長浜曳山まつり 2014 その2「恋女房染分手綱 重乃井子別れの段」

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坂は照る照る 鈴鹿は曇る 
あいの土山 雨が降る

降る雨よりも 母子の涙 
中に時雨る雨宿り・・・





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今年の一番山は青海山(北町組)。

本体は宝暦5(1755)年、藤岡和泉長好の作。
亭は文化2(1805)年、藤岡重兵衛安道の作。

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おめでたい三番叟から。

外題は「恋女房染分手綱 重乃井子別れの段」
(こいにょうぼうそめわけたづな しげのいこわかれのだん) 

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 いやじゃいやじゃ


駄々をこねているのは、
丹波の大名、由留木家の息女、調姫。

政略結婚で、東国の入間家へ嫁入りすることとなり、
乳母の重の井たちをお供に
東海道を下って、鈴鹿峠を控えた、
ここは近江は水口の宿。

東国から、姫を迎えに来た
入間家の家老、本田弥惣左衛門も、
急に嫁入りを拒み出した幼い姫に、
なす術なくオロオロするばかり。

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 門前で幼い馬子が、近所の子供たちといっしょに、
 東海道「道中双六」という面白い遊びをしている。


・・・奥女中の<若菜がそう伝えます。

姫の機嫌をとりなすために、
馬子を招じ入れて「道中双六」をすることに。

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いちばんに、ゴールの江戸にあがって
ご機嫌な調姫は、東国とはどんなところか、
早く行きたい・・・と、出立を急かすほどの変わりぶり。

お供の者たちも、姫の気の変わらぬうちにと、
あわてて出立の用意にかかります。

ひとり取り残された馬子、自然薯の三吉のところへ
重の井が褒美の菓子を持って現れます。

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 困ったときはこの、重の井を訪ねよ

幼い馬子の利発さに感心した
重の井は、やさしく、そう声をかけます。

 由留木家お乳人、
 重の井様とはお前か。
 そんなら、オレの母様・・・


三吉は重の井に抱きつきます。

 馬方の子は持たぬ・・・

いったんは突き放しますが、
三吉から守り袋まで見せられると、疑いの余地もなし。

紛れもなく、乳飲み子の頃に生き別れたわが子。

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かつて調姫の母に仕える腰元だった重の井は、
奧家老の息子、伊達与作と不義密通。

後家の御法度を犯したふたりは死罪になるところ、
重の井の父、定之進が切腹して愁訴。

調姫の母と同時に子を産んだ重の井は、姫の乳母に。
与作は追放という沙汰がくだります。

そしてふたりの子、三吉は与作の家来に育てられ、
いまは馬方に身をやつしています。

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 他になんにも望みはねえ。
 お父っさんをたんね出し、
 せめて1日なりとも親子3人、暮らしたい


・・・そんな健気なことを言う三吉。 
 
 オレがワラジをつくって、
 お父っさんとおっ母さんを養ってやる


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調姫と三吉(実は伊達与之助)は乳兄弟。

しかし、そんなことが知られれば、
調姫の縁談も不調になりかねず、
お家の存続にも関わりかねません。

 なるほど、お前を生んだに相違はないが、
 今では親でも子でもない。 
 追放の与作の子と知られれば、
 お前もお咎を受けよう。
 黙ってこのまま、帰っておくれ


心は千々に乱れながらも、
重の井は、そう言い放ちます。

 困ったときの用足しに・・・

重の井は三吉に金子を渡そうとしますが・・・

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 親でも子でもないならば、
 生きよと死のうと、要らぬお構い。
 金を貰ういわれもねえ。
 馬方こそすれ伊達の与作の総領じゃ!


気丈にそう言い捨てて、泣きながら走り去る三吉。

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 もいちど、顔を見せておくれ・・・

駈け戻った三吉と重の井の愁嘆が悲しすぎます・・・。

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姫様のめでたいご出立を祝して、
馬子唄を歌って聞かせろと催促されますが、
三吉は泣き伏して歌えません。

 めでたい席に涙は不吉!

小突かれて、ようや「鈴鹿馬子唄」を歌う三吉。

 坂は照る照る、鈴鹿は曇る・・・

涙で「あいの土山雨が降る」のつづきが歌えない・・・

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 降る雨よりも母子の涙

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中に時雨る雨宿り・・・

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 姫様のお立ち・・・

まるで決別の合図であるかのように、
重の井が扇を返します。

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三吉は泣きじゃくりながら、いずこへか走り去ってゆきます・・・。

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Commented by tora003 at 2014-04-23 22:58 x
今年の長浜は絶好のお祭り日和でしたね。
いつもながら臨場感あふれる写真と巧みなキャプション。
毎年同じことが繰り返される伝統の祭りの中で子供達が演じる歌舞伎は毎年外題が変わるので興味は尽きません。
其の3を楽しみにしております。
Commented by dendoroubik at 2014-04-24 22:44
☆toraさん

14、15日と朝から晩まで長浜にいましたが
飽きるということがありませんでした^-^
「重の井子別れ」は 計4回見ました(笑)

いずれも三吉のいじらしさに涙・・・でした
重の井の男の子 うまかったですね!

一番山でしたので 
夜はtoraさんの見られた13日のみ・・・
やはり これも見てみたかったです~
by dendoroubik | 2014-04-22 14:39 | ◇長浜曳山まつり | Trackback | Comments(2)