弘前ねぷたまつり 人の巻

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祭りの掛け声や囃し言葉は、不思議です。

意味もわからずに唱えているうちに、
非日常の時空が立ち現れ、
見ている側にまで高揚が感染してきます。




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やーやどー

・・・という掛け声は、

 「ねぷたは流れろ 豆の葉はとまれ いやいやいやよ」

・・・という「ねぷた歌」の、
「いやいやいやよ」が変化したものだとか、
道場の師弟が、けんかねぷたで発していた、
「ヤァ!ヤァ!」という怒声の名残り、
「早くやってしまえ」という意味の津軽弁、
「ヤァヤァドやれ」が変化したもの・・・などといわれます。

祭りの最中に身を置くと、
そんな意味の詮索が無用に思えるほど、
ただ高揚するばかりです・・・。

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青森ねぶたの「ラッセラー」という軽快な掛け声に比べて、
弘前ねぷたの「やーやどー」という掛け声は、
とても重厚な感じがします。

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弘前ねぷたが「出陣」を、
青森ねぶたが「凱旋」を表す
・・・といわれるのも、この掛け声が齎す
印象のちがいからきているのでしょうか・・・。

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ともに環境庁の「残したい日本の音風景」に選定されています。

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弘前ねぷたには、青森ねぶたのようなハネトは登場しません。

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もちろん、そのことで、何かが欠けている、
という印象を受けることはなく、
囃子方や曳き手たちが、
自ずから祭り情緒を醸し出してゆきます・・・。

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囃子は笛と太鼓、
それに「手摺鉦(ジャガネ)」と呼ばれる両手で持つ小さな鉦。

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情っ張り太鼓の伝統・・・でしょうか。
大きな太鼓がいくつも登場します。

晒しを巻き、もろ肌脱いだ女性がこれに跨り、
勇壮に太鼓を打つ姿が印象的でした・・・。

これも弘前ねぷたの見所のひとつだと思います。

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いまでもねぷた囃子が耳に残っています(笑)

賑やかなのに、心地よい哀愁が漂います・・・。

このお囃子は、
津軽に古くから伝わる獅子舞囃子や
岩木山参詣の下山囃子などが組み合わさり、
できあがったものだそうです。

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運行のときに奏されるもの、
前が詰まって足踏み状態のときに流されるもの、
そして運行を終え、町会へ戻るときのお囃子、
3種類のお囃子があります。

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やーやどー

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お囃子の良さも、弘前ねぷたの魅力のひとつですね。

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ねぷたの肩部分に「石打無用」と書かれたものがあります。
これは、明治から昭和初期にかけておこなわれていた
けんかねぷたの名残りだといわれます。

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その頃、弘前市内には町道場が多数あり、
若者たちがねぷたを作って
練り歩いていたのだそうです。
血気にはやった若者たちは、
他の道場や町会のねぷたと出くわすと、
石を投げつけたり、竹槍や木刀、
時には日本刀で乱闘になることもあったのだとか。

しばしば死傷者を出したため、
これを「蛮風」として「ねぷた禁止令」が出され、
祭り自体が中断していたこともあるそうです。

太宰治の『津軽』にも、このけんかねぷたの話が出てきます。

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弘前ねぷたには、青森ねぶたのようなハネトは登場しない
・・・と書きましたが、
フラダンスを踊る町会や、
自衛隊の演舞などがあり、盛りあがります。

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弘前ねぷたを見た2日後、
不幸な事故が起こってしまいました・・・。

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大型の扇ねぷたには、電線の下を潜るために、
油圧式の昇降機を備えているものがあります。

亡くなられた男性は、不具合を点検中に、
誤って作動した昇降機に頭を挟まれた
・・・と新聞記事にありました。

これを受けて、6,7日の祭りは中止に。

秋田のホテルでそのニュースを知り、
胸を塞がれました。

亡くなられた男性の、
ご冥福をお祈りするしかありません・・・。

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運行を終えたねぷたは、
それぞれの町会へ帰ってゆきます・・・。

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毎年でも通い詰めたい祭りですが、
弘前はあまりに遠い・・・。

いつか、またねぶた囃子の愉楽に、
ふたたび身を委ねる日は来るでしょうか・・・。


ねーぷたーのもんどりこ、
ヤーレヤレヤーレヤー

by dendoroubik | 2014-08-24 17:47 | ◆陸奥の祭 | Trackback | Comments(2)
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Commented by すぺいん人 at 2014-09-06 21:10 x
天の巻で気になってた「石打無用」の謎が解けました(^^*)

太鼓を叩いてる女性たち、カッコ良いですね~♪♪♪
弘前ねぷたのお囃子、生で聞いてみたいです!

事故はニュースで見ましたが本当に残念でしたね。。。

Commented by dendoroubik at 2014-09-07 11:08
☆すぺいん人さん

弘前ねぷたにすっかり魅了されたばかりだったので
ニュースにはホントに心が痛みました

これは想像ですが・・・
弘前では太鼓に乗って叩く女性は 
どんどん増えてきてるんじゃないでしょうか
これだけ見に行ってもいいくらい見ごたえがありましたよ

あ!書いてたらあのお囃子が聞こえてきました(笑)