出町子供歌舞伎曳山祭 その2

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 いずれを見ても蕾の花・・・

熊谷次郎直実のこのセリフ、いつもグッときます。

初陣であたら命を落とそうとする敦盛、
儚く散ってゆく、その恋人、玉織姫、
敦盛と同年で、やはり初陣で瀕死の熊谷小次郎。

戦場で消えてゆくのは、若い命ばかり・・・。

敦盛を助けるために、わが子小次郎の首を
刎ねなければならなかった熊谷次郎直実。

 もののあはれを、今ぞ知る・・・

『一の谷嫩軍記 須磨の浦の段 組討の場』
出町の熊谷次郎直実、うまかったです。




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 敦盛様、敦盛様・・・

呼べど叫べど松風に答ゆる物は波の音・・・

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平時忠は、源氏の世になることを見越し、
娘の玉織姫を源氏の武将 平山に嫁がせようとします。

敦盛を慕う玉織姫は、これを断わり、
平家一門として死を覚悟し、
一の谷の戦場へ向かう敦盛に従います。

ここは須磨浦・・・。

道中ではぐれてしまい、敦盛を探す玉織姫・・・。

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そこへ折悪しく、袖にされた平山が現れ、
ここで出会ったからは、
今までのことは水に流して女房にしてやる
・・・と迫りますが、
敦盛様と二世の約束を交わした
・・・と、きっぱりと断わります。

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腹立ちまぎれに平山は、
敦盛なら この平山が打ち殺したわい、
と、嘘をついてなびかせようとします。

仇を討とうと切りかかる玉織姫を取り押さえた平山は、
女房になるなら助けてやろうと言いますが・・・

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 お前のような下司下郎に
 なびけとは腹立ちや
 殺さば殺せ畜生め


けっこうキツイことを言います(笑)

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さすがにこの言葉には平山も逆上し、
玉織姫を切り捨ててしまいます。

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 ヤー我こそは無官の太夫敦盛なり
 源氏方のもののふ共、
 いざ寄いて勝負勝負


緋縅の鎧兜に身を固めた敦盛が登場。

打ち合わせをしますが、敦盛の太刀先鋭く、
平山は泡を喰って逃げてゆきます。

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 けなげなる若武者や
 逃ぐる敵に目なかけず
 熊谷これに控えたり
 かえさせたまえ 戻させたまえ


沖の平家方の船に向う敦盛を呼び止めるのは 熊谷次郎直実。

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本来、このシーンは海の中での騎乗の組み合いですが、
曳山のうえでは再現できないので二人の殺陣にアレンジされています。

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敦盛を演じる二人の男の子は実の兄弟なので、息もピッタリ。

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バッチリ決まってますね!

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さすがに百戦錬磨の熊谷と、
16歳でこれが初陣の敦盛では力の差は歴然。
組み伏せられてしまいます。

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見れば、わが子、小次郎と同じくらいの年格好。

熊谷は、若い頃に恩を受けた藤の局の子、敦盛だと気づきます。

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若武者ひとり討ち取ったところで何になろう。
幸い辺りに人気なし。
ひとまずここを落ちさせてまえ・・・

熊谷は、そう言って敦盛を見逃そうとしますが・・・

 いったん敵に組み敷かれ
 ナニ面目に長らえん
 早首討てやコリャ熊谷


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 情なや無残やと胸も張裂け気も遅れ・・・

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 なげきに時は移りにぞ

熊谷はどうしても刀を振り下ろすことができません・・・。

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 ヤアヤア熊谷
 平家方の大将を組敷きながら
 助けるは二心に紛れなし・・・


熊谷が躊躇していると、
ふたたび平山が現れ、そうけしかけます。

もともと熊谷は平家方の武人。
探られれば痛くない腹ではありません。

敦盛は涙を浮かべながら、

 心に掛るは母びとのおん事
 これこの青葉の笛を形見にと
 届けてくりゃれ、熊谷頼む
 ササ首討ち御身の疑い晴らされよ


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最早これまで 南無阿弥陀

熊谷は泣く泣く岩陰で敦盛の首を打ちます。

・・・実は、首をはねられたのは敦盛ではなく、
瀕死のわが子、熊谷小次郎・・・。

 平家方にかくれなき
 無官の太夫敦盛の首
 熊谷の次郎が打ち取ったり


熊谷が声を張りあげます。

(つづく)
by dendoroubik | 2014-05-07 14:48 | ◆越中の祭 呉西 | Trackback | Comments(0)
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