笑)

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借金を返してもらえそうもないと悟った3人が仕方なく家財道具を物色じはじめると、屏風のかげから雁九郎がのっそり姿を現します。

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お里に横恋慕する遊び人の雁九郎は、金の肩代わりをする代わりに沢市と別れて、自分といっしょになれと迫ります。
しばらく待ってくれ・・・とその場を取り繕うお里・・・

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沢市は雁九郎と一人二役です。

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琴や三味線を教えて暮らしを立てる沢市。近所の人に稽古をつけてきて、帰宅。とても不機嫌です。
目の見えない沢市が耳にするのは、お里の器量がよい・・・という話ばかり。
そういえば、夫婦になって3年、お里は決まって明方に部屋を抜け出してゆきます。
他に男ができたのでは・・・と問い詰める沢市に、壷坂の観音様に、目が見えるようにと願をかけ
3年越しでお参りしているのだと打ち明けます。そして、今日がその満願の日・・・。

そんなお里を疑ったことを恥じた沢市は
自分も一緒に観音様にお参りをして、3日間の断食をすると言い出します。

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妻は夫をいたわりつ~、夫は妻に慕いつつ~


有名なこの文句は浪曲のものなので、芝居には出てきません(笑)

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お里を帰らせ、壷坂寺でひとりになった沢市は、自分がいなければお里は幸せな人生を送れるだろう
・・・そう考えて「南無阿弥陀仏」谷へ身を投げてしまいます。

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胸騒ぎがして戻ってきたお里。沢市が身を投げたことを知って嘆き悲しみ、自分も後を追って身を投げようとします。

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と、そこへ鴈九郎。オレといっしょになれと迫りますが、すげなく拒絶され、逆上してお里に襲いかかります。

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雁九郎の手を逃れて、お里が谷に身を投げると、不思議な力によって辻堂へと引き寄られ
鈴の綱が首に巻きつき・・・鴈九郎も息を引き取ります。

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鴈九郎の不思議な死に方を知った金貸し二人。

「観音さまの罰が下るのはあたりまえ」
「あたりまえ、ったらあたりまえ」
「あたりまえ体操」(笑)

このギャク、昨年の長浜でも使われていました(笑)

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谷底で倒れる二人のもとへ、壷坂寺の本尊、十一面観音が現れます。

  いかに沢市 承れ 汝 前生の業により盲目となったり
  しかも両人ながら 今日に迫る命なれども
  妻の貞心 または念ずる功徳にて 寿命を延ばし 与うべし

  この上はいよいよ信心渇仰して
  三十三カ所を巡礼なし 仏恩報謝なし奉れ

  こりゃお里 お里 沢市 沢市・・・

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気を取り戻した沢市とお里。

  ええ あの・・・ほんにこりゃ眼が明いている
  おお 眼が開いた 眼が開いた
  観音様のお陰・・・有り難うござります
  むむ・・そしてあの・・・お前はまあ どなたじゃえ?

  どなたとは何ぞいの これ 私はお前の女房じゃわいな

  ええ、あのお前がわしの女房かえ
  これはしたり・・・初めてお目にかかります

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お礼申すや 神や仏 よろず見せ給ふは これひとえに観世音の 誓いの重きは 岩を建て

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水をたたえて 壺阪の庭の 砂も浄土なるらん 御示し 有り難かりける 御法なり 

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これが最後かと思うと、やはり淋しい・・・

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しかし、子供歌舞伎の役者は、いくらお気に入りでも、ほとんどがその年限り。
こんなに長らく楽しませていただいけたのですから、僥倖と思わなければなりませんね・・・。

ありがとう・・・

これまで悲劇的な役柄ばかりでしたが、最後の最後にハッピーエンドの物語。
団四郎師匠の粋なはからいでしょうか・・・

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by dendoroubik | 2014-12-21 09:04 | ◇米原曳山まつり | Trackback | Comments(0)