小松お旅まつり 2014 その5 絵本太功記十段目 尼ケ崎の段①

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母に責められます。
妻に詰られます。
息子の嫁からは無言の刺すような視線。

唯一の同性の息子の孝行ぶりが、
かえって批判がましかったりします。

明智光秀の三日天下を描いた
「絵本太功記」のなかでも、
「コレ!」というお馴染みの「十段目尼崎之段」・・・太十。

光秀の悲劇的な転落が極まり、
毅然とした彼が慟哭するクライマックス。

・・・そりゃあ、泣くしかないわな
・・・と同情を禁じえません(笑)





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八日市町と三日市町のアーケードのあいだの交差点で、
橋南の五基・・・龍助町、大文字町、西町、寺町、
そして当番町の八日市町の曳山がの曳揃えられます。

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主君小田春永(織田信長)に辱めを受けた
武智光秀(明智光秀)は、
謀叛を起こして春永を本能寺に討ちます。

しかし、封建道徳を重んじる光秀の母さつきは、
その不義を責め、尼ケ崎に別居してしまいます。

光秀の息子、十次郎が出陣の許しを乞いに、
祖母さつきを訪ねてきます。

花の蕾のように美しい若武者です。

討ち死にを覚悟している彼は、
海山にも代えがたいほど深く、
大きな恩のある祖母、母へ
先立つ不幸を謝しながら、
初菊と、いまだ祝言の盃をしていないのが
せめても、お互いの身の幸運・・・とひとりごちます。

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あなたとは来世まで、
来世のそのまた次の世までも夫婦だと思っているのに、
盃を交わしていないのが幸いとは薄情です。

光秀の妻みさに伴われて、
みさを見舞いにきていた許婚、初菊が
それを聞き、涙ながらに訴えます。

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その姿をあわれに思いながらも、
あまり大きな声で泣いて、
ばば様に討ち死にを気取れるようなことがあれば、
あなたとは来世まで縁を切りますよ
・・・と、酷薄なことを言うしかない十次郎・・・。

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早く支度を・・・と急かす十次郎に・・・

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愛しい夫が死地へ赴く準備を、
どうして急ぐことができましょう・・・と嘆く初菊・・・。

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兜に涙が雨のように降り注ぎます。

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祖母さつきと母親みさおが、
祝言と出陣を同時に祝う用意をはじます。

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出陣を祝う盃を取り交わして親と子が縁を結び、
十次郎は小手や脛当て、鎧の一式の身構えで、
初菊と三々九度の夫婦の盃を取り交わします。

来世までつづく夫婦の縁は結んでも、
親子一世の縁はこれで切れてしまうのだ・・・。

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それではおさらば・・・と言い捨てて、
万感の思いを振り切って出陣する十次郎・・・。

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 若者をむざむざ殺させるために戦場に送ったのは、
 主君を殺したという死に恥をさらさせるよりも、
 立派に戦って討死させるため・・・

さつきが苦衷を明かします。

祝言にかこつけて盃事をしたのは、別れの挨拶。
初菊ニ十次郎と夫婦の固めの盃事をしなかった
という心残りを残さないためなのです。

主君を殺し、天に背いた武智の一族は、
潔く滅びるしかないのだ・・・と。

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旅僧が一夜の宿を乞うてやってきます。

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彼こそ、本能寺の変の知らせを聞き、
急遽、備中高松城の毛利方と和議を整え、
光秀討伐のためとって返した真柴久吉(羽柴秀吉)その人・・・。 

(つづく)
by dendoroubik | 2014-06-02 15:20 | ◇小松お旅まつり | Trackback | Comments(0)
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