弘前ねぷたまつり 地の巻

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扇ねぷたのメイン(表)は「鏡絵」と呼ばれ、躍動感のある豪傑の組討の場面が描かれています。
運行を眺めていると、ほとんどが「水滸伝」「三国志」から図案が採られているようでした。

その裏面は外額に囲われた「見送り絵」が描かれていて、これがまたスゴイ!



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「鏡絵」の「動」に対して「見返り絵」は「静」を表し、優美な美人画が描かれる
・・・と解説書なんかには記されているのですが・・・

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嗜虐的、耽美的、官能的な図柄、怪談本から採られたような妖気溢れるもの
なかには月岡芳年ばりの無残絵なんかもあります。
いや、いわゆる「美人画」などほとんどなく、たいていは「嗜虐的、耽美的、官能的な図柄」です。

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外縁の横の「袖絵」の書き込みもすごい!

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「動」と「静」の対比・・・というよりも、「陽」と「陰」を表しているようにも思えます。

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四ツ辻などにくると、扇ねぷたはクルクルと回転させられます。
「鏡絵」と「見送り絵」が反転する幻想的なシーンが、弘前ねぷたの見所にひとつだと思います。

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首の飛ぶ、こんなアイデアねぷたも・・・

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津軽のねぶた(ねぷた)まつりに欠かすことができないのがこの金魚ねぷたです。
藩の保護の下、品種改良をかさねられ、「津軽錦」と名づけられた金魚がモデル。
もともと灯籠に描かれていたものだそうですが、ねぷたとして運行するのを、弘前でも青森でも見ました。
マスコットのようなものを軒下に吊るしたり、あちこちで装飾に使われていました・・・

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「ねぷた」という、独特の語感を持つ名前の語源については
アイヌ語の Nep Tann から来ているという説もあるそうですが
灯籠とともに穢れを川や海に流す民俗行事、「眠り流し」の「眠りが訛化したもの
・・・とする柳田國男が唱えた説が一般的なようです。

古来から津軽に伝わる精霊送り、虫送りなどの習俗と、
中国から伝来した七夕の灯籠流しが一体化して、現在見るようなものに変容したものでしょうか・・・

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それほど多くはありませんが、組(人形)ねぷたも運行します。

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大型扇ねぷたの前ねぷたとして運行するものや、しんがりのねぷたとして運行する大型のものもありました。

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勇猛なものもあれば、ユーモラスなものも・・・

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組ねぷたも、後ろには見送り絵が掲げられています・・・

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この組ねぷたのタイトルは 「壇ノ浦にて新中納言平 知盛碇を背負い入水」
見返り絵には建礼門院徳子(上の写真)が描かれていました。

このように鏡絵と見返り絵が対になっているものが多いのですが、
なかには全く関係のない絵もありました (・・・たぶん。)

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これは八犬伝ですね!

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はじめての東北、はじめての津軽、そして、はじめてのねぷたでしたが
旅の初日から、すっかり魅了されてしまいました・・・(「人の巻」につづく)

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Commented by すぺいん人 at 2014-09-06 21:05 x
天の巻を見ていた時に、「絵が結構エ口グ口(※)な感じするなぁ。。。(^^;)」(←ワリと好きですがwww)って思っていたら、、、

見送りは特にすんごいですね!!!(@@;)
子供が泣かないか心配です(笑)。

・・・金魚ねぷたを見てほっとしました(笑)。

碇知盛は写真だけで分かりました♪(ニヤリ❤)

※・・・ロをカタカナのまま入力したらコメント投稿出来ませんでしたw(爆)
Commented by dendoroubik at 2014-09-07 10:54
☆すぺいん人さん

人形ねぶたにも見送り絵がついていたり
表と対になった立体的な造形があったりしますが
弘前ねぷたの見送り絵の耽美性は特異ですねー
かなり本格的な嗜虐趣味(笑)

太宰も弘前の町に残る江戸趣味・・・
みたいなことを書いていたと思いますが
そういう城下町の伝統かなー・・・と。
by dendoroubik | 2014-08-23 20:32 | ◆陸奥の祭 | Trackback | Comments(2)