2014年 12月 05日
孤篷庵再訪
先日、書店で雑誌を立ち読みしていたら、近江孤篷庵の記事が目にとまりました。
その数日まえに訪れたところだったので、興味深く読みすすめていくと
「なるほどな~」・・・と感心させられることがふたつありました。
ひとつは、今や紅葉の名所として定番化したこの寺の庭園もおよそ100年にわたって
もうひとつは、襖絵を描いた、皆川月華氏のこと・・・。
作庭家としての高名さのわりには実際に関わったとされる作例が少ない小堀遠州。
「遠州好み」とか「伝・遠州作」といわれる庭園を見ると
「ホンマかな~」という猜疑心が先に立って素直な観賞の邪魔になることがあったりします。
「孤篷」・・・という遠州の号を名にもつこの小さな庵は
彼の菩提を弔うために小室城2代目城主宗慶が創ったものですので
遠州の庭でないことが明らかなのですが、そのことがかえって、遠州らしさを伝えている
・・・と、感じる人も少なくないと思います。
小堀家は6代目のときに不正を理由に改易。
かろうじて、後家人として命脈は保ちますが後ろ楯を失って寺は衰微・・・明治以降は無住に。
荒廃にまかせていた寺を、昭和13年、小堀定泰和尚が再興しようと図りますが
伊勢湾台風の際に、最後まで残っていた本堂まで倒壊。 礎石のみを残す荒れ野に・・・
昭和40年、ふたたび小堀定泰和尚と、篤志家により再建されたのが現在の本堂で
二面の庭も、このとき、100年の星辰を経て見出だされます。
洗い出されて顕れたのは、まさに「遠州好み」と言われている二面の庭。
南に神韻渺茫とした枯山水と、東には京都の孤篷庵と同じ(?)近江八景。
無造作なようでいて、周到に配置に思いを巡らされたこの庭は
しかし、そんな予備知識なしでも初めて見る人に「あっ!」と声をあげさせるような力を持っています。
遠州の力なのか、定泰和尚の気迫なのか、そのことが、やっぱりスゴい・・・!
本堂自体は慎ましやかなものですが、室内に埋め尽くされた襖絵が圧巻です。
雑誌の記事によると祇園祭の見送り幕の製作などで知られる京都の染色の大家皆川月華氏は
最後の襖絵は、文字通り氏の遺作。
老齢で弟子に脇を支えられながら描き切った・・・と記事にありました。
こちらは予想通り写真撮影は禁止で、拝観券を買うのに30分ほど待たされました。
普段は非公開のため、行列ができるのも納得なのですがね。
「近江孤篷庵」はまだ訪れたことがなく、新緑の季節に一度訪れてみたいですね。
特別公開で30分待ちと
受付もなく拝観料を自己申告で箱に入れるのと
ずいぶん待遇がちがいますね(笑)
交通の便も悪いところですので
おっしゃっていただければ ご案内いたしますよ
長浜にはシベリアからコハクチョウと共に
「山本山のおばあちゃん」と呼ばれるオオワシのメスの個体が飛来します
老齢につき 今年はどうかな・・・と心配してたのですが
先日 やって来たようです
雪のこの寺も一度見てみたい・・・
開門してるかどうかわかりませんが(笑)
稚拙な写真と記事ですが
ご覧いただきましてありがとうございます
孤篷庵で音楽のイベントをされるのですね
とてもいい庭園なのに 紅葉のとき以外は
さほど観光客が訪れることもないのを残念に思っていました
ここでイベントを開催されるというのは
とても意義のあることですね
仕事の都合がつけば ぜひ参加させていただきたいです
成功をお祈りしております
そうですね、イベントの時以外は訪れる人が少ないのが残念なところですね。お寺=地域のふれあいの場みたいな感覚を持ってもらえると、普段お寺に訪れる人がもっと増えるんだろうなと思います。なので今回のイベントは「お寺ってちょっと敷居が高い」と思っている人が気軽に足を運べるような企画になればいいなと考えています。そして、たくさんの人に「コホウアンにもう一回行きたい」と思ってもらえることを願って。。。
もし来ていただけるならとっても嬉しいです!ただ、音楽がお気に召すかどうかわからないので、先にアーティスト情報をチェックしていただいてから考えていただければと思います。
出演アーティストはピアノ弾き語りの中村 佳穂さんと、世界を舞台に活動する、ギター、パーカッション、タップダンスの異色ユニットConguero Tres Hoofers
(コンゲイロ・トレス・フーファーズ)さんの2組です。
もしよろしければぜひぜひお待ちしてます!
お時間が合えばご来場ください。
伊藤