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三国祭 天の巻

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福井県坂井市三国町、三國神社の春祭り・・・三国祭。

富山県高岡市の御車山祭、石川県七尾市の青柏祭とともに、
北陸三大祭と称される盛大な祭りです。

祭礼は5月19日(例大祭)、20日(中日祭、21日(後日祭)の3日間。
山車が巡行する20日、中日祭に訪ねてみました・・・。



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午前10時過ぎに三国の町に到着すると、
山車が巡行し、つぎつぎに三国神社に集まってくるところでした。

壱番山車。岩崎区の前田慶次です。

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三国の古い町並みは道幅が狭いため、
小回りが利くように山車は三輪になっています。

下段は囃子方が乗り込むスペースになっていて、
上段に巨大な武者人形を載せているのがインパクトがあります。

山車は18基あって、うち毎年6基が奉納されます。
今年は、三国祭保存振興会の梶原景季(参番山車)も含めて、
7基が巡行していました。3年ぶりだそうです。

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五番山車。上旭・下旭区の黒田官兵衛。

18世紀の半ば(宝暦年間)神功皇后の山車がつくられたのが、
現在の武者人形の起源とされています。

この町がもっとも繁栄を誇っていた幕末から明治にかけて、
豪商たちが競うように豪華に、巨大に仕立てていったといわれます。

なかには全長10メートルを越えるものも・・・。

明治後期に電線が架線されると巡行できなくなり、
一時、武者人形は中止・・・その後、6メートル程度の
高さ制限を設けて現在に至っています。

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三國神社は、天文9年、坂津清兵衛が、
高柳村より流れて来た御神体を拾い上げ、
正智院に納めたことがはじまりとされています。

正智院は後に桜谷神社と改められ、
明治に水門宮の御神体、継体天皇を合祀。
その後、三國神社と改称されます。

御祭神は大山咋命、継体天皇。

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随身門は、三間一戸の立派な楼門。

三国の町衆の心意気が、ここにも感じられます。

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六番山車。下新区の加藤清正。

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四番山車 。松ケ下区の橘弁慶。

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弐番山車。 中元区の源 頼光。

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7基がズラリと並ぶ様は圧巻です。

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七番山車。堅・上横区の仔獅子。
 
午後1時。山車、神輿の行列が街中に繰り出します。

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半日かけて、三国の町を隈なく巡行した行列は、
午後4時過ぎ、三国駅前に集結します。

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駅前の交差点で山車を回転させる場面は、三国祭の見所のひとつ。

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高さ5メートルもある武者人形を載せた山車が勢いよく回転する様は、
大迫力で、観衆から拍手喝采が沸き起こります。

どういう決まりがあるのか、あるいはないのかわかりませんが、
何度も回転して喝采を浴びる山車もあれば、
一回転して折り返す山車もあります・・・。

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九頭竜川が日本海に注ぎ込む河口に拓けた三国湊。

水運の要として古代から歴史にその名を刻んできましたが、
この町が急激に都市化し、隆盛を極めるのは、
北前船交易がはじまった江戸中期以降。

江戸後期には北陸最大規模の北前船の中継地点に発展し、
廻船業で数々の豪商を生み出すまでに繁栄を謳歌します。

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元禄にはじまったとされる三国祭が、
かくも勇壮で華やかな祭礼になったのは、
もちろん、この町の栄耀と軌を一にします。

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三国祭を眺めていると、かつての繁栄が偲ばれる

・・・そんな感想を抱きかけて、すぐに打ち消します。

半年に2,000艘もの船が往来したという
元禄の頃の賑わいは昔日の姿ですが、
「偲ばれる」・・・というよりも、
三国っ子の気概が今も生きつづけていることを、
この祭りは気づかせてくれます・・・。


(「地の巻」につづく)
Commented by すぺいん人 at 2014-05-25 22:58 x
こんばんは☆

しまったぁぁぁぁあ~!!!
三国神社、昨年夏に偶然近くに行く事が有ったのでお参りに行って、
お宮さんの前の道にある山車蔵(中が見えるタイプ)を見て興奮してたんです(笑)。

今年、思いっきり休みに当たってたのに見逃しましたorz
しかも、19日に至っては父と主人と一緒に敦賀で釣りしてました。。。orzorz
私だけ抜け出してもうちょい走れば見に行けたのに~!(><)

7基ずらっと並ぶと本当に迫力が有りますね!
しかも、武者人形のインパクトがすごい(@@;)
回転している所もめっちゃ勢いよく回ってる感じがします。。。☆
Commented by dendoroubik at 2014-05-26 12:10
☆すぺいん人さん

4月から5月の半ばにかけて見たい祭り満載で
けっこうタイトなスケジュールを立ててしまうんですが
なぜか後半になると 夏祭りが本格化するまで
ちょっと気が抜けてしまったりします
僕もこの三国祭は いままで見逃しつづけてました(笑)

昨年 金沢・富山の祭りを見にゆく途中
予定もなくふらりと三国に立ち寄り 
町並みを散策してすっかり魅了されてしまいました
8月の終わりに「帯のまちながし」という行事があり
行く気マンマンだったのですが台風で延期・・・
三国祭も 週間予報ではずっと雨だったんですが
前日に晴れに変わり 宿願を果たすことができました!

いい祭りでした!
Commented by あわづ at 2014-05-26 20:24 x
>どういう決まりがあるのか、あるいはないのかわかりませんが、
 何度も回転して喝采を浴びる山車もあれば、
 一回転して折り返す山車もあります・・・。

神社前や駅前での回転について
いっぱい回るのがかっこいい(?)という認識がある上で、
山車の土台部分が年代物であったり
他の地区と共有している山車などは
不文律で一回転となっているようです。
しかしながら
盛り上がってくると
回すなよと指示怒号がとんできながらも
曳き手の気分次第でガガガガガガッとやっちゃうことも…苦笑
Commented by dendoroubik at 2014-05-26 21:21
☆あわづさん

なるほど そうだったんですね!
スッキリしました(笑)
ご教示いただきましてありがとうございます!

壱番山が景気よく何度も回転してくれて昂奮の坩堝!
さあ次 撮るぞ・・・と身構えてたら「アレ?」・・・って感じでした(笑)

回すなと言われても回しちゃうなんて いいですねー!
陸橋の階段から眺めてたんですが
これはやっぱり近くで昂奮を感じたいものですね
次回はそうしますwww

それにしても回転中の山車の中ってどんな感じですか・・・?
1日中のお囃子 お疲れさまでした^-^v
by dendoroubik | 2014-05-25 11:44 | ◆越前の祭 | Trackback | Comments(4)